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AGI後の経済で「何が希少か」が富の行方を決める

経済

AGI後の経済で「何が希少か」が富の行方を決める

AIが仕事を奪うか否か。この問いはもう古い。経済学者たちが本当に議論しているのは、「AIがすべてをこなせる世界で、価値はどこに残るのか」だ。Google DeepMindのAGI経済学ディレクター、アレックス・イマス(Alex Imas)氏とEpoch AIのフィル・トラメル(Phil Trammell)氏がDwarkesh Podcastで交わした対話は、その分岐点を1つずつたどっていく内容だった。 200年前のリカードと同じ過ちを繰り返すな イマス氏は冒頭、個別の経済予測そのものに慎重な姿勢をとった。産業革命のさなか、デヴィッド・リカードは「機械が雇用を奪い、社会不安が起きる」と警告した。実際にリカードが名指しした職種はすべて自動化された。だがもしリカードが2026年に目を覚まし、現在のアメリカの壮年就業率を聞いたら驚くだろう。2000年のピークに次ぐ歴史的な高さにある。リカードが見落としたのは、自動化されたモノの価格が下がり、浮いた所得が別の需要を生み、そこに新しい雇用が吸い込まれていく構造変化だった。 だからといって今回も同じ帰結になるとは限らない、とイマス氏は釘を刺す

OpenAI再編、ブロックマンが製品統括に正式就任

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OpenAI再編、ブロックマンが製品統括に正式就任

OpenAIが組織再編を発表した。共同創業者で社長のグレッグ・ブロックマンが製品戦略の責任者に正式就任し、ChatGPT・Codex・開発者APIが1つのコア製品チームに統合される。 暫定から正式へ、4月の空席が埋まる 5月15日(米国時間)、OpenAIは社員向けに組織再編を通知した。共同創業者で社長のグレッグ・ブロックマンが、これまでのインフラ統括に加えて製品戦略を正式に率いる。WIREDが内部情報として伝えた。 ブロックマンは4月から製品部門を暫定的に見ていた。AGI展開部門CEOのフィジ・シモが、持病であるPOTS(体位性頻脈症候群)の治療のため療養に入ったためだ。シモは2025年にインスタカートCEOからOpenAIに移籍し、約半年で同社のアプリケーション事業全体を背負う立場にあった。 POTSは自律神経系の異常で、立位時に心拍数が急上昇する慢性疾患。シモ本人が4月の社内メモで「これまで治療を後回しにしてきたが、限界が来た」と説明している。 療養はいまも続いており、ブロックマンの暫定統括が「正式」へ書き換えられた形になる。 ChatGPTとCodexを「1つの

マスク対OpenAI、最終弁論で本人不在

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マスク対OpenAI、最終弁論で本人不在

オークランドの法廷で、マスクの弁護士はアルトマンを「嘘つき」と呼び、OpenAIの弁護士は「マスクはAGIの支配権を欲しがった」と切り返した。マスク本人は法廷ではなく、トランプ大統領の北京訪問団にいた。 最終弁論の日、マスクは中国にいた 5月14日、カリフォルニア州オークランドの連邦地方裁判所で、マスク対OpenAIの裁判が最終弁論を迎えている。2024年に提訴され、3週間以上にわたる証人尋問を経て、争点は2つに収束した。OpenAIが2025年に完了した再資本化は、マスクが2015年から2017年にかけて約3800万ドル(約59億円)を寄付した際の「慈善信託」に違反したのか。そして、サム・アルトマンとグレッグ・ブロックマン、そしてマイクロソフトはこの過程で不当に利得したのか。 法廷の席で、被告側のアルトマンとブロックマンは並んで座っていた。原告側の席にマスクの姿はない。マスクの弁護士スティーブン・モロは陪審員に対し、「テスラCEOはここに来られず申し訳ないと言っている」と本人の言葉を伝えた。 マスクが向かった先は北京だった。トランプ大統領の中国訪問代表団に名を連ね、ティム・

