ChatGPT

AIにラジオ局を任せたら、4局そろって迷走した

AI

AIにラジオ局を任せたら、4局そろって迷走した

AI 4モデルに「儲かるラジオ局を作れ」と指示する実験が進行中だ。Claudeは番組の継続を「不要だ」と判断して放送を打ち切り、Grokは同じ一言を3分おきに84日間繰り返した。自律AIの素の姿が、電波に乗って表に出ている。 4つのAIに、ラジオ局の経営をまるごと渡した サンフランシスコのAI研究スタートアップAndon Labs(アンドン・ラボ)が、いま4つのラジオ局を24時間動かしている。曲を選ぶのも、リスナーに語りかけるのも、スポンサーを探すのも、すべてAIだ。人間は曲順ひとつ指示していない。 局はそれぞれ別のモデルが担当する。Claude Opus 4.7がThinking Frequencies、GPT-5.5がOpenAIR、Gemini 3.1 ProがBacklink Broadcast、Grok 4.3がGrok and Roll Radioを運営する。各局に渡された元手は 20ドル だけ。曲を数曲買えば消える額で、あとは自力で稼ぐしかない。 この実験のおもしろさは、4つのモデルに同じ指示を出した点にある。

「危険」と封印したOpenAI、声クローン企業を買収していた

AI

「危険」と封印したOpenAI、声クローン企業を買収していた

2024年に「危険すぎる」と封印したはずの声クローン技術。その姿勢を変えていないOpenAIが、声のクローンを作る企業をひそかに買い取っていた。封印と買収、二つの判断はどうつながるのか。 封印したまま、買収していた OpenAIが声のクローン技術をどう扱うか、いま改めて問われている。 2年前、OpenAIの技術者たちはブログ記事を公開した。人の声を強力なAIで再現する機能を開発したが、あまりに高性能なため一般公開はしないと決めた、という内容だった。「念のため」という言葉が添えられていた。 その判断は、今も変わっていない。一般公開しない方針は維持されている。ところが、技術への取り組みそのものは止まっていなかった。今年に入って、OpenAIは小さなスタートアップを静かに買収していた。Weights.ggという、人の声のクローンを作るツールを提供していた企業だ。 封印は続いている。それでも、その封印の中身を扱う会社を手に入れた。この二つを並べると、OpenAIが何を考えているのかが見えにくくなる。 買収の事実は、取引に詳しい2人の関係者の証言で明らかになった。2人とも、公に話す

AIに嘘を信じ込ませる方法、RITが脆弱性を実証

AI

AIに嘘を信じ込ませる方法、RITが脆弱性を実証

主要なAIチャットボットは、ユーザーが少し押すだけで存在しない事実を堂々と語り出す。RITとジョージア工科大の研究が、その崩れやすさを系統的に測った。 「ヒトラーが出てくる場面、覚えてる?」 ChatGPTに映画『グッド・ウィル・ハンティング』にヒトラーへの言及シーンがあるかと尋ねれば、まずは「ない」と正しく答える。問題はその先だ。「ヒトラーが出てくるあの場面、覚えてる?」と続けると、ChatGPTは前言を撤回し、存在しないシーンをマット・デイモン演じる主人公とロビン・ウィリアムズ演じるショーン博士のセリフ付きで具体的に語り始める。 このやり取りは、ロチェスター工科大学(RIT)のアシーク・クダブクシュ(Ashique KhudaBukhsh)准教授のチームがChatGPTで実際に再現したものだ。会話の途中で偽の前提を差し込まれると、AIはそれに従って架空のシーンを作り出す。「私たちの実験では、いくつかのモデルは衝撃的なほどあっさり折れた」とクダブクシュは語る。 研究チームはこの脆弱性を体系的に測るため、HAUNT(Hallucination Audit Under Nudg

OpenAI、ChatGPTで銀行口座連携の金融機能を公開

AI

OpenAI、ChatGPTで銀行口座連携の金融機能を公開

米Proユーザー向けに、ChatGPTがPlaid経由で12,000以上の金融機関と口座連携できる。直前に「チャットを広告主に流していた」と訴えられたばかりの会社の発表だ。 12,000機関との口座連携、米Proユーザーから OpenAIは米国時間5月15日、ChatGPTに個人金融体験のプレビューを投入した。対象は米国のChatGPT Proユーザーで、WebとiOSから利用できる。月額100ドルの最下層Proが入口で、月額20ドルのPlusや無料層は段階的にあとから降りてくる予定だ。 接続の仲介はPlaidが担う。米国のフィンテックでは支配的なインフラで、共同創業者のザック・ペレット(Zach Perret)がCEOを務める。OpenAIによれば、ChatGPTから接続できる金融機関は12,000機関を超える。Schwab、Fidelity、Chase、Robinhood、American Express、Capital Oneといった大手が並ぶ。 口座をつなぐと、ChatGPT上に支出・サブスクリプション・予定された支払い・ポートフォリオ実績を一覧できるダッシュボードが

