Cloudflare、「5年後に人は誤差になる」。非人間トラフィック1000倍予測

2026年5月、Cloudflareのネットワーク上で機械のトラフィックが人のトラフィックを上回った。当初の予測より18か月早い逆転だった。同社はさらにその先を予測している。

Cloudflare、「5年後に人は誤差になる」。非人間トラフィック1000倍予測
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2026年5月、Cloudflareのネットワーク上で機械のトラフィックが人のトラフィックを上回った。当初の予測より18か月早い逆転だった。同社はさらにその先を予測している。


予測は外れ続けた。現実の方が速かった

Cloudflareは現地時間8月6日、2026年第2四半期(4〜6月)の決算を発表した。売上高は6億9610万ドルで前年同期比36%増。時間外取引で株価は約17%上昇し、年初来の上昇率は68%に達した。

数字以上に注目を集めたのは、決算説明会で語られた予測だ。

Cloudflareは以前から、機械のトラフィックが人を超える時期を予測してきた。2025年11月の時点では「2027年後半」、2026年3月には「2027年前半」と修正した。

だが現実はさらに速かった。2026年5月、同社のネットワーク上で非人間トラフィックが過半数を超えた。

決算説明会で、CFOのトーマス・サイファート(Thomas Seifert)氏は次の予測を示した。

現在のトレンドが続けば、5年後には非人間トラフィックが人のトラフィックの1000倍に達すると考えている。言い換えれば、人はインターネットの誤差になる。人のトラフィックが減るからではない。非人間トラフィックの成長速度がそれほど速いということだ

サイファート氏自身が予測を外し続けたと認めた上での数字だ。AIエージェントによるリクエストは前年比1700%以上増加しており、同社はこの流れを「エージェント型インターネット」と呼んでいる。

Cloudflareの予測と現実
2025年11月
「2027年後半」に逆転すると予測
機械のトラフィックが人を超える時期の初期見通し
2026年3月
予測を「2027年前半」に前倒し
SXSW講演で修正。データの加速を確認
2026年5月
非人間トラフィックが過半数を超える
当初の予測を18か月前倒し。予測より先に逆転
2026年8月
「5年後に1000倍」と予測
AIエージェントのリクエストが前年比1700%以上増
※Cloudflare Q2 2026決算説明会および過去の発言に基づく。日付は現地時間

「サーバーを貸す商売はしない」

CEOのマシュー・プリンス(Matthew Prince)氏は、ハイパースケーラー(大手クラウド事業者)との違いを明確にした。

AWSは四半期売上422億ドル、年換算で1690億ドル。Cloudflareの四半期売上は約7億ドルで、規模では比較にならない。だがプリンス氏は、競争の前提が違うと主張した。

売っているものがただのコモディティなコンピューティングで、AI企業にバランスシートと信用格付けを使わせて他社と同じサーバーを買わせているだけなら、それは我々にとって魅力的な事業ではない

ハイパースケーラーのGPU稼働率は「極めて低い」とも語った。AWSやGoogle Cloudは「サーバーを買って、貸し戻して、5回分の売上を取る」ビジネスだが、Cloudflareは「仕事の成果そのものを売る」ビジネスだという。

ハイパースケーラーはサーバーの稼働率を顧客に委ねる。Cloudflareはそれを自社の仕事として引き受ける。設備の効率を最大化し、スケジューリングや最適化を組み込む。だからサーバーレンタル事業には参入しない、と。

設備投資の規模がその姿勢を裏付ける。Cloudflareの2026年通期の設備投資は売上の14〜15%、金額にして約4億3000万ドルの見通しだ。AIインフラに兆ドル単位で投資するハイパースケーラーとは桁が違う。Amazonは2026年だけで2200億ドルの設備投資を予定している。

5月のリストラ、その後

Cloudflareは2026年5月、全従業員の約20%にあたる1100人以上の人員削減を発表した。「エージェント型AIファースト」への移行を理由とする、創業以来最大のリストラだった。

Q2決算にはリストラの費用負担と成長の加速が同時に表れた。リストラ関連費用は1億5100万ドルを計上し、米国会計基準(GAAP)の純損失は1億7000万ドルに拡大した。一方、リストラ費用を除けば純損失は約1800万ドルで、黒字化が視野に入る水準まで改善している。

開発者基盤も拡大している。同社の開発者向けプラットフォーム「Workers」の登録開発者数は740万人に達し、Q2だけで約200万人が新規に加わった。2025年の年間増加数を1四半期で超えた計算になる。年間10万ドル以上を支払う大口顧客は4698社で、前年比27%増だった。

インターネットは誰のものか

Cloudflareのネットワークは、ウェブ全体のおよそ5分の1のトラフィックを中継している。そこから見えるのは、インターネットが誰に使われているかの変化だ。

プリンス氏は「過去27年のインターネットのビジネスモデルは広告で定義されてきた」と述べた。「次の27年は大きく変わる」とも。同社はAIエージェント間の少額決済基盤としてcloudflare.payを開発しており、1リクエストあたり1セント未満の課金で、コンテンツ制作者とAI企業の双方が成り立つ仕組みを目指している。

1000倍という数字が5年後に実現するかは、正直わからない。予測を外し続けた当人がそう言っている。確実なのは、方向だ。人のためにつくられたインターネットの上を、機械が走り回っている。その速度は、予測する側の想像力すら追い越している。

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