Gmailの新規無料ストレージ、電話番号なしで5GBに
新規Gmailアカウントの無料クラウドストレージが5GBに削減され、15GBを得るには電話番号の登録が必要になる地域テストをGoogleが認めた。サポートページの文言も既に書き換わっている。
新規Gmailアカウントの無料クラウドストレージが5GBに削減され、15GBを得るには電話番号の登録が必要になる地域テストをGoogleが認めた。サポートページの文言も既に書き換わっている。
5GBに削られた新規アカウント
Gmailの無料15GBという数字が、新規ユーザーの一部から外れはじめている。
これまでGoogleアカウントを作れば、Gmail・Drive・Photosで共有される15GBが自動で付いてきた。アフリカのケニアやナイジェリアの新規ユーザーから「自分のアカウントは5GBしかない」と報告が、Redditのr/degoogleコミュニティに上がった。あるRedditユーザーが投稿したスクリーンショットには「Review your storage options」(ストレージオプションの確認)と書かれた画面が映っており、現在の容量が5GBであることが明示されている。
無料アカウントの容量が3分の1に削られた格好だ。Gmailの受信箱、Driveのファイル、Photosの写真がすべてこの5GBを取り合う構造は変わらない。写真を数百枚バックアップすれば、メールの受信もままならなくなる水準まで落ちる。
電話番号と引き換えの15GB
5GBに縛られたユーザーには、Googleが救済策を提示する。電話番号を登録すれば、無料で15GBに戻す、というものだ。
スクリーンショットの画面では「Unlock 15 GB storage at no cost by using your phone number」(電話番号を使って15GBのストレージを無料でアンロック)と「Keep 5 GB storage」(5GBのままにする)の2択がユーザーに迫られる。電話番号を渡せば容量が戻り、拒めば5GBで暮らす形になる。
Google will use your phone number to make sure storage is added only once per person. (Googleはストレージが1人につき1回だけ追加されるよう、電話番号を確認に使用します)
スクリーンショットの画面下部には、上記のような説明文が添えられている。同一人物が複数アカウントを作って容量を稼ぐ行為を防ぐのが、Googleの表向きの目的だ。
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新規Gmailアカウントを作成
↓
「ストレージオプションの確認」画面が表示される
↓
電話番号を
登録する ↓
15GB
無料で全容量を利用
電話番号を
登録しない ↓
5GB
3分の1の容量に制限
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サポートページが先に書き換わっていた
地域テストの開始時期について、Googleは正式には何も発表していない。ただ、公式サポートページの文言は既に書き換えられている。
9to5Googleの調査でわかったのは、Google Oneのストレージ説明ページが以前「15 GB of cloud storage at no charge」と書いていた箇所を、現在は「up to 15 GB of cloud storage at no charge」に変更した点だ。Wayback Machineのアーカイブによれば、変更は3月18日頃に行われたとされる。
各Googleアカウントには、Gmail、Google Drive、Google Photosで共有される最大15GBのストレージが含まれます。
これが、現時点で「support.google.com」に掲載されているサポートページの冒頭文だ。「up to」(最大)が加わっただけで、保証の意味が変わっている。15GBは確約ではなく、上限の話になった。
公式声明より2か月以上前に、Googleはサポートページの法的な逃げ道を準備していた計算になる。
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Googleが認めた「地域テスト」
Googleは複数メディアの取材に対し、今回の変更がテストであることを認めた。広報担当者は次のように述べた。
一部の地域で作成された新規アカウント向けに、新しいストレージポリシーをテストしています。高品質なストレージサービスを提供し続けながら、アカウントのセキュリティとデータ復元の改善をユーザーに促すためのものです。
Googleの公式説明は「電話番号を登録すれば、ユーザーのアカウントセキュリティが上がる」というロジックで組み立てられている。アカウント復元の連絡先として電話番号があれば、ロックアウト時の救済はしやすくなる。
ただ、声明には別の読み方もある。Googleが画面に書いた「1人につき1回だけストレージを追加する」目的は、セキュリティではなく重複アカウント防止のための識別子として電話番号を使う話に近い。メモリとストレージ供給が逼迫している市場環境を背景に置くと、無料容量の削減はコスト圧力への対応とも読める。
「once per person」の建前
電話番号を「個人を特定する識別子」として扱う方針は、Googleにとって長年の懸案だった重複アカウント問題と直結する。
無料15GBは、もともと2013年にGoogleがGmail・Drive・Photosのストレージを統合した際に設定された容量だ。それから13年、写真や動画のサイズは桁違いに増えたのに、無料枠は据え置かれてきた。Googleが声明で語る「高品質なストレージサービス」を維持するコストは、確かに重くなっている。
コストを下げる方法は本来いくつもあった。容量を一律で10GBに下げる、新規アカウントだけ徐々に減らす、有料プランの価格を見直す。Googleが選んだのは、電話番号と15GBの交換だった。
電話番号を渡したくない理由を持つユーザー(ジャーナリスト、政治活動家、プライバシー重視層)が、Googleアカウントを実質的に「使い物にならない5GB」で運用させられる構造になる。
テストが本格化したとき、誰が困るか
現時点で5GB制限が観測されたのは、ケニアやナイジェリアといったアフリカ諸国の新規アカウントが中心だ。電話番号の入手コストや本人確認の制度が先進国と異なる地域で、まず試されている。
既存アカウントへの適用について、Googleは触れていない。「新規アカウント」と限定して声明を出したことが、現状ユーザーが感じる「自分には関係ない話」の距離感を作り出している。
ただ、地域テストが全世界に展開された場合、新しくGmailを作る学生やセカンドアカウント運用者にとって、電話番号の提供が事実上必須になる。Googleが13年維持してきた「無料15GB」のブランド資産は、テストの結果次第で過去のものになりうる。
サポートページの「up to」という2文字が、その未来を既に示唆している。
参照元
他参照