Outlook受信トレイにCopilot通知が常駐。オフにする手段がない

検索欄へのCopilot統合が撤回された直後、Microsoftは受信トレイへの通知表示を始めた。ユーザーの許可なくメールを走査する機能が、個人アカウントにも広がっている。

Outlook受信トレイにCopilot通知が常駐。オフにする手段がない

検索欄へのCopilot統合が撤回された直後、Microsoftは受信トレイへの通知表示を始めた。ユーザーの許可なくメールを走査する機能が、個人アカウントにも広がっている。


「1日を振り返ろう」が勝手に現れる

新しいOutlook(Windows版・Android版)の受信トレイに、「Wrap up your day」(1日を振り返ろう)と書かれた吹き出しが表示されるようになった。Windows Latestが報じたもので、Microsoft 365 Copilotのサブスクリプションを持つアカウントだけでなく、個人用のMicrosoftアカウントでも確認されている

Windows Latest

当初はMicrosoft Viva Insightsの一部かと疑われたが、有効化した覚えがなく、個人アカウントでも表示されたことでその線は否定されている。

吹き出しをタップすると、右サイドバーにCopilotが起動し、あらかじめ組み込まれた指示が実行される。

Copilotはまず過去8時間の受信メール(「優先」と「その他」の両方)と送信メールを走査し、本日の成果をまとめる。次に緊急度を判断して注力すべき上位3項目を提示し、翌日の優先事項を3つ挙げる。

締めには「進捗を称える一言」を添えるよう指示されている。メールを読み、優先順位を付け、最後に褒める。頼んでいないのに。

オフにする方法がない

この機能には専用のオフスイッチが存在しない。Outlookの設定からCopilot自体を無効にしても、翌日には通知が再び表示されたという。

回避策として挙げられているのは、Copilotが含まれないMicrosoft 365プランへのダウングレードか、Outlook classicへの切り替えだ。ただしOutlook classicにも8月末からCopilotのエントリポイントが追加される予定で、Copilotが入っていない環境は長く続かない。

退いては差し込むサイクル

Copilotが受信トレイに届く直前、Microsoftは別のCopilot機能を撤回したばかりだった。

2026年4月、MicrosoftはOutlookの検索欄にCopilotの提案を表示する機能を発表した。6月から新しいOutlookのWindows版・Android版・iOS版・Web版に順次展開されたが、ユーザーの反応は厳しかった。AIの提案が検索結果の上に表示され、実際のメールやカレンダーの項目が押し下げられたからだ。批判を受けて、Microsoftは7月にMicrosoft 365ロードマップで撤回を表明している。

Copilot Searchの撤回は、MicrosoftがAI機能を引き下げた数少ない事例の一つだった。だがその直後に、今度は受信トレイにCopilotの通知が加わった。

OutlookへのCopilot統合:撤回と追加の時系列
2026年4月
検索欄へのCopilot統合を発表
検索結果の上にAI提案を表示する機能
2026年6月
新しいOutlookに順次展開
Windows版・Android版・iOS版・Web版が対象
2026年7月
批判を受けて撤回を表明
AI提案がメール検索結果を押し下げていた
2026年8月
受信トレイに「Wrap up your day」通知が常駐
許可なくメールを走査。専用のオフ手段なし
2026年8月末
Outlook classicにCopilotボタン追加(予定)
Copilotが入っていない環境は長く続かない
※Copilot Searchは検索欄への統合。「Wrap up your day」は受信トレイへの通知表示。配置箇所が異なる

新しいOutlookでCopilotが入っている場所は、左サイドバー、リボンメニュー、メール作成画面、そして今回の受信トレイ通知。検索欄からは退いたが、配置箇所は4か所に増えている。Androidでは作成ボタンの隣にCopilotボタンが追加されており、誤タップを誘発しやすい配置だとの指摘もある。

ユーザーが決められないこと

「Wrap up your day」の問題は、便利かどうかではない。

Copilotは受信メール・送信メール・その他のフォルダの内容を、ユーザーの許可を求めずに読み取っている。要約の質がどうであれ、メールの中身をAIに読ませるかどうかを決める機会がない。設定でオフにしても翌日には復活し、通知を個別に止める手段も用意されていない。

Microsoftはユーザーに「この機能を使いたいか」を聞いていない。使いたくない場合の選択肢は、プランの変更かアプリの乗り換えだ。

Copilotが便利かどうかは、使い手が判断することだ。使うかどうかを選べないのであれば、便利さの評価にすら入れない。

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