OLEDモニター出荷が前年比78%増、QD-OLEDが市場を動かす
OLEDモニター市場が急拡大している。2026年第1四半期の出荷台数は前年同期比78%増。QD-OLEDパネルの供給増が新規参入を後押しし、市場の勢力図も変わり始めた。
前四半期比では減少、前年比では急伸
調査会社TrendForceが2026年5月19日に公表したデータによると、OLEDモニターの世界出荷台数は2026年第1四半期に前年同期比 78% 増を記録した。
ただし前四半期比では11%減っている。 2025年第4四半期に大規模なセール・プロモーションが展開され、需要を先食いした影響が大きい。年末商戦の反動と季節的な落ち込みが重なった格好だ。
前四半期との比較では縮小したが、1年前と比べれば出荷台数はほぼ倍近くに膨らんでいる。季節変動を差し引いても、OLEDモニター市場の成長ペースは速い。
この急成長の背景にあるのは、QD-OLEDパネルの供給拡大だ。 QD-OLEDパネルの流通量が増えたことで、従来はパネルを確保できなかったメーカーが製品を投入できるようになった。新規参入組が市場の空白を埋め、出荷台数を押し上げている。
| ブランド | シェア |
|---|---|
| ASUS | 24.0% |
| Samsung | 16.4% |
| MSI | 12.2% |
| AOC/Philips | 12.1% |
| LGE | 9.1% |
| Others | 26.2% |
| 合計 | 100% |
ASUSが首位を維持、Samsungが2位
メーカー別のシェアでは、ASUSが 24.0% で首位を守った。 第1四半期には34インチ・360Hzのゲーミングモニターと16インチのポータブルOLEDモニターを投入。ゲーミングからモバイルまで幅広い製品で他社を引き離している。
Samsungは 16.4% で2位。 自社でQD-OLEDパネルを生産できる強みを活かし、オフシーズンでも安定した出荷を続けた。27インチQHD 180Hzモデルなど独自製品の売れ行きが底堅い。
ASUSは製品の幅で勝負し、Samsungはパネルの自社調達で安定供給を確保する。上位2社の強みは重ならない。
3位争いは僅差、MSIとAOC/Philipsが拮抗
3位と4位の差はわずか 0.1ポイント。MSIが 12.2% で3位、AOC/Philipsが 12.1% で4位に入った。
MSIは31.5インチモデルの安定出荷に加え、27インチUHD業務用モニターと34インチ・360Hzゲーミングモニターを新たに投入した。ゲーミングと業務用の両方へ展開を広げたことが3位確保につながっている。
AOC/Philipsは戦略が対照的だ。 27インチQHDセグメントに的を絞り、価格を抑えたエントリーモデルで台数を稼いだ。MSIとの差はほとんどなく、第2四半期の動き次第では順位が入れ替わる可能性がある。
3位・4位のシェア差は0.1ポイント。MSIが多方面展開、AOC/Philipsが価格攻勢と、対照的な手法で競り合っている。
LGEは5位、ウルトラワイドに活路
LGE(LG Electronics)は 9.1% で5位。 第1四半期に39インチ・WUHD・165Hzという独自仕様のOLEDモニターを発売した。まだ出荷への本格寄与はこれからだが、第2四半期には大きく伸びる見込みだ。
LGEの出荷のうち、ウルトラワイド製品がすでに 40% を占めている。 第2四半期にはこの比率が45%前後まで高まるとTrendForceは予測する。他社がゲーミングやエントリー帯で争う中、LGEはウルトラワイドという独自の領域で存在感を示そうとしている。
QD-OLEDが変えた競争の条件
今回のTrendForceのデータを通して見えるのは、パネル供給の増加が市場参入のハードルを下げた点だ。 QD-OLEDパネルが潤沢に出回るようになり、これまでパネル確保に苦労していたメーカーも製品を出せるようになった。シェア上位5社の顔ぶれ自体は大きく変わっていないが、3位以下の差は縮まり、競争はさらに厳しくなっている。
OLEDモニターの選択肢が増えれば、恩恵を受けるのはユーザーだ。 価格とスペックの両面でメーカー同士が競り合う流れは、まだ始まったばかりに見える。
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