Copilotキーを右Ctrlに戻せる、Windows 11が設定変更を許可

新しいノートPCのキーボードから、右側のCtrlキーが消えていた。その場所にはAIアシスタントを呼び出すCopilotキー。Microsoftは今、消したキーを設定で呼び戻せるようにすると認めた。Copilotを押し込んできた会社が、その手をゆるめている。

Copilotキーを右Ctrlに戻せる、Windows 11が設定変更を許可
Microsoft

新しいノートPCのキーボードから、右側のCtrlキーが消えていた。その場所にはAIアシスタントを呼び出すCopilotキー。Microsoftは今、消したキーを設定で呼び戻せるようにすると認めた。Copilotを押し込んできた会社が、その手をゆるめている。


消えたキーが、設定で戻ってくる

Windows 11のCopilotキーをめぐる話が動いている。Microsoftは公式サポートページで、年内に配信するアップデートでこのキーの動作を変えられるようにすると明らかにした。具体的には、Copilotキーを右Ctrlキー、またはコンテキストメニューキーとして働くよう設定で割り当て直せる。

設定の場所は「設定 > Bluetoothとデバイス > キーボード」になる予定だ。今は固定でCopilotアプリを開くだけのキーが、ユーザーの選んだ役割を持てるようになる。

Copilotキーは2024年から登場した。AIアシスタントのCopilotにすぐ触れられるキーとして、新しいWindows 11搭載PCのキーボードに組み込まれた。Microsoftはこのキーの追加を「30年で最も大きなWindowsキーボードの変更」と呼んでいた。問題は、その新しいキーが置かれた場所にある。

なぜ右Ctrlキーがそんなに大事なのか

多くのPCで、Copilotキーは右側のCtrlキー、あるいはコンテキストメニューキーを置き換える形で配置された。キーボードに新しいキーを足すスペースがないから、既存のキーをどかして場所を空けた。

ここで困った人がいる。それはMicrosoft自身が、公式サポートページではっきり認めている。

右Ctrlキーやコンテキストメニューキーをキーボードショートカットや支援技術に使っている利用者は、こうしたデバイスで作業の流れに支障を感じた。

支援技術というのは、画面の文字を読み上げるスクリーンリーダーなどを指す。目の見えにくい人がPCを使うとき、こうしたソフトは特定のキーを多用する。右Ctrlキーはその一つだった。それが別のキーに置き換われば、それまで通りの操作ができなくなる。

右利きの人が右手でCtrlキーを押す習慣も同じだ。コピーや貼り付け、画像編集ソフトでの拡大縮小──右Ctrlを前提にした操作は意外と多い。AIアシスタントを呼ぶキーと引き換えに、その習慣が崩れた人は少なくなかったとみられる。

1つだけ残る制約

新しい設定には、Microsoftが正直に書いている制約が1つある。

Copilotキーを右Ctrlに割り当て直した場合、物理的な左Shiftキーと右Ctrlキーを組み合わせる一部のキー操作が、すべてのキーボードで安定して動くとは限らない。

その場合は物理的な右Shiftキーを代わりに使うよう、Microsoftは案内している。文章を扱う人なら、Ctrl+Shift+矢印キーで単語ごとにまとめて選択する操作を毎日使っているはずだ。その一部が思い通りに動かない可能性がある。完全に元通りとは言い切れない

それでも、設定1つで右Ctrlの役割を取り戻せる意味は大きい。これまでこのキーを戻すには、PowerToysのような追加ソフトを入れたり、第三者が作った非公式ツールに頼ったりするしかなかった。標準の設定でできるなら、AIに詳しくない人でも手が届く。

メーカー独自ツールとの使い分け

注意点がもう1つある。PCメーカーによっては、すでに自社のソフトでCopilotキーを変更する機能を用意している。Microsoftは、こうしたデバイスではWindowsの設定とメーカーの設定のどちらか一方だけを使うよう勧めている。両方を同時に有効にすると、動作が読めなくなる。

Copilotキーの実装はメーカー、ファームウェア、キーボード設計によってばらつく。同じ「Copilotキー」でも、中身が機種ごとに違う。だからこそ、どちらの設定を使うか1つに決めておくほうが安全だ。

Copilotを押し込む流れが、引き返している

Microsoftはここ最近、Windows 11にCopilotを詰め込みすぎた方針を見直している。

2026年3月、Microsoftは公式ブログで、2026年をWindows 11の品質を立て直す年にすると表明した。文章はWindows・デバイス部門を率いるパバン・ダブルリ(Pavan Davuluri)の名前で出された。メモ帳やペイントといった基本アプリにまでCopilotボタンを足してきた方針が見直され、不要なCopilotの入口を減らす方針が示された。

このブログの前後で、メモ帳やスニッピングツール、フォトなどからCopilotボタンを実際に外す動きが始まった。Microsoft 365 Copilotアプリを対象PCに自動で入れる計画も、いったん取り下げられた。Copilotキーを設定で戻せるようにする今回の話も、この流れの中にある。

AIアシスタントを呼ぶ専用キー。便利だと感じた人もいれば、慣れた右Ctrlを奪われたと感じた人もいた。キーボードという、毎日指が触れる場所での出来事だっただけに、後者の声は強かったのだろう。Microsoftがそれを聞いて、消したキーの居場所を返す。年内に届くこのアップデートを、待っている人は多い。


参照元

関連記事

この記事を共有する