Copilot強制インストール、完了予定をまた延期。8月末に後退

Copilot強制インストール、完了予定をまた延期。8月末に後退
Microsoft

Microsoft 365 Copilotアプリの自動インストール、Microsoftがまたスケジュールを書き換えた。6月15日付でメッセージセンター(MC1152323)が更新され、フィーチャーフラグの詳細スケジュールは消えた。残ったのは「6月中旬から7月中旬にかけてロールアウト」という一文と、完了予定が7月31日から8月28日に後退した事実だけだ。


予告の歴史が語ること

この自動インストールには、もう長い経緯がある。

2025年9月の最初の予告では「10月から11月に完了」とされた。12月に実際にロールアウトが始まったものの、IT管理者の反発を受けて2026年3月に一時停止された。Microsoftは停止の理由を明示しなかった。6月2日の更新でMicrosoftは再開を告知し、4段階のフィーチャーフラグで7月1日に完了する計画を示した。

MC1152323 更新履歴
2025年9月
自動インストールを予告
10月〜11月完了予定で初版を発表
2025年12月
ロールアウト開始
バージョン2511で配布開始
2026年3月
一時停止
理由の明示なし。方針転換への期待が広がる
2026年6月
再開を告知
フィーチャーフラグ4段階で7月1日完了を計画
2026年6月15日
完了予定を8月28日に延期
詳細スケジュール削除。mid-June〜mid-Julyに簡素化
※ MC1152323はMicrosoft 365メッセージセンターの管理者向け通知ID

そして6月15日、その4段階スケジュールがまるごと消えた。代わりに置かれた「6月中旬〜7月中旬」は、具体的な日付を避ける表現に変わっている。完了予定の8月28日への延期と合わせて読めば、計画通りに進んでいないことは明らかだ。

Microsoftは一度も「やめる」と言っていない。止まるたびに「直す」と言い、直すたびにスケジュールを後ろにずらす。止まったのは方針ではなく、実装だ。この区別は、管理者にとって決定的に重要な意味を持つ。「待てば消える」という期待に根拠はない。

何が入ってくるのか

自動インストールの対象は、Microsoft 365のデスクトップアプリ(Word、Excel、PowerPointなど)がインストール済みのWindows PCだ。配布にはWindows Storeを使わず、Officeアプリに内蔵された Microsoft 365 Appsアップデーター を経由する。つまり、Officeの更新チャネルを通じてCopilotアプリが届く。

欧州経済領域(EEA)のユーザーは引き続き対象外。デジタル市場法(DMA)の規制下では、同意のないソフトウェア配布が許されない。それ以外の地域では、管理者がオプトアウトしない限り、デフォルトで有効化される。

自衛手段の全体像

スケジュールが揺れ続ける一方で、Copilotを止める手段は少しずつ整備されてきた。ただし方法によって効果の範囲が異なり、完全な除去には至らない。

アプリ単位の無効化。 Word、Excel、PowerPointでは「ファイル」>「オプション」>「Copilot」から「Copilotを有効にする」のチェックを外せる。2025年3月以降のバージョン(Word 2412以降、Excel/PowerPoint 2501以降)で利用可能だ。ただしアプリごと・端末ごとに設定が必要で、Outlookは別の手順になる。

プライバシー設定による遮断。ファイル」>「アカウント」>「アカウントのプライバシー」>「設定の管理」から、「コンテンツを分析するエクスペリエンスを有効にする」をオフにする方法もある。Copilotだけでなく、Outlookの返信候補など他の連携機能も止まる点には注意が必要だ。

管理者向けオプトアウト。 IT管理者はMicrosoft 365 Apps管理センターで「カスタマイズ」>「デバイス構成」>「モダン アプリの設定」>「Microsoft 365 Copilotアプリ」から自動インストールを無効化できる。グループポリシーでは「ユーザーの構成」>「ポリシー」>「管理用テンプレート」>「Microsoft Office 2016」>「プライバシー」>「セキュリティセンター」から、コンテンツ分析の接続エクスペリエンスを無効にする設定が使える。

個人向けの最終手段。 個人・家庭向けサブスクリプションでは、一部の地域でMicrosoft 365 Classic(Copilotなしの旧プラン)への切り替えが可能だ。https://account.microsoft.com/services からサブスクリプションを管理し、解約手続きに進むとClassicプランへの変更が提示される場合がある。提供地域や条件はアカウントによって異なり、全員に表示されるわけではない。

リボンからCopilotアイコンを消すだけであれば、「ファイル」>「オプション」>「リボンのユーザー設定」でCopilotのチェックを外す方法もある。ただしこれは見た目の変更に過ぎず、右クリックメニューやホバー時のCopilot提案は残る。

繰り返される光景

5月にはOfficeアプリ上のフローティングCopilotボタン(Dynamic Action Button)がユーザーの反発を受け、リボンに戻すオプションが追加された。Copilot利用者のうち実際に課金しているのは約3.3%との報告もある。Microsoftは配置を変え、名前を変え、導線を増やし続けるが、ユーザーの手が伸びない現実は変わっていない。

自動インストールはその延長線上にある。届けるだけでは使われないから、届く先を広げる。広げても使われなければ、さらに深く組み込む。Copilotの展開史は、その繰り返しの記録だ。

完了予定が8月末に後退したことで、管理者にはまだ時間がある。だが「準備の猶予」ではなく「判断の猶予」として使うべきだろう。Microsoftはやめない。そのうえで、自分の環境にCopilotが入ってきたとき何が起きるのか、今のうちに確かめておく必要がある。

参照元:MC1152323 - Microsoft 365 Copilot Apps installation on devices with Microsoft 365 Apps

他参照:Turn off Copilot in Microsoft 365 apps - Microsoft サポート

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