OneDrive フォト、9月からOneDriveを消さずに単体で削除可能に

無断インストールされたOneDrive フォトだけを消すのに、OneDriveごとアンインストールする必要はなくなる。ファイル同期を壊す心配なく削除できる選択肢が、ようやく来る。

OneDrive フォト、9月からOneDriveを消さずに単体で削除可能に

無断インストールされたOneDrive フォトだけを消すのに、OneDriveごとアンインストールする必要はなくなる。ファイル同期を壊す心配なく削除できる選択肢が、ようやく来る。


OneDriveの道連れが不要になる

OneDrive フォトを消したければ、OneDriveごとアンインストールするしかない。この厄介な制約が解消される。

Microsoftは、OneDrive フォトをOneDriveアプリとは独立してアンインストールできる機能を追加すると発表した。削除してもOneDrive本体はそのまま残り、ファイルの同期は止まらず、写真やファイルが消えることもないという。展開は9月の予定だ。

同時に、IT管理者向けの制御機能も準備されている。Microsoft 365ロードマップに8月7日付で2件が掲載された。

ID 568931「OneDrive フォトのデスクトップ体験へのアクセス管理」は、組織内で個人Microsoftアカウントでのサインインを制御できる管理者向け機能で、8月中に展開が始まる。ID 568934「ファイル同期に影響を与えないOneDrive フォトのアンインストール」が、一般ユーザー向けの単体削除機能だ。

これまで、OneDrive フォトはOneDriveインストールの一部として扱われていた。実行ファイル(OneDrive.App.exe)はOneDriveの同期クライアント(OneDrive.exe)と同じフォルダに格納され、MSIXパッケージ(個別にインストール・削除できる形式)として配布されていない。

だから「設定」>「アプリ」>「インストールされているアプリ」にOneDrive フォト単体の項目が存在しなかった。

なぜOneDriveごと消すのが危険だったか

OneDriveの同期クライアントは、Windows 11のほぼすべてのPCにあらかじめ入っている。多くのユーザーは初期設定のまま、デスクトップやドキュメント、ピクチャといったフォルダをOneDriveにバックアップしている。

この状態でOneDriveをアンインストールすると、ファイルがデスクトップから消えたように見えることがある。実体はクラウドに残っているが、ファイルオンデマンド(ローカルに実体を置かず、開いた時にだけダウンロードする機能)が有効だった場合、「あるはずのファイル」がローカルに存在しない。ショートカットも壊れる。

OneDrive フォトが不要なだけのユーザーにとって、これは割に合わないリスクだった。「写真アプリを1つ消すために、仕事のファイル管理を巻き込む」構造そのものが、今回の騒動を大きくした原因でもある。

「意図していたより広く展開した」

Microsoftは、OneDrive フォトの広範な配信は意図的ではなかったと説明している。

We are incubating a new photos experience in OneDrive that went more broadly than it should have in Windows. We're fixing that.

OneDriveで新しい写真体験を開発中だったが、Windowsで想定より広い範囲に展開してしまった、修正する。という内容だ。

8月1日頃からWindows 11のPCに無断でインストールされ始めたOneDrive フォトは、OneDriveの同期クライアント経由で配信された。Windows 11のセットアップ時にOneDriveを無効化していなければ、ほぼ全員が対象になりうる構造だった。

Enterprise版のWindows 11にも配信が及び、Microsoft Intune管理下の端末にまで到達した。個人Microsoftアカウント専用のアプリが、職場アカウントしか使えない法人PCに現れるという矛盾が、IT管理者の強い反発を招いた。

OneDrive フォト問題の経緯
7月29日
一般PCにOneDrive フォトが出現し始める
OneDrive同期クライアントの更新経由で配信。告知・許可なし
8月1日頃
配信が本格化、同期クライアント経由
OneDriveが入っているほぼ全てのWindows 11 PCが対象に
8月4日頃
法人PCにも到達、IT管理者が反発
個人アカウント専用のアプリがIntune管理下の法人端末に出現。使えないアプリが数百台に
8月7日
管理者制御と単体削除をロードマップに掲載
M365ロードマップにID 568931(管理者向け)とID 568934(単体削除)が登場
8月9日
Microsoftが「意図より広く展開した」と声明
修正すると表明。法人端末への配信理由は未回答
9月(予定)
単体アンインストール機能の提供開始(予定)
OneDriveを残したままOneDrive フォトだけを削除可能に
※日付は現地時間基準。9月の展開時期はMicrosoft 365ロードマップの掲載情報による

Microsoftはこの点について追加の説明をしていない。なぜEnterprise端末にまで及んだのか、意図的な配信と「意図しない」配信をどう技術的に分けていたのか。修正すると述べただけで、原因には踏み込んでいない。

なお、OneDrive フォトはバックグラウンドで動作しない。開いた時だけ起動する。9月まで待てるなら、OneDriveをアンインストールせずにそのまま放置しておくのが現時点では最も安全な対処になる。

Microsoftは勝手に入れたアプリを消す手段を、2カ月かけてようやく用意する。最初から用意しておくべきだったという指摘に、反論の余地はない。

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