Windows 11 26H2、Insiderで初めてバージョン表記に登場

Windows 11 26H2、Insiderで初めてバージョン表記に登場

Experimentalチャンネルのバージョン表記が「version 26H2」に切り替わった。2月にWindows Update履歴の中にその名前がちらついてから約4か月、26H2がバージョン名として正式に表示された。同日公開されたIT Proブログでは、Microsoftが企業の管理者に対し26H2への準備を呼びかけている。


version 26H2、初めてwinverに表示

6月19日に配信されたExperimentalチャンネルのビルド26300.8697で、「設定」>「システム」>「バージョン情報」とwinverの表示が「version 26H2」に切り替わった。26H2としてバージョン表記に現れるのはこれが初めてで、リリースに向けた開発の段階が一つ進んだことを意味する。

前回ビルド26300.8687まではversion 25H2と表示されていた。26H2は25H2と同じサービシングブランチを共有しており、一般リリース時は小さなenablement package(eKB)で切り替わる。再起動は1回で済み、OSを丸ごと入れ替える従来の大型アップデートとは異なる。24H2から25H2への移行と同じ方式だ。

Microsoftは26H2のリリース時期を「まもなく」としか明言していないが、24H2が2024年10月、25H2が2025年秋だったことを考えれば、2026年10月前後が有力だ。

26H1のPCは26H2に移行できない

今年のWindows 11には、バージョン番号の常識が通用しない分岐がある。2月に出荷が始まったversion 26H1は、Snapdragon X2搭載の新型PCだけに載る特殊なリリースだ。Windowsコア自体が24H2/25H2/26H2とは異なるため、26H1から26H2へのアップグレードパスは存在しない。

Windows 11 version 26H1 vs 26H2
26H126H2
対象Snapdragon X2搭載の
新型PCのみ
既存の全PC
(Intel / AMD / 旧Arm)
Windowsコア新プラットフォーム
(Bromine)
24H2 / 25H2と
同一基盤
提供方法新品PCにプリインストールenablement package
(eKB)
リリース時期2026年2月2026年秋(10月頃)
26H2への
移行
不可
次の統合先将来のリリース
(2027年以降)
※ 26H1搭載デバイスは26H2へアップグレードできず、将来のWindowsリリースで合流予定

MicrosoftはWindows Insiderブログで改めてこの点を明記した。26H1搭載デバイスは、将来のWindowsリリース(おそらく2027年の更新)で合流する予定だという。既存のIntel/AMD PCや旧世代のArm PCを使っているユーザーにとっては、26H2こそが今年の本流のアップデートになる。

Experimentalチャンネルの変更点

ビルド26300.8697に含まれる変更自体は小粒だ。ダークモードでエクスプローラーのコピーダイアログが視覚的に崩れていた問題が修正された。スタートメニューにアプリをインストール・削除した際、サインアウトや再起動をしなくても正しく反映されるようになった。小さいタスクバーを使っている場合にシステムトレイが画面外にはみ出す不具合も解消されている。

Betaチャンネルにもビルド26220.8690が同日配信された。こちらでは、仮想化環境で再起動時やVM操作中にHYPERVISOR_ERROR(0x20001)やKMODE_EXCEPTION_NOT_HANDLED(0x1E)のブルースクリーンが発生する問題が修正されている。ゲームの実行中にも起きていた不具合で、仮想マシンを日常的に使うユーザーには直接関係する修正だ。スタートメニューと「設定」>「アプリ」>「スタートアップ」の信頼性改善はExperimentalと共通している。

音声設定の全面刷新が進む

もう一つの注目はExperimental(Future Platforms)チャンネルのビルド29613.1000だ。こちらは製品版と直結しない先行実験ビルドだが、音声まわりの設定UIに大幅な手が入っている。

設定」>「システム」>「サウンド」内の「すべてのサウンドデバイス」ページが作り直された。このページから直接デフォルトデバイスを変更できるようになり、各デバイスの横にはリアルタイムの音量メーターが表示される。入力デバイスと出力デバイスをフィルターで切り替えられるようになり、無効化・切断・未接続のデバイスの表示・非表示を切り替えるトグルも加わった。

オーディオデバイスのプロパティページにはジャック情報も表示されるようになった。どの端子にどのデバイスが接続されているかが設定画面から確認できる。

Experimental(26H1)版のビルド28120.2315では、内蔵HDオーディオドライバの信頼性が改善された。キャプション(字幕)のスタイル変更が即座に反映されるようにもなっている。

6月19日配信のInsider Previewビルド一覧
チャンネルビルド主な変更点
Experimental26300.869726H2表記に移行、
コピーダイアログ修正
Beta26220.8690仮想化エラーのBSoD修正、
スタートメニュー改善
Experimental
(26H1)
28120.2315HDオーディオドライバ改善、
字幕スタイル即時反映
Beta
(26H1)
28020.2308軽微な修正
Experimental
(Future Platforms)
29613.1000音声設定UI刷新、
デバイス音量メーター追加

音声設定の改善は4月のビルドから段階的に進んでおり、今回はその延長にある。Windowsのサウンド設定は長年にわたってコントロールパネル時代のUIが残る領域だったが、ここにきて集中的にモダン化が進んでいる。

IT管理者への準備要請

同日公開されたWindows IT Proブログでは、Microsoftが企業のIT管理者に対して26H2への準備を呼びかけた。サポートサイクルは従来通り、Home/Pro系が24か月、Enterprise/Education系が36か月。enablement package方式であるため展開の工数は月例更新と大きく変わらないとしている。

Experimentalチャンネルでの検証開始、ロールアウトリングの計画、既存の展開ツールの活用を推奨している。新しい仕組みを導入するのではなく、既存のプロセスの延長で受け入れてほしいというメッセージだ。

4月にInsider Programのチャンネル体制が刷新されたばかりで、BetaとExperimental間の切り替えがクリーンインストール不要になった。26H2のプレビューに参加したい場合、Betaからの切り替えも設定画面から可能で、戻すのも同様に簡単だ。

winverに26H2の文字が入ったことで、Windows 11の更新ルートがようやく整理されつつある。26H1は新シリコンのためだけの特殊なバージョン、26H2は全員に届く年次アップデート。あとは10月を待つだけだ。

参照元

他参照

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