Claude Code、Proプランから静かに消えた理由
月額20ドルのProプランにClaude Codeが含まれなくなった。告知なし、メールなし、変更履歴なし。それを世界に知らせたのは、Anthropic自身ではなく一枚の価格ページのスクリーンショットだった。
月額20ドルのProプランにClaude Codeが含まれなくなった。告知なし、メールなし、変更履歴なし。それを世界に知らせたのは、Anthropic自身ではなく一枚の価格ページのスクリーンショットだった。
何が起きたか
4月21日の午後遅く(日本時間4月22日早朝)、AnthropicのProプランの価格ページからClaude Codeの記載が消えた。
それまでProプラン(月額20ドル、約3,200円)にはClaude Codeが含まれていた。変更後の比較表では、ProとFreeの列にバツ印が並び、チェックマークはMax 5x(月額100ドル、約1万5,900円)以上にしか表示されなくなった。 5倍の値上がりだ。
同時期、Claude Codeのサポートドキュメントも書き換わった。それまで「ProプランまたはMaxプランでClaude Codeを使う」と書かれていたページのタイトルが、「MaxプランでClaude Codeを使う」へと変更された。「Pro」という1単語が消えただけ。だが意味は正反対だ。
変更に気づいたのは、4月10日時点のアーカイブページと当日のページを照合したユーザーたちだった。告知は一切なかった。
RedditとHacker News、X(旧Twitter)が次々と反応し、騒動は数時間で広がった。
「2%のテスト」という説明
批判が高まるなか、AnthropicのHead of GrowthであるAmol Avasare(アモル・アバサレ)がXに投稿した。
「明確にしておくと、新規プロシューマー登録者の約 2% を対象とした小規模なテストを実施している。既存のProおよびMaxのサブスクライバーには影響しない」
しかしこの説明には、根本的な矛盾があった。
サーバーサイドでの2%限定テストであれば、公開されている価格ページやサポートドキュメントは変わらないはずだ。ところが実際には、Anthropicのウェブサイト全体が更新されていた。誰がアクセスしても、ProプランにはClaude Codeが含まれないと表示される状態になっていた。「テスト対象は2%」という説明と、「全員が目にする告知」が同時に存在するという奇妙な状況だ。
ニュースレター「Where's Your Ed At」を運営するエド・ジトロン(Ed Zitron)はこの矛盾を指摘し、サポートドキュメントが変更された理由と、なぜサイト全体がProユーザー向けにClaude Codeを表示しなくなっているのかについて、アバサレが追加の問い合わせに応答しなかったと報告している。
変更後に撤回、ただし実験は継続
批判を受け、Anthropicは価格ページとサポートドキュメントをいずれも元の表示に戻した。アバサレは翌22日(日本時間)にXで追加の説明を行った。
「ランディングページとドキュメントが更新されたのは混乱を招いたと認識している。実験の対象外である98%のユーザーにとって当然わかりにくく、両方の変更を元に戻した」
ページの見た目は復元された。しかし実験は継続中だ。新規登録者の一部は依然としてClaude Codeが含まれないProプランを提示されている。
「今後、既存のサブスクライバーに影響する変更があれば、XやRedditのスクリーンショットではなく、我々から直接お知らせする」とアバサレは述べた。その約束自体も、Xへの投稿で伝えられた。
なぜ今、この変更なのか
アバサレはXで背景を率直に認めた。
「MaxプランをリリースしたときはClaude Codeも含んでいなかったし、Coworkも存在せず、数時間にわたる長時間の非同期エージェント処理なんて想定していなかった。Maxは重いチャット利用向けに設計された、それだけだ」
Claude Opus 4リリース以降、サブスクライバーあたりの利用量が急増した。Anthropicは週次の利用上限設定、ピーク時の制限強化など段階的に手を打ってきたが、現行のプラン設計はその利用実態に追いついていない。
コスト構造の問題は数字にも表れている。The Registerの分析によれば、Anthropicの定額サブスクリプションが実際のトークン消費量に対して請求する金額は、消費コストの 10分の1以下になるケースもある。Claude Codeのような長時間エージェント処理では特にこの乖離が大きくなる。
「使用量は大幅に増えていて、現行のプランはそのために設計されたものではない。ユーザーに良い体験を届け続けるための選択肢を検討している」(アバサレ)
Proユーザーへの実質的な影響
現時点では、既存のProサブスクライバーへの影響はないとされている。サイトの表示も元に戻った。
ただし、状況は流動的だ。4月4日にAnthropicはサードパーティ製のエージェントツールをProおよびMaxのサブスクリプション経由では使えないようにする変更を行っていた。このように「静かな変更」は今回が初めてではなく、今回も事前のメール通知はなかった。
アバサレ自身が認めた「使用量が増えすぎて現行プランでは対応できない」という事実は変わらない。Anthropicが何らかの形でプラン構成を見直す方向性は、今回の騒動で撤回されたわけではない。
問われているのは価格だけではない。黙って変更し、批判を受けて戻す。次は何が、どうやって変わるのか、ユーザー側には今もわからない。
参照元
他参照
関連記事
- GitHub Copilot、新規受付停止とトークン課金化へ
- Apple、「AIを使わないチーム」を査定対象にし始めた
- ChatGPT Pro、100ドル新層とPlus縮小の二面策
- Claude Code劣化問題、AMDのAI責任者が膨大なログで告発
- Claude使用制限が「想定外の速さ」で枯渇――三重苦の正体
- Adobeが競合を抱え込む、AIエージェント基盤への賭け
- Claude Opus 4.7公開、最難関タスクで主役交代か
- OpenAI流出メモ、Anthropic売上水増しと告発
- Claude Codeのキャッシュ短縮で枠が枯渇、開発者が反発
- AnthropicがWord版Claudeを公開ベータ——法律・金融の現場に直接踏み込む