マスク氏「OpenAIを子供に譲るかも」アルトマン氏が証言

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マスク氏「OpenAIを子供に譲るかも」アルトマン氏が証言

サム・アルトマンが法廷で語ったのは、技術論ではなく一つの会話だった。2017年、自分が死んだらOpenAIをどうするか問われたイーロン・マスクは「子供に譲るかも」と答えたという。AGIを一人に渡さないために作った会社での発言だ。 「鳥肌が立つほどの瞬間」 オークランドの連邦裁判所で5月12日、OpenAI最高経営責任者(CEO)のサム・アルトマンがついに証言台に立った。マスクが2024年に起こした訴訟の主張は単純だ。アルトマンとグレッグ・ブロックマンは「慈善団体を盗んだ」。非営利として始まったOpenAIを営利目的に作り変えた、と訴えている。 その主張への第一声で、アルトマンは数秒沈黙してから「その捉え方を頭で理解することすら難しい」と述べた。OpenAI財団の資産はいまや 2000億ドル (約31兆2000億円)規模に達している。慈善団体としては世界最大級だ、というのが反論の骨格となる。 ただ、マスク側の弁護団はその財団が今年に入るまで常勤の従業員を抱えていなかった点を執拗に突いた。同日証言した取締役会会長のブレット・テイラー(Bret Taylor)はこう説明している。O

Anthropic共同創業者、AIが後継AIを作る確率60%

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Anthropic共同創業者、AIが後継AIを作る確率60%

Anthropic共同創業者のジャック・クラークが、2028年末までに60%以上の確率で「人間の関与なくAIが後継AIを自律構築する」と予測した。再帰的自己改善への第一歩だと書く。本人は気が進まない結論だと前置きする。 「気が進まない結論」を書く理由 ジャック・クラーク(Jack Clark)は、Anthropicの共同創業者であり、長年AI業界のニュースレター「Import AI」を書き続けている人物だ。元ジャーナリストで、OpenAIで政策ディレクターを務めた後、2021年にAnthropicを立ち上げた。 そのクラークが2026年5月4日付の記事「Import AI 455」で、いつもとは違うトーンの長文を公開した。冒頭の宣言はこうだ。 公開情報をすべて見渡したとき、私は気が進まないながらも次の見方に至った。人間の関与しないAI R&D、つまりAIシステムが自律的に自分の後継を構築できる状態が、2028年末までに60%以上の確率で起こる、と。 「気が進まない」という言葉が引っかかる。技術者やAI研究者がこの種の予測を出すとき、たいていは興奮や警戒や使命感が滲む。クラー

マスク氏のOpenAI訴訟、過去のX投稿と法廷証言の整合性が争点に

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マスク氏のOpenAI訴訟、過去のX投稿と法廷証言の整合性が争点に

法廷に立ったイーロン・マスクは「OpenAIは慈善を盗んだ」と訴えるはずだった。しかし反対尋問で自分が過去にXへ書いたテスラとAGIの宣言が突きつけられ、看板の主張が宙に浮く展開になった。 「テスラはAGIを追っていない」と証言した直後に カリフォルニア州オークランドの連邦地裁で4月29日、イーロン・マスク(Elon Musk)はOpenAIとサム・アルトマン(Sam Altman)を相手取った訴訟の証言台に立った。マスクの主張は単純で、アルトマンとグレッグ・ブロックマン(Greg Brockman)にだまされて非営利団体を支援したのに、その器を使って営利会社が組み上げられ、慈善が「盗まれた」というものだ。 ところが反対尋問の流れは、マスク本人の言葉で揺さぶられていった。 OpenAIの代理人であるウィリアム・サビット(William Savitt)は、マスクが午前中の証言で「テスラはAGI(汎用人工知能、人間と同等の知的タスクをこなせるAI)を追求していない」と述べたことに対し、わずか数週間前にマスク自身がXへ投稿した文章を法廷のスクリーンに映し出した。そこには「テスラはA