Microsoft、Windows OEMライセンス料を最大10%値上げ。PC価格にさらに5%の上乗せ

部品だけじゃなかった。PCの価格を押し上げているのは、Windowsそのものでもある。

Microsoft、Windows OEMライセンス料を最大10%値上げ。PC価格にさらに5%の上乗せ

部品だけじゃなかった。PCの価格を押し上げているのは、Windowsそのものでもある。


ハードの次はソフト

メモリが足りない。SSDが高い。CPUも上がった。2025年後半から続くPC部品の価格高騰はすでに広く知られているが、コスト上昇の波はハードウェアだけで止まらなかった。

台湾の経済日報が現地時間8月10日に報じたところによると、MicrosoftはPC向けWindows OEM(PCメーカー向け)のライセンス料を2026年7月から平均7〜10%引き上げた。例年の改定幅は1桁にとどまっていたが、今年は異例の上げ幅になっている。

PCメーカーがWindowsを搭載して出荷するには、1台ごとにMicrosoftにライセンス料を支払う。この料金はCPUの等級に連動しており、搭載するプロセッサが高性能なほどライセンス料も高くなる仕組みだという。i3搭載機とi7搭載機では、OSの価格が違う。

台湾のPCブランド幹部は経済日報の取材に対し、多くのOEMはすでにこの値上げ分を製品価格に反映済みだと明かした。ただ、メモリやSSDの急騰に紛れて消費者の目には見えにくかったという。「他の部品がすでに上がりすぎていて、単一のコスト項目の変動を感じにくくなっている」。

5%、もう一段

この結果、第3四半期のPC最終製品価格はさらに約5%上昇する見通しだ。

台湾の二大PCブランドであるASUSとAcer(宏碁)はすでに今四半期の値上げを表明している。ASUSの廖逸翔(リャオ・イーシャン)システム事業総経理によれば、2026年5月時点で台湾市場の一部製品は2025年第4四半期比で累計約30%の値上げに達しており、第3四半期もさらに1桁台の上昇が見込まれるという。

30%。平均単価1000ドル(約16万円)のノートPCなら、約5万円の負担増になる計算だ。

部品の高騰は去年の後半から始まった。AIサーバー向けの需要が爆発的に拡大し、メモリメーカーは利幅の大きいサーバー向け製品の生産を優先している。その結果、PC向けのDRAMやNANDフラッシュの供給が絞られ、メモリ価格は倍以上に跳ね上がった。PCの新規コストの大半を占めるのはこのメモリだ。

そこにWindowsのライセンス料値上げが重なった。部品代とOS代、両方から値札が押し上げられている。

売れないのに高くなる

Counterpoint Researchの報告によると、2026年第2四半期の世界PC出荷台数は約6500万台で前年比4%減となった。2025年第1四半期から5四半期続いた成長が途切れた形だ。

Windows移行サイクルやAI PC普及が法人の買い替え需要をある程度支えているものの、メモリ価格の高騰と部品コストの上昇がOEMの生産計画を圧迫し、消費者需要も冷え込んでいるとCounterpointは分析する。

出荷が減っているのに価格は上がる。OEMにとって値上げは利益を守る手段だが、消費者にとっては「高くて買えない」が「もっと高くなる」に変わるだけだ。

Microsoftのライセンス料値上げは、部品高騰の陰に隠れてほとんど報じられてこなかった。

PCの値札には、見えない窓の代金が含まれている。

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