Xfce Waylandコンポジタ「xfwl4」初版が公開
今年1月に開発が発表されたXfceのWaylandコンポジタ「xfwl4」の初のプレビュー版が出た。約半年の開発を経たアルファ版で、広くテストしてもらう段階に入る。
半年の開発が形になった
Xfceには長年、X11ウィンドウマネージャーのxfwm4がある。xfwl4は、そのWayland版にあたるコンポジタだ。Rustで一から書かれている。
1月にXfceプロジェクトがコア開発者のブライアン・タリコーン(Brian Tarricone)氏への開発スポンサーシップを発表し、年初から同氏がフルタイムで開発に集中してきた。当初「年半ばにリリース」としていた目標を、ほぼ予定どおりに達成した格好だ。
タリコーン氏はこれをアルファ版と位置づけている。バグや未実装機能は残るが、より多くの環境で動かしてフィードバックを集める時期に来たとしている。
「X11と区別がつかない」が最終目標
xfwl4の開発目標は、Xサーバー上で動くXfceデスクトップの操作感を、Wayland上でも可能な限り再現することだ。既存のxfwm4設定ダイアログやxfconfの設定値をそのまま流用できるよう設計されており、移行時に使い慣れた環境が引き継がれる。
ただし初のプレビュー版である以上、まだ足りない部分は多い。
現時点の制限
タリコーン氏が自ら挙げている既知の制限は以下のとおりだ。
マウスとタッチパッドの設定ダイアログが動作しない(X11で設定済みの内容はそのまま適用される)。
ワークスペースの設定ダイアログも未対応。
画面マージンは未実装。
xfdesktopの最小化ウィンドウアイコン表示と中クリックメニューが使えない。
パネルのページャーサムネイルも表示されない。
タスクバーのアプリは最大化・最小化・全画面の切り替えしかできない。
キーボードショートカットは全ウィンドウを順に切り替える操作は動くが、アプリ単位の切り替えは未対応。
ほとんどのアプリで、前回のウィンドウ位置やワークスペースの復元が効かない。
設定ダイアログが動かない項目でも、X11側で設定済みの値はxfwl4に引き継がれるケースがある。少なくともマウスとタッチパッドについては、開発者が明言している。設定UIが使えないことと、設定が白紙に戻ることは別だ。
Xfce 4.20との関係
2024年12月にリリースされたXfce 4.20では、libxfce4windowingライブラリを通じて大半のコンポーネントがWayland上で動くようになっていた。ただし、肝心のネイティブコンポジタが存在せず、LabwcやWayfireといった外部コンポジタに頼る必要があった。xfwl4は、その欠けていた部品を埋める存在だ。
xfwm4によるX11サポートは今後も続く。NVIDIAのプロプライエタリドライバがWayland環境で依然として問題を抱えている現状、X11を切り捨てる選択肢はない。
ソースコードと今後
ソースのtarball(バージョン4.21.0)とGitリポジトリが公開されている。タリコーン氏は今後、xfwl4の開発過程を解説するブログシリーズも執筆する予定だとしている。
Xfce 4.22への統合時期は未定だが、Xfceの通常リリースサイクル(約2年間隔)を考えると、安定版としての出荷にはまだ時間がかかる。今は広いテストを通じて粗を洗い出す時期だ。
半年前の宣言が、動くコードになった。完成には程遠いが、Xfceユーザーが自分の手でWaylandを試せる。半年前にはなかったものが、今はある。
参照元:xfwl4初プレビューリリース(タリコーン氏ブログ)
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