Windows 11のスタートメニュー、Small/Largeを手動選択可能に

Windows 11のスタートメニュー、Small/Largeを手動選択可能に

Windows 11のスタートメニュー、Small/Largeを手動選択可能に
Microsoft

Microsoftが、Windows 11のスタートメニューに長年の不満点だった「サイズの手動選択」機能を追加する。SmallとLargeの2つのレイアウトを、画面解像度に縛られず自分で選べるようになる。


「画面の70%を覆う」スタートメニューに、ようやくユーザーの選択権が戻る

Windows 11のスタートメニューは、今までユーザーがサイズを選べなかった。Microsoftが画面解像度と倍率設定から「Small」か「Large」かを自動判定し、押し付けてくる仕様だった。14インチノートでは画面の約70%を覆うほどの巨大さになり、フィードバック Hubには改善を求める投票が4,000以上集まっていた。

その状況に、Microsoftが2026年5月15日付のWindows Insider Blogで初めて公式の手を打った。Experimentalチャネル向けに数週間かけて段階的に展開する変更の中に、「サイズの手動選択」が含まれている。投稿者のディエゴ・バカ(Diego Baca)は「ディスプレイをまたいでも自分の好みのサイズを一貫させられる」と書いている。

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挙動の確認できる範囲を整理すると次のようになる。設定の場所は 設定 > 個人用設定 > スタート の中に新設される。

今までスタートメニューはディスプレイに合わせて自動でサイズが変わっていた。今回の更新で「Small」か「Large」を選べるようになり、できる限り複数ディスプレイ間でも一貫した表示になる。

旧Windows 10にあった「縁をドラッグしてサイズを変える」自由度は戻ってこない。プリセット2択というのは妥協であり、リーカーのPhantomOfEarthが事前に示唆していた「ドラッグでのリサイズ」とは異なる着地点になった。


セクション別の表示切替、3つのトグルで「ピン留め済みだけ」も可能に

サイズより実用的なインパクトを持つのが、セクション単位の表示切替だ。スタートメニューは「ピン留め済み」「おすすめ」「すべて」の3セクションで構成されているが、ここまで個別にオン・オフできるトグルは用意されていなかった。

新しい設定では、3セクションそれぞれに独立したトグルが付く。ピン留め済みだけを残しておすすめと「すべて」を非表示にすれば、アプリランチャー然とした最小構成が組める。逆に「すべて」だけを残すこともできる。組み合わせは自由で、Microsoftは「あなたの選択であるべきで、設定は簡単であるべきだ」と述べている。

地味だが重要なのは、ファイル推奨の挙動だ。これまで「おすすめをオフにする」設定は、タスクバーのジャンプリストとエクスプローラーのホームタブから「最近使った項目」まで一緒に消していた。今回からはスタートメニューの推奨だけを独立して無効化できるようになる。「最近使ったファイルはエクスプローラーで見たいが、スタートのおすすめは要らない」という、本来こうあるべきだった選択肢が初めて成立する。

加えて、Microsoftは「おすすめ」というセクション名そのものを廃止する。新名称は Recent(最近の項目)。実態として表示しているのは「最近インストールしたアプリ」と「最近開いたファイル」であり、推奨という言葉は誇大だった。名前を実態に合わせる修正と言える。


名前とプロフィール画像を隠せる、配信時代の細かい配慮

もう一つ追加されるのが、スタート画面から名前とプロフィール画像を隠すオプションだ。画面共有・プレゼン・ライブ配信中にスタートメニューを開いて、メールアドレスや本名が映り込んでしまう事故への対処になる。

これは派手な機能ではないが、必要としていた人は確実にいた。YouTuberや配信者、企業のプレゼンターは、これまでアカウント情報を隠すためにダミーアカウントを用意したり、編集でモザイクをかけたりしてきた。OS側の標準機能として実装される意味は小さくない。

画面共有・プレゼン・配信のためにプライバシーを強化したい場面で、スタートメニューから名前とプロフィール画像を隠せる。

なぜ今なのか、Windows 10サポート終了の後始末

タイミングを整理すると、いささか苦い構図が見えてくる。Windows 10のサポートは2025年10月14日に終了済みで、今からスタートメニューを使いやすくしても、その時点で乗り換えを迷っていたユーザーを引き止めることはできない。使いやすさで人を呼ぶのではなく、サポート切れで追い立てた後にUIを直す順序になっている。

Microsoft自身は、今回の発表を「Windowsの品質改善コミットメント」の一環として位置付けている。3月20日に出した品質コミットメント宣言の延長線上で、スタートとタスクバーは「最も目に触れ、最もよく使われる体験」だから優先したという説明だ。同日にはタスクバーを画面の上端・左端・右端に動かせる機能や、より小さな高さに切り替える機能も発表されている。

理屈は通るが、フィードバック Hubの投票で4,000票が積み上がっていた事実を踏まえると、もっと早く動けたはずだという疑問は残る。1月の時点でMicrosoftの回答は「フィードバックを監視している」「新しいスタートメニューは既に完璧だ」だった。半年経って、「完璧」と言っていたものに手を入れている。


内部視点から見ると、ようやくK2プロジェクトが形になり始めた

リーク情報の積み重ねから補足すると、Microsoftは社内で「Windows K2」というコードネームの大規模UIプロジェクトを進めている。WinUIベースへのスタートメニュー再構築、パフォーマンス改善、カスタマイズ性の復活が柱になっており、今回の機能群はそのうちの一部にあたる。

UI再構築の詳細は今回の公式発表に含まれていないが、Microsoftは過去にスタートメニューを「Webコンポーネントベースで遅い」と認めており、ネイティブWinUI 3への移行で起動時間を改善する方針を示している。今回のサイズ・セクション切替は、その地ならしの上に乗る最初のユーザー向け機能と読める。

Experimentalチャネルでの展開は今日から始まり、数週間かけて段階的に広がる。本番のWindows 11への到達には、通常通り数か月のタイムラグが入る見込みだ。

今日から数週間かけて、Experimentalチャネルに段階的に展開する。ここで挙げた全ての項目が対象となる。

完成品が出てくる頃には、Windows 11のスタートメニューを罵倒する記事も、Windhawkのリサイズmodを紹介する記事も、役目を終えているかもしれない。


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