PS5のLinux対応、ファームウェア6.02まで拡大
初期型PS5にLinuxを入れる夢、対象がまた広がった。対応ファームウェアは3.00から6.02へ。2022年10月リリースのバージョンまで対象に入った。
初期型PS5にLinuxを入れる夢、対象がまた広がった。対応ファームウェアは3.00から6.02へ。2022年10月リリースのバージョンまで対象に入った。
ファームウェア6.02までLinuxが動く
初期型PlayStation 5(通称Phat)にLinuxをインストールするps5-linuxプロジェクトが、対応ファームウェアを大幅に拡張した。開発者のアンディ・グエン氏(Andy Nguyen)がv2.0として公開し、従来の3.xx〜4.xxに加え、5.00、5.02、5.10、5.50、6.00、6.02が新たに動作対象に入った。
従来は2022年前半までにリリースされたごく古いファームウェアでしか使えなかった。6.02は2022年10月公開のバージョンで、それ自体かなり古いものの、対象の広がりは着実に進んでいる。
ps5-linuxは、ハイパーバイザの脆弱性を利用してPS5上でLinuxを起動する。PS5のCPU 8コア(16スレッド)3.5GHz、GPU 2.23GHzをフルに使える。
この拡張で鍵になったのは、新しいエクスプロイトの追加だ。5.xxおよび6.xxファームウェアでは、従来とは異なるハイパーバイザのヒープ領域に存在する境界外アクセスの脆弱性を利用する。3.xx〜4.xxで使っていたものとは別の経路で、カーネルに到達する仕組みになっている。
| FW | 対応 | M.2 SSD | 内蔵Wi-Fi |
|---|---|---|---|
| 3.00 3.10 3.20 3.21 |
v1.0〜 | ✕ | ○ |
| 4.00, 4.02 4.03, 4.50 4.51 |
v1.0〜 | ○ | ○ |
| 5.00, 5.02 5.10, 5.50 |
v2.0 | ○ | ○ |
| 6.00 6.02 |
v2.0 | ○ | ○ |
M.2 SSDとWi-Fiも対応
ファームウェアの拡大と並行して、周辺機能も整備が進んでいる。5.00以降の全対応ファームウェアで内蔵M.2スロットが使える。LinuxをUSBドライブではなくM.2 SSDから起動できるため、読み書き速度が大きく改善する。
3.xx系(3.00、3.10、3.20、3.21)だけはM.2非対応で、USBドライブからの起動に限られる。4.xx以降はすべてM.2対応だ。
もうひとつ注目すべき進展がある。PS5に内蔵されているMarvell製WLANチップ向けのmwifiexドライバが公開された。これまでLinux上でネットに接続するにはUSB接続のイーサネットアダプタかWLANドングルが必要だったが、内蔵Wi-Fiを直接使えるようになった。
内蔵Wi-Fi対応により、USBポートの空きが1つ増える。キーボードとマウスだけ挿せばネットにつながる環境が整った。
PS5がLinux PCになると何ができるか
ps5-linuxをインストールしたPS5は、Ubuntu 26.04ベースのLinux PCとして動作する。HDMI経由で4K60Hz出力に対応し、Steamゲームやエミュレータが動く。グエン氏は3月にGTA V Enhanced Editionの動作デモを公開しており、実用的な性能が出ることを示していた。
CPUはZen 2世代の8コアで、GPUはRDNA 2。現行のゲーミングPCと比べると世代は古いが、PS5は中古市場で手頃な価格で出回っている。対応ファームウェアの本体を持っていれば、追加投資は最低限の周辺機器だけで済む。
ファンとブーストの制御ツールも提供されており、CPUを3500MHz、GPUを2230MHzまで引き上げる設定が可能だ。
制約と今後
対応はあくまで初期型PS5のみで、PS5 Slimは対象外だ。PS5の現行ファームウェアは13.20なので、6.02でも相当古い部類に入る。ファームウェアのダウングレードはできないため、すでにアップデート済みの本体では利用できない。
6.50以上のファームウェアへの対応について、グエン氏は否定している。GitHubのFAQには明確に「No」と記載されている。
対象が広がったとはいえ、2022年以前のファームウェアを維持している本体に限られる。この条件を満たすPS5が市場にどれだけ残っているかで、プロジェクトの広がりは決まる。
それでも、ps5-linuxの進化の速度は目を引く。4月末にv1.0が公開されてからわずか3週間で、対応ファームウェアは倍以上に増え、Wi-Fiドライバまで揃った。PS3時代のOtherOS機能を思い出す向きもあるかもしれない。あのときSonyは機能を削除したが、今回はユーザーが自力で取り返しにいっている。
ゲーム機としての役目を終えたPS5に、第二の人生を与える手段が着実に整いつつある。
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