AI
Linux Foundation、AIコスト標準化団体を30社で正式発足
AIに2.59兆ドルが注ぎ込まれようとしている。その経済を動かす「トークン」の計り方が、まだどこにもない。
AI
AIに2.59兆ドルが注ぎ込まれようとしている。その経済を動かす「トークン」の計り方が、まだどこにもない。
AI
AIに注ぎ込んだ金額が大きすぎて、もう引き返せない。2026年第2四半期の決算は、その構造を数字で突きつけた。
テック業界
デル・テクノロジーズの創業者が、寮の一室で書かれた最初の四半期報告書をXで共有した。反響は120万件を超え、リプライ欄には創業者本人の返信が並んでいる。
量子コンピュータ
室温の制御装置なしで量子コンピュータの誤り訂正を完結させるシステムが、初めて実証された。 配線の壁 量子ビットの数が増えるほど、それを制御するための信号線と外部電子機器が膨張する。 現在の研究室では、大型ラックに積まれた電子機器から何千本ものケーブルを冷凍機の中の量子ビットへ引き込むのが一般的だ。冷凍機の内部は宇宙空間より低い温度に保たれている。だが外から伸びるケーブルが熱を持ち込み、量子ビットの状態を乱す。 量子ビットが数十個の段階ではこの力業で何とかなる。だが数百万個が必要とされる実用機では、物理的に破綻する。 HRL Laboratoriesが現地時間7月29日にNatureへ掲載した論文は、この問題に対する具体的な回答を示した。 冷凍機の中で完結する制御 HRLが開発したのは、量子ビットチップ、極低温CMOSコントローラ、超伝導リボンケーブルの3つを一体化した量子処理装置(QPU)だ。 核になるのはカスタム設計の制御チップで、約マイナス268℃(4ケルビン)の冷凍機内部で動作する。通常のCMOSプロセスで製造されているが、消費電力が極めて低いため冷凍機の中に
IT
1990年代、IBMメインフレームのCOBOLバッチ処理で毎晩呼び出されていた新人が、前処理プログラムを書いて深夜の障害対応を消した。残業代を当てにしていた同僚は、それを歓迎しなかった。 毎晩同じ電話 The Registerの金曜コラム「On Call」に、1990年代のIBMメインフレーム環境を舞台にした読者投稿が掲載された。 投稿者の仮名はライオネル(Lionel)。大規模なIBMコンピュータセンターを運用する企業にアナリストとして入社し、新設チームに配属された。 本来の業務はビジネス変革のためのプロセス開発だが、夜間サポートのローテーションにも加わることになった。COBOLのバッチ処理を監視し、外部から届く入力データのエラーをファイルエディタで修正する仕事だった。 「毎晩呼び出された。毎回同じ問題で、入力データの書式を手で直す作業だった」(ライオネル氏のThe Registerへの投稿) 操作は単純でも、ダイヤルアップ回線は遅い。深夜に起きる生活は、幼い子どものいる家庭には厳しかった。 寝たいから書いたプログラム 毎晩同じ修正をするくらいなら、修正が要らない
量子コンピュータ
2026年は国連が定めた国際量子科学技術年にあたる。量子コンピュータをめぐる期待と現実の距離が、この1年半で急速に変わり始めている。 量子超越はどこへ行ったのか 2019年、Googleは量子プロセッサSycamoreが古典的なスーパーコンピュータで1万年かかる計算を200秒で終えたと発表した。量子コンピュータが古典コンピュータに対して圧倒的な計算能力を示す「量子超越(quantum supremacy)」の実証とされ、世界的なニュースになった。 ところが2026年5月、その前提を揺るがす論文がScienceに掲載された。 サイモンズ財団フラットアイアン研究所とボストン大学の研究チームが、量子コンピュータでしか解けないと主張されていた数百量子ビットの相互作用シミュレーションを、古典コンピュータで解いてみせた。テンソルネットワークと呼ばれる数学的圧縮技術と、1980年代の「ビリーフ・プロパゲーション(belief propagation)」アルゴリズムを組み合わせた手法だ。 驚くべきは、初期計算の一部が個人用のノートPCで実行されたという点にある。スーパーコンピュータですらな
テクノロジー
