Windows 11、不評のDrag Trayを削除。WinREもWi-Fi自動接続に対応
ファイル共有トレイが消え、回復環境にWi-Fiが届いた。Windows 11の最新Insiderビルドは、ユーザーの声で潰れた機能と、長年の不便を解消する機能が同居している。
ファイル共有トレイが消え、回復環境にWi-Fiが届いた。Windows 11の最新Insiderビルドは、ユーザーの声で潰れた機能と、長年の不便を解消する機能が同居している。
ファイルをドラッグするたびに出ていた、あのトレイ
Microsoftは現地時間8月17日、Windows 11 Betaチャンネルに2本のInsiderビルドを配信した。25H2向けのBuild 26220.9202と、26H1向けのBuild 28020.2731だ。
両ビルドに共通する変更の中で、最も目を引くのはDrag Trayの削除だろう。
Drag Trayは2025年初頭にWindows 11のInsiderビルドで登場したファイル共有機能で、ファイルをドラッグすると画面上部にトレイが表示され、近くのデバイスやアプリにすばやく共有できる仕組みだった。
アイデア自体は合理的だが、実装が問題だった。デスクトップ上部のフォルダにファイルを移動しようとするだけでトレイが割り込み、長年の操作習慣を妨げた。
2025年12月にオン・オフの切り替えが設定に追加され、2026年3月にはDrop Trayにリネームされた。4月にはUIが小型化され、設定場所も「近距離共有」から「マルチタスク」へ移動するなど、Microsoftは繰り返し改善を試みた。それでもフィードバックは好転しなかったようで、今回のビルドでInsiderから削除されている。
2025年1月 隠し機能として発見 Insiderビルドに未公表のまま搭載。有志が発見しViVeToolで有効化 2025年12月 無効化トグル追加 設定 > システム > 近距離共有にオン・オフの切り替えが追加 2026年3月 Drop Trayにリネーム 名称変更と設定場所の移動(マルチタスクへ) 2026年4月 UI小型化 トレイを縮小し意図的な操作でのみ反応するよう改善 2026年8月 Insiderから削除 フィードバックを受けて削除。代替は将来提供予定 |
Microsoftはリリースノートで、今後も改善を模索し、将来のアップデートで代替機能を提供する予定だと述べている。Drag Trayの初期設計が的を外していたかどうかより、フィードバックに基づいて撤回した判断は評価できる。代替がどうなるかは、まだわからない。
回復環境がWi-Fiパスワードなしでつながる
25H2向けビルド(26220.9202)には、地味だが実用的な変更が含まれている。Windows回復環境(WinRE)のネットワーク機能強化だ。
これまでWinREでは、事前に個別設定したネットワークか、認証なしの有線接続にしか自動でつながらなかった。WPA2/WPA3で保護されたWi-Fiに接続するには、回復画面上でパスワードを手入力する必要があった。パスワードマネージャーが使えない状態で、複雑なWi-Fiパスワードを手打ちする場面を想像すればいい。
今回の変更で、WinREがメインOSに保存済みのWi-Fiプロファイル(証明書ベースのネットワークを含む)を自動的に再利用できるようになった。パスワードを覚えていなくても、クラウドリカバリやシステム復元でネット接続が必要なときに接続できる。既定で有効になっており、IT管理者はポリシーで無効化できる。
PCが起動しなくなった状況で最初に必要なのは、回復手段へのアクセスだ。有線LANのポートがないノートPCが主流になった今、WinREのWi-Fi接続は回復のボトルネックになりうる。そこが解消される。
WMICとその他の変更
両ビルドではWMIC(Windows Management Instrumentation Command-line)も削除されている。25年間Windowsに標準搭載されてきたコマンドラインツールで、2026年8月の完全削除に向けた段階的廃止の一環だ。
25H2ビルドには他にも複数の改善が含まれている。ファイルエクスプローラーのホーム画面起動が高速化され、おすすめセクションがタッチスクロールに対応した。タスクバーのシステムトレイ読み込みの安定性が上がり、日本語IMEでハングやデッドロックが発生する問題も軽減された。Arm64環境ではxtajit64.dllのクラッシュも修正されている。
26H1ビルドでは、設定アプリの「システム > 通知」操作時のクラッシュと、拡大鏡の起動不具合が修正された。
Drag Trayが消え、WinREにWi-Fiが届き、WMICが退場する。3つの変更はそれぞれ別の話だが、共通しているのは、どれもWindowsが長年抱えてきた摩擦に手を入れた結果だということだ。
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