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中国、AIコンパニオン規制を施行。3億人超の会話が消える

AI

中国、AIコンパニオン規制を施行。3億人超の会話が消える

中国で擬人化AIへの国家規制が始まった。コンパニオン機能を全面停止した企業と、AIとの別れを惜しむユーザーが残された。 施行日に起きたこと 7月15日、中国で「人工智能拟人化互动服务管理暂行办法」(AI擬人化インタラクションサービス管理暫定弁法)が施行された。AIが人の性格や思考パターンを模倣し、継続的に感情のやり取りをするサービスを対象とした、世界初の国家規制だ。 その瞬間に何が起きたか。バイトダンスの「豆包」(Doubao)は、ユーザーが自由に作れていたAIエージェント機能を停止した。アリババの「千問」(Qwen)は5日早い7月10日から段階的に停止し、15日に完全終了。テンセントの「元宝」(Yuanbao)はさらに早く、6月30日にカスタムAIエージェントへの入り口を削除していた。NetEaseのAI感情サポートアプリ「妙時」(Miaoshi)は14日をもって全サービスを終了した。 中国のIT大手4社が、ほぼ同時にコンパニオン機能を切った。 3億人が失うもの 規模が尋常ではない。QuestMobileの調査によれば、豆包の月間アクティブユーザー(MAU)は2026

豪SNS禁止法、罰金約110億円に倍増。85%の子どもは使い続けている

SNS

豪SNS禁止法、罰金約110億円に倍増。85%の子どもは使い続けている

世界で初めて16歳未満のSNS利用を禁じたオーストラリアが、施行から半年で罰金を倍増させた。だが同じ週に公表された研究は、子どもの85%がまだSNSを使い続けているという現実を突きつけている。 罰金倍増、権限拡大 オーストラリア政府が現地時間6月28日、16歳未満のSNS利用禁止法(Social Media Minimum Age Act)の罰則を大幅に強化すると発表した。違反企業に科される最高罰金を4950万豪ドル(約55億円)から9900万豪ドル(約110億円)に倍増させ、競争法・消費者法と同水準に引き上げる。 同時に、規制当局であるネット安全コミッショナー(eSafety Commissioner)の情報収集権限を拡大する新法案も提出する。SNS企業に対して、16歳未満のアカウント作成をどう防いでいるかの証拠提出を命じる権限を与え、年齢確認サービスやアプリストア運営会社など第三者からも情報を収集できるようにする。 アルバニージー(Anthony Albanese)首相は発表文で、大手テック企業が法律の遵守に十分な対応を取っていないと指摘した。通信大臣のアニカ・ウェルズ(

カリフォルニア州、ストリーミング広告の音量規制を7月1日施行。イリノイ州も追随

テクノロジー

カリフォルニア州、ストリーミング広告の音量規制を7月1日施行。イリノイ州も追随

深夜、子どもを寝かしつけた直後にNetflixの広告が大音量で鳴る。カリフォルニア州のトーマス・アンバーグ(Thomas Umberg)州上院議員がこの法案を提出したきっかけは、スタッフの赤ん坊がストリーミング広告の音で起こされたことだった。2026年7月1日、その怒りが法律になる。 テレビでは16年前に解決した問題 カリフォルニア州法SB 576は、ストリーミングサービスに対し、広告の音量を視聴中のコンテンツと同じ平均ラウドネスに揃えることを義務づける。ギャビン・ニューサム(Gavin Newsom)知事が2025年10月6日に署名し、2026年7月1日に施行される。 テレビ放送では2010年にCALM Act(Commercial Advertisement Loudness Mitigation Act)が成立し、2012年から地上波・ケーブル・衛星放送のCMの音量が番組と同じ平均水準に揃えられている。ところがストリーミングサービスはこの連邦法の適用外だった。NetflixもAmazon Prime Videoも、法律上は広告を好きなだけ大きな音で流せる状態が続いていた。