IBMが決算発表の1週間前に暫定業績を開示し、株価は1日で25%超下落した。1987年のブラックマンデーを超える、創業以来最大の急落。 正式発表を待てなかった IBMのアービンド・クリシュナ(Arvind Krishna)CEOが現地時間7月14日、投資家向けの書簡を公開した。正式な第2四半期決算は7月22日に予定されているが、それを待たず暫定業績を開示した。 通常、企業がこの種の事前開示に踏み切るのは、市場の予想と実態の乖離が大きすぎて黙っていられないときだ。 暫定売上高は172億ドルで、前年同期比1%増。ウォール街の予想(約179億ドル)を約7億ドル下回った。調整後1株利益は2.93ドルで、予想の3.01〜3.02ドルに届かなかった。 事業別ではソフトウェアが5%増、コンサルティングが横ばい。インフラ部門は7%減だった。 IBM暫定Q2業績:予想との乖離 予想実績差異売上高約179億ドル172億ドル-7億ドル調整後EPS3.01〜3.02ドル2.93ドル-0.08ドルインフラ売上1桁台の減少-7%予想以上の悪化 ※暫定値。正式決算は7月22日に発表予定。
UNIX
UNIXの所有権をめぐる訴訟は2003年に始まり、当事者が破産し、資産が売却され、和解が成立しても終わらなかった。SCOの法的後継者Xinuos(ジヌオーエス)が控訴審の法廷に立った。 1998年の共同開発が、四半世紀の訴訟を生んだ 2026年6月22日、米連邦第2巡回区控訴裁判所で3人の判事を前に、約32分間の口頭弁論が行われた。事件番号25-1073。原告はXinuos、被告はIBM。争われているのは、1998年に始まった共同開発プロジェクトのコードを誰が使う権利を持つか、という問いだ。 この訴訟の根は深い。1998年10月、IBMとサンタクルーズ・オペレーション(SCO)はIntel、セクエントとともにプロジェクト・モンテレーを発足させた。当時Intelが開発していた64ビットアーキテクチャIA-64向けに、複数のUNIXを統合して単一のOSを作る計画だった。IBMはAIXからPOWER/PowerPC対応の技術を、SCOはUnixWareからIA-32対応の技術を、セクエントはDYNIX/ptxからマルチプロセッサ対応の技術を持ち寄った。 2001年までにプロジェクト
半導体
IBMが6月25日に発表した0.7nm NanoStackチップに対し、インテルCTOとイーロン・マスク氏が命名規則を批判した。IBM自身もこの数字が実寸ではないと認めている。問題の根は深い。 発端はインテルCTOの指摘 IBMの0.7nm発表から一夜明けた現地時間6月26日、インテルのプシュカル・ラナデ(Pushkar Ranade)CTOがこの命名に異論を投げた。 ラナデ氏はIBMの発表を引用し、このチップ上に1nm未満のサイズで製造された構造は実質ゼロであり、この命名は意味をなさず誤解を招くと指摘した。かつてIBMでキャリアを開始し、半導体デバイス物理を専門とする技術者でもある。 True, we should switch to naming process nodes according to the number of atoms wide of the smallest feature size. That would be most accurate imo. — Elon Musk (@elonmusk) June
テクノロジー
2021年に世界初の2nmチップを試作したIBMが、再び「世界初」を出した。0.7nm(7オングストローム)ノードのチップ技術を発表し、爪の大きさのチップに約1000億個のトランジスタを収めた。2nmチップの約500億個からほぼ倍増。性能は2nm比で最大50%向上、あるいは消費電力を70%削減できるとしている。 ナノスタックという3次元設計 今回のチップを支えるのが「ナノスタック」と呼ばれる新しいトランジスタ構造だ。IBMが2017年に開発したナノシートGAAトランジスタは、現在の最先端プロセスの基礎になっている。ナノスタックは、このナノシートをさらに垂直方向に積み重ねる。 従来、n型とp型のトランジスタは横並びで配置されていた。ナノスタックではこの2種類を上下に分離し、交互にずらした配置(スタガード配列)で積む。2枚のウェハーを超薄型の誘電体ボンディング層で接合する構造で、上下の層に異なる材料を使える。n型・p型それぞれの特性を独立に最適化できるうえ、横に並べていた部品を縦に収めるためトランジスタ密度も上がる。 IBMリサーチのディレクターでIBMフェローのジェイ・ガンベッ
量子コンピュータ
