Microsoft製品の名前、平均寿命2年11カ月。改名履歴を記録するサイトが公開

72のMicrosoft製品が持つ名前は合計158。オーストラリアのMicrosoft MVPが、現存するMicrosoft製品の改名履歴を記録・分析するサイト「The Rebrand Registry」を公開した。次に名前が変わりそうな製品の予測機能まで備えている。

Microsoft製品の名前、平均寿命2年11カ月。改名履歴を記録するサイトが公開

72のMicrosoft製品が持つ名前は合計158。オーストラリアのMicrosoft MVPが、現存するMicrosoft製品の改名履歴を記録・分析するサイト「The Rebrand Registry」を公開した。次に名前が変わりそうな製品の予測機能まで備えている。


72製品、158の名前

Microsoftの製品名がどれくらい頻繁に変わるか。答えを出した人がいる。

オーストラリア在住のMicrosoft MVP(Microsoftが技術コミュニティの貢献者に贈る称号)、ローリアン・ストラント(Loryan Strant)氏が公開したThe Rebrand Registryは、現在も存続するMicrosoft製品の改名履歴を1つずつ記録したデータベースだ。登録されているのは72製品、158の名前。1つの製品が平均して2つ以上の名前を持っている計算になる。

サイトが算出した数字がある。Microsoftの製品名が存続する平均期間は2年11カ月。3年もたずに名前が変わる。

The Registerが報じたところによると、サイトは122件の引用ソース(可能な限りMicrosoft公式の発表を採用)に裏付けられており、各製品の名前がいつからいつまで使われたかを時系列で追跡できる。対象は現存する製品だけで、廃止された製品は含まない。ストラント氏自身もこの制限による「生存バイアス」を認めている。

このサイト自体にも旧名がある。ページ上部にはかつての名前「Microsoft Product Lifecycle Tracker」が取り消し線つきで表示されている。

3回名前が変わった8製品

データベースの中で、3回の改名を経験した製品は8つある。

Azure AI Search
Azure App Service
Azure DevOps
Azure SQL Database
Foundry Tools
Microsoft 365 Copilot app
Microsoft Configuration Manager
Microsoft Defender for Endpoint

いずれもIT管理者が日常的に触れる製品だ。

ストラント氏はさらに踏み込んで、次に改名されそうな製品を予測する「Rebrand Risk Index」(改名リスク指標)を作った。現在の名前が使われている期間を45%、過去の名前の数を35%、属するファミリー内の改名頻度を20%の重みで算出する。サイト上には免責として、これは「recreational」(娯楽)であり、Microsoftの計画を示すものではないと明記されている。

この指標で「elevated」(高リスク)と判定されたのは、Azure App Service、Azure SQL Database、Azure DevOps、Microsoft Dynamics 365 Field Serviceの4製品だ。

「表記揺れ」も「ロゴ」も追跡する

ストラント氏のプロジェクトは改名履歴だけではない。

Let Me Correct That For You(「それ、直しておくよ」の意)は、Microsoftの製品名の表記揺れを指摘するサイトだ。PowerPointはキャメルケース(語の区切りで大文字にする表記法)だが、Copilotは普通の表記。Power Appsにはスペースがあるが、SharePointにはない。サイトには各製品の「正式な」表記と、よくある間違いが並んでいる。

Microsoft Cloud LogosはMicrosoftクラウド製品のロゴを収集・公開するプロジェクトで、もともとストラント氏がOneDriveフォルダで管理していたものがGitHubリポジトリに成長した。Microsoft社員も利用しているという。

The Rebrand Registryの構築には、ストラント氏はバイブコーディング(AIにコードを生成させる手法)を使った。ただしデータの検証はAIに頼らず自分で行っていると強調している。

I have my own harness that lets me custom-build things

(自前のツール環境があり、それを使って作っている)

そう語ったストラント氏は、MVP同士の会話でMicrosoftの改名が話題になったことがきっかけだったと明かしている。Microsoft社内にはこうした改名履歴が保存されていないといい、社員からも好意的な反応があるという。

名前が変わるたびに何が起きるか

改名は笑い話では終わらない。

2026年1月、あるSNS投稿が拡散した。「MicrosoftがOfficeをMicrosoft 365 Copilotに改名した」という内容だ。Perplexity AIの公式アカウントまでが「4億人のユーザーが一夜にしてAIユーザーになった」と発信し、400万回近く閲覧された。

実際に起きたのはもっと地味な変更だった。2022年にOfficeハブアプリがMicrosoft 365に改名され、2025年1月にさらにMicrosoft 365 Copilotアプリに変わった。個別のWord・Excel・PowerPointは元のままだ。Microsoftは火消しに追われ、声明を出した。だが混乱の根本は改名そのものが複雑すぎることにある。

これだけではない。Azure AI Foundryは2024年11月にAzure AI Studioから改名され、2025年11月にはMicrosoft Foundryへと再び名前が変わった。12カ月で2回の改名だ。

2025年6月には、米国の広告監視機関NAD(Better Business Bureau傘下の広告審査部門)がMicrosoftの「Copilot」ブランディングを審査し、複数の製品にCopilotという1つの名前を使うことで消費者が違いを十分に理解できないと指摘した。生産性向上の主張についても、客観的なデータではなく利用者の「感想」に基づいていると判断し、広告の修正または中止を勧告している。

名前が変わっても、古い名前はスクリプトの中に、設定画面のラベルに、サポート記事に、ライセンス文書に、イベントログに残り続ける。IT管理者にとっては、「DirSync」が「Azure AD Connect」になり、さらに「Microsoft Entra Connect」になっても、既存の手順書を全部書き直すわけにはいかない。

Microsoftの主な製品改名(2022〜2026年)
2022年11月
Office → Microsoft 365
ハブアプリの改名
2023年7月
Azure AD → Microsoft Entra ID
ID基盤の改名
2024年11月
Azure AI Studio → Azure AI Foundry
Ignite 2024で発表
2025年1月
Microsoft 365 → Microsoft 365 Copilot
ハブアプリ2度目の改名
2025年11月
Azure AI Foundry → Microsoft Foundry
12カ月で2度目の改名
2026年8月
The Rebrand Registry公開
72製品158の名前を記録

記録されなかった歴史

MicrosoftがSkype for Businessを廃止してTeamsに移行したように、名前だけでなく製品自体が入れ替わるケースもある。ストラント氏はこうした「後継製品」の扱いをまだ決めていないという。対象を「現存する製品の改名だけ」に絞ることで、データの一貫性を保っている。

10年以上にわたりMVP賞を受けてきたストラント氏の動機は、ユーモアと実用の両方だ。

I hope that people find them useful, and get a chuckle

(役に立つと思ってもらえたら嬉しいし、クスッとしてもらえたら)

Microsoftの改名の歴史は、公式には保存されていない。それを記録しているのは、Microsoftの製品を知り尽くしたコミュニティの人だ。ソースコードはGitHub上で公開されており、誰でもデータの追加や修正を提案できる。

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