EUがAWSとAzureをDMAゲートキーパーに指定へ

クラウド

EUがAWSとAzureをDMAゲートキーパーに指定へ

欧州委員会は2026年6月25日、アマゾンのAmazon Web Services(AWS)とマイクロソフトのAzureをデジタル市場法(DMA)の「ゲートキーパー」に指定する方向の予備的見解をそれぞれに通知した。両社はこれに対して回答する機会があるが、最終指定が確定すれば6か月以内にDMAの義務を遵守しなければならない。 数値基準の外側から踏み込んだ DMAでは、EUでの月間ユーザー数4,500万人以上、年間売上高75億ユーロ超などの数値基準を満たした企業を「ゲートキーパー」として指定し、競争上の義務を課す仕組みになっている。 ところが欧州委員会は今回の予備的見解の中で、両社がその数値基準を満たしていないことを自ら認定している。DMAには、数値基準に届かなくても市場への影響が大きければ指定できる「市場調査」という条項が別途設けられており、委員会はその条項を適用した。 2025年11月の正式調査開始から7か月。委員会は、AWSとAzureがEUのクラウド市場で最大手と2番手の位置を占め、企業とその顧客の間の重要な入口として機能していると認定した。両社は大きなユーザーベースを持

米国の日焼け止めが20年遅れだった理由。FDA、ベモトリジノールを承認

ヘルスケア

米国の日焼け止めが20年遅れだった理由。FDA、ベモトリジノールを承認

ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン。アネッサの成分表に載っている、舌を噛みそうな名前の紫外線吸収剤だ。日本では何年も前からごく普通に使われている。この成分がアメリカでは2026年6月まで、一切使えなかった。 四半世紀の空白 FDAは現地時間6月9日、ベモトリジノール(BEMT)をOTC日焼け止めの有効成分として正式に承認した。1990年代後半以来、米国で初めて認められた日焼け止め成分だ。発効は8月9日。配合製品は早ければ今夏にも店頭に並ぶ。 欧州では1999年から使われている。日本でも、韓国でも、オーストラリアでもとっくに流通している。なぜアメリカだけ四半世紀も遅れたのか。 米国では日焼け止めがOTC医薬品として分類される。欧州やアジアでは化粧品だ。医薬品として審査するぶん安全性の基準は高いが、新しい成分を市場に出すまでの時間も桁違いに長い。ベモトリジノールを開発したCiba Specialty Chemicals(2008年にBASFが買収)がFDAに最初の申請を提出したのは2005年。その後、原料供給会社のDSM(現dsm-firmenich)が

無人貨物船の国際ルールが7月発効、日本は世界に先行していた

海運

無人貨物船の国際ルールが7月発効、日本は世界に先行していた

船の上に誰もいない。それでも貨物は届く。もうSFの話ではない。国際海事機関(IMO)が、無人で海を渡る船に正式な法的地位を与えた。 約10年の議論に決着 IMOは5月22日、ロンドンで開催された海上安全委員会(MSC)第111回会合で、自律運航船に関する初の国際安全基準「MASSコード」(International Code of Safety for Maritime Autonomous Surface Ships)を採択した。7月1日に発効する。 MASS(Maritime Autonomous Surface Ship)とは、AIやセンサー、衛星通信を活用して、乗組員の関与なし、あるいは限定的な関与で運航する船だ。今回のコードは国際航海に従事する貨物船が対象で、旅客船は含まれない。 IMOのアルセニオ・ドミンゲス(Arsenio Dominguez)事務局長は「新技術の規制において、IMOが最前線に立つことを示す画期的な成果だ」と述べた。 ただし、これは「無人船が明日から大洋を走る」という話ではない。 非強制から始まる段階的アプローチ

AIが診断し、AIが薬を出す。米政権が描く医療の未来

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AIが診断し、AIが薬を出す。米政権が描く医療の未来

トランプ政権がAIチャットボットに診断と処方を担わせる構想を、本気で動かし始めた。その中心にいるのが、DOGE(政府効率化局)の責任者エイミー・グリースン(Amy Gleason)氏だ。元看護師の彼女は現在、保健福祉省(HHS)長官ロバート・F・ケネディ・ジュニア氏の顧問としてAI医療の推進を担っている。 原体験は娘の病気だった。10年以上にわたる自己免疫疾患と闘う娘が、16年分の医療記録をChatGPTに読み込ませたところ、医師とは異なる診断が返ってきた。それが臨床試験への道を開いたという。 自動運転と同じ道を グリースン氏がインタビューで語ったのは、AI医師の規制を自動運転車と同じモデルで段階的に整備するという構想だ。テストコースから公道へ、何年もかけて実績を積み信頼を得たあのプロセスを、医療でも繰り返すという。 この構想は個人のビジョンではない。政権全体が動いている。 FDAはデジタルヘルス技術に対する審査の迅速化レーン(ファストトラック)を新設した。AIチャットボットやウェアラブル機器が対象だ。メディケイド(低所得者向け公的医療保険)がAI搭載のウェルネスアプリに初