量子コンピュータを国家事業として造り、同時に量子コンピュータから国を守れ。トランプ大統領が6月22日に署名した2本の大統領令は、同じ技術の「攻め」と「守り」を一つのパッケージにまとめた、率直に言って野心的な文書だ。 「造る」と「守る」を束ねた理由 量子コンピュータは、従来のコンピュータが数千年かかる計算を短時間で解く可能性を持つ。創薬、新素材開発、気候モデリング、金融最適化。恩恵のリストは長い。だが同じ計算能力は、今のインターネットを支える暗号をも破壊しうる。銀行取引、軍事通信、個人情報。デジタル社会の安全は、量子コンピュータがまだ「十分に強力でない」という事実の上に載っている。 この二面性に対し、米国はこれまで「開発促進」と「暗号防御」を別々の政策文書で扱ってきた。2018年の国家量子イニシアチブ法は開発側、2022年のバイデン政権NSM-10は防御側。今回の2本同時署名は、両者を初めて一つの政策判断として結びつけた。 背景には、中国の量子分野への集中投資がある。そしてもう一つ、量子コンピュータの性能向上によって「暗号が破られる日」(Q-Day)の推定時期が繰り上がり続けて
量子コンピュータ
量子コンピュータが「いつか来る未来の技術」だった時代は終わりつつある。商用化の兆しと暗号解読の脅威が同時に加速している。問題は「来るかどうか」ではなく「いつ来るか」に移り、その「いつ」が、ここ1年で大きく前倒しされた。 「2030年までに商業利用」。楽観と冷笑のあいだで 大手テクノロジー企業、スタートアップ、各国政府が、2030年までに商業的に有用な量子コンピュータの実現に賭けている。医薬品、金融、暗号通貨に大きな影響があるとみられる一方、懐疑論者は誇大広告だと警告する。 数字は楽観を裏づけている。マッキンゼーが2026年4月に公開した第5回「Quantum Technology Monitor」によると、量子コンピューティングの導入に取り組む企業は世界で300社を超えた。量子コンピューティング企業の売上高は2025年に10億ドル(約1600億円)に達し、2028年には44億ドル(約7000億円)まで伸びると予測されている。2035年までに最大2兆7000億ドル(約430兆円)の経済価値を生むとの試算もある。スタートアップへの民間投資は2025年に126億ドル(約2兆円)を記録
セキュリティ
米連邦政府にサイバーセキュリティを売り込む巨大IT企業が、自社ネットワークへの国家レベルの侵入を何年も隠し続けていた。そう主張する内部告発訴訟が、今週開封された。 「セキュリティを売る会社」が隠していたもの IBMで脅威インテリジェンス担当副社長を務めたウィリアム・バーロウ(William Barlow)氏が、IBMとAT&Tを相手取って2020年に提起した訴訟が今週開封された。ニューヨークの連邦裁判所が、米司法省の介入見送りを受けて公開に踏み切ったという。 訴えの骨子はこうだ。2013年から2016年にかけて、中国政府系のハッカー集団APT10がIBMの基幹ネットワークに繰り返し侵入した。IBMは内部調査でそれを把握していた。だが当局にも顧客にも報告せず、連邦政府との契約を維持するために隠蔽した、とバーロウ氏は主張している。 この訴訟は虚偽請求取締法(False Claims Act)に基づく。システムの安全性について虚偽の保証をして連邦政府との契約を得ていたとすれば、詐欺に当たるという論理だ。同法では内部告発者による代理訴訟が認められており、政府は最大で損害額の3倍を回収
量子コンピュータ
米商務省が量子コンピュータ関連企業9社に総額 20億ドル(約3200億円)を投じる。補助金ではなく株式取得を条件に据えた異例の直接出資で、IBMはこの機を捉えて米国初の量子専業ファウンドリー設立に動いた。 9社への配分と株式取得という条件 2026年5月21日(現地時間)、商務省は量子コンピューティング関連企業9社と意向表明書(LOI)を締結した。根拠は2022年のCHIPS・科学法の研究開発枠。各社への資金提供の条件として、政府が少数・非支配持分を取得する。 最も大きい配分はIBMで10億ドル(約1600億円)、次いで半導体ファウンドリーのグローバルファウンドリーズ(GlobalFoundries)が3億7500万ドル(約600億円)。上場している D-Wave Quantum、Rigetti Computing、Infleqtion は各社約1億ドル。スタートアップのDiraqは約3800万ドルだ。Atom Computing、PsiQuantum(サイクォンタム)、クオンティニュアムへの個別配分額は現時点で公表されていないが、各社約1億ドルとの報道も出ている。 対象9社