Fedora CoreOS、Kubernetesとの長年の制約を解消。zRAMスワップを有効化
Fedora CoreOS 45で、systemd-oomdとzRAMスワップがデフォルト有効になる。Kubernetesのスワップサポートが安定化し、約6年据え置かれていた設定が動いた。
Fedora CoreOS 45で、systemd-oomdとzRAMスワップがデフォルト有効になる。Kubernetesのスワップサポートが安定化し、約6年据え置かれていた設定が動いた。
Kubernetesが壁だった
Fedora 33(2020年)からFedoraの各バリアントはRAM上に圧縮スワップ領域を作るzRAMをデフォルトで有効化し、Fedora 34以降はメモリ逼迫時にプロセスを自動終了するsystemd-oomdも標準で動いている。
CoreOSだけが、この流れに乗れなかった。
理由はKubernetesだ。CoreOSはコンテナワークロードに特化したエディションであり、ユーザーの大半がKubernetesクラスタのノードとして運用している。
しかしKubernetesは長らくスワップが有効なノードを拒否しており、kubeletはスワップを検出すると起動すらしなかった。CoreOSがzRAMを有効化すれば、Kubernetesとの互換性が壊れる。だから見送り続けてきた。
転機はKubernetes v1.22(2021年)で導入されたスワップサポートのアルファ実装だ。その後ベータに昇格し、2025年8月リリースのv1.34で安定版に到達した(GA)。kubeletの設定でfailSwapOn: falseとmemorySwap.swapBehavior: LimitedSwapを指定すれば、スワップのあるノードでもKubernetesは正常に動作する。
壁がなくなった。
Fedoraのエンジニアリング・運営委員会(FESCo)は現地時間8月10日、CoreOS 45でsystemd-oomdとzRAM上のスワップをデフォルト有効化する変更提案を全会一致で承認した。変更のオーナーであるNemric氏は、自身が長年zRAMスワップを有効にした状態でKubernetesを運用しており、問題は起きていないと報告している。
注意すべき点がある。この変更は新規インストールだけでなく、既に稼働中のノードにも適用される。Kubernetesの設定が従来のままだと、kubeletがスワップを検出して起動に失敗する可能性がある。既存環境では事前にkubeletの設定変更が必要になる。
AtomicデスクトップもWebUIに移行
同じ週のFESCo会議で、もう2つの変更が承認された。いずれもFedoraの「イミュータブル」系エディションに関わる。
1つ目は、Fedora Atomicデスクトップ(Silverblue、Kinoite、COSMIC Atomic、Sway Atomic、Budgie Atomic)のインストーラーをGTKベースの旧AnacondaからAnaconda WebUIに切り替える変更だ。Anaconda WebUIはCockpit(Linuxサーバー管理用のWebインターフェース)上で動くブラウザベースのインストーラーで、Fedora 42のWorkstationで初めてデフォルト採用され、Fedora 43でSpinsとKDEに拡大していた。Fedora 45でAtomicにも広がることで、Fedoraの主要バリアントすべてがWebUIに統一される。
2つ目は、そのWebUIを使ったリモートインストールのサポートだ。対象マシンをinst.webui.remoteオプションで起動すると、別のマシンのブラウザからHTTPSとPINベースの認証でインストールを操作できる。ハードウェアリソースが限られたデバイスでも、ブラウザの処理負荷を管理用マシンに逃がせるため、実用上の制約が緩和される。リモートアクセスは明示的に有効化しなければ動作しない設計で、テクニカルプレビューの位置づけだ。
2020年10月 Fedora 33でzRAMスワップを標準化 Workstation等の主要バリアントでデフォルト有効に。CoreOSは除外 2021年4月 Fedora 34でsystemd-oomdを標準化 メモリ逼迫時の自動プロセス終了をデフォルトに。CoreOSは除外 2021年8月 Kubernetes v1.22、スワップのアルファサポート導入 kubeletがスワップ有効ノードで起動可能に(実験的機能) 2025年4月 Anaconda WebUI、Workstationで採用 Fedora 42でブラウザベースのインストーラーに切り替え 2025年8月 Kubernetes v1.34、スワップサポートがGA 安定版に到達。CoreOSのzRAM有効化を阻む壁が消える 2025年10月 Anaconda WebUI、Spins/KDEに拡大 Fedora 43で対象を拡大。Atomicはまだ旧インストーラー 2026年8月 FESCo、CoreOS/Atomicの3変更を承認 zRAM/oomd有効化、WebUI切替、リモートインストールを全会一致で承認 2026年10月 Fedora 45リリース予定 CoreOS/Atomicが他バリアントと設定を共通化 |
3つの変更に共通するのは、CoreOSとAtomicが他のFedoraバリアントとの差異を減らす方向に動いている点だ。設定の共通化はメンテナンス負荷を下げ、バグの再現性を上げる。Fedora 45のリリースは10月を予定している。
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