Google検索のAI機能、サイト側が拒否可能に

AI

Google検索のAI機能、サイト側が拒否可能に

GoogleがAI Overviewsを一般公開してから2年、その前身を含めれば3年以上。AI生成の回答が検索結果の最上部を占める時代に、コンテンツを提供してきたサイト運営者にはそれを拒む選択肢すらなかった。Googleが6月3日、Search Consoleに新たなトグルスイッチのテストを開始したと発表した。自分のサイトをAI検索機能に表示させるかどうかを、サイト所有者自身が決められるようになる。 ただし、これは善意の機能追加ではない。同日、英国の競争・市場庁(CMA)がGoogleに対し、デジタル市場競争法に基づく世界初の行為要件を課したことが、この動きの本質を物語っている。 英国の規制当局が動いた CMAは6月3日、Googleの検索サービスに対する法的拘束力のある行為要件(conduct requirement)を発動した。内容は明快だ。パブリッシャーがAI Overviewsなどの生成AI機能に自社コンテンツを使わせないよう選択できる手段を提供すること。AI生成の検索結果においてパブリッシャーのコンテンツに明確なリンクで帰属表示を行うこと。そしてコンサルテーションのフ

Temu、EUから約370億円の制裁金

テクノロジー

Temu、EUから約370億円の制裁金

あの激安通販で買った充電器、本当に安全だろうか。欧州委員会が出した答えは明確だった。違法商品を止められないプラットフォームには、相応の代償を払ってもらう。 2億ユーロの意味 欧州委員会は5月28日、中国系オンライン小売プラットフォームTemuに対し、デジタルサービス法(DSA)違反で 2億ユーロ(約370億円) の制裁金を科した。違法商品の販売リスクを適切に特定・分析・評価しなかったことが理由だ。 DSAに基づく制裁金としては、2025年12月にX(旧Twitter)に科された1億2000万ユーロを上回り、過去最大となる。Xの件は青いチェックマークの欺瞞的デザインや広告の透明性不足が問われたが、今回はもっと直接的な話だ。売られている商品が消費者の身体を傷つけるかもしれない、という問題である。 覆面調査が暴いた現実 欧州委員会は調査の一環として、独立した検査機関を使った覆面調査(ミステリーショッピング)を実施した。Temuで実際に商品を購入し、安全基準を満たしているかを検査する。 結果は深刻だった。購入した充電器の大部分が 基本的な電気安全試験に不合格。乳幼児向け玩具から

テキサスの小さな郡が、データセンター建設を1年止めた

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テキサスの小さな郡が、データセンター建設を1年止めた

ダラスの南、人口8千人の町に8件のデータセンター計画が押し寄せた。ヒル郡は権限がないと知りながら建設禁止を可決し、判事はこう言った。「訴えられるだろう」。 訴訟を覚悟のうえで、郡は建設を止めた データセンターの建設を1年間止める。テキサス州ヒル郡の郡委員会が、その決定を下している。可決は5月12日、賛成3・反対2の僅差だった。 注目すべきは、決定の内容よりも、決定したときの空気のほうだ。郡を率いるシェーン・ブラッセル(Shane Brassell)判事は、賛成票を投じながら「訴えられるだろう」と口にしている。違法かもしれないと分かったうえで、それでも止めた。郡政府がこういう振る舞いをするのは、めったにあることではない。 ヒル郡はダラス・フォートワースの南、車で1時間ほどの農村地帯にある。ここに、最大8件のデータセンター計画が同時に持ち込まれた。多くは自前の発電所を併設する構想で、対象地はどれも 千エーカー規模 。郡全体が、データセンターと発電所で埋まりかねない数字だ。 凍結が適用されるのは、市に属さない「非法人地域」に限られる。ヒルズボロのような町の中ではなく、郡が直接管理