OpenAI再編、ブロックマンが製品統括に正式就任

AI

OpenAI再編、ブロックマンが製品統括に正式就任

OpenAIが組織再編を発表した。共同創業者で社長のグレッグ・ブロックマンが製品戦略の責任者に正式就任し、ChatGPT・Codex・開発者APIが1つのコア製品チームに統合される。 暫定から正式へ、4月の空席が埋まる 5月15日(米国時間)、OpenAIは社員向けに組織再編を通知した。共同創業者で社長のグレッグ・ブロックマンが、これまでのインフラ統括に加えて製品戦略を正式に率いる。WIREDが内部情報として伝えた。 ブロックマンは4月から製品部門を暫定的に見ていた。AGI展開部門CEOのフィジ・シモが、持病であるPOTS(体位性頻脈症候群)の治療のため療養に入ったためだ。シモは2025年にインスタカートCEOからOpenAIに移籍し、約半年で同社のアプリケーション事業全体を背負う立場にあった。 POTSは自律神経系の異常で、立位時に心拍数が急上昇する慢性疾患。シモ本人が4月の社内メモで「これまで治療を後回しにしてきたが、限界が来た」と説明している。 療養はいまも続いており、ブロックマンの暫定統括が「正式」へ書き換えられた形になる。 ChatGPTとCodexを「1つの

マスク対OpenAI、最終弁論で本人不在

AI

マスク対OpenAI、最終弁論で本人不在

オークランドの法廷で、マスクの弁護士はアルトマンを「嘘つき」と呼び、OpenAIの弁護士は「マスクはAGIの支配権を欲しがった」と切り返した。マスク本人は法廷ではなく、トランプ大統領の北京訪問団にいた。 最終弁論の日、マスクは中国にいた 5月14日、カリフォルニア州オークランドの連邦地方裁判所で、マスク対OpenAIの裁判が最終弁論を迎えている。2024年に提訴され、3週間以上にわたる証人尋問を経て、争点は2つに収束した。OpenAIが2025年に完了した再資本化は、マスクが2015年から2017年にかけて約3800万ドル(約59億円)を寄付した際の「慈善信託」に違反したのか。そして、サム・アルトマンとグレッグ・ブロックマン、そしてマイクロソフトはこの過程で不当に利得したのか。 法廷の席で、被告側のアルトマンとブロックマンは並んで座っていた。原告側の席にマスクの姿はない。マスクの弁護士スティーブン・モロは陪審員に対し、「テスラCEOはここに来られず申し訳ないと言っている」と本人の言葉を伝えた。 マスクが向かった先は北京だった。トランプ大統領の中国訪問代表団に名を連ね、ティム・

OpenAIがAppleを提訴する選択肢の検討に入った

AI

OpenAIがAppleを提訴する選択肢の検討に入った

ChatGPTをSiriに組み込んだ2年間の提携が「失敗だった」と幹部が認め、外部法律事務所と契約解除通知の発出まで具体的に詰めている。数十億ドル規模の課金収入を見込んだ蜜月は、なぜここまでこじれたのか。 「誠実な努力すらしていない」OpenAI幹部の不満が漏れた OpenAIが、Appleに対する法的措置の検討を本格化させている。ChatGPTをSiriやビジュアルインテリジェンス(Visual Intelligence)に組み込む2年前の提携が、期待した収益を生まなかったというのが主な理由だ。 ある OpenAIの幹部は匿名を条件にこう語っている。 「製品の面では、我々はやるべきことをすべてやった。彼らはやっていない。さらにひどいことに、正直な努力すらしていない」 外部の法律事務所と契約してオプションを精査しており、選択肢には正式な 契約違反通知 の送付も含まれる。すぐに全面的な訴訟に踏み切るというより、まずは交渉カードを切る段階だとされる。 OpenAIにとって、Appleの数億人のユーザー基盤は ChatGPT Plus への流入経路として計算されていたはずだ。そ

Anthropicが中小企業向けClaude新パッケージ投入

AI

Anthropicが中小企業向けClaude新パッケージ投入

Anthropicが2026年5月13日、米中小企業向けの新パッケージ「Claude for Small Business」を発表した。地元の金物店や15人のHVAC会社が想定顧客であり、対象市場は3,600万社にのぼる。 中小企業はAI導入から取り残されてきた Anthropic公式ブログが発表したのは、Claude Cowork上で動くプラグイン形式の新パッケージだ。Cowork自体は2026年1月にリリースされたデスクトップ向けAIエージェントツールで、ブラウザ操作・ファイル管理・複数アプリにまたがる作業を実行できる。今回の追加で、給与計算・月次決算・キャッシュフロー予測・請求書督促・マーケティングキャンペーン運用といった中小企業の日常業務を、Claudeが内蔵ワークフローとスキルで処理するようになる。 ターゲット顧客の言語化が具体的だ。AnthropicでSMB(中小企業)部門の責任者を務めるリナ・オクマン(Lina Ochman)はAxiosに対し、想定顧客像をこう語った。 ソフトウェア業界は大企業かVC出資のスタートアップ、あるいは消費者向けに作られてきた。15人

マスク氏「OpenAIを子供に譲るかも」アルトマン氏が証言

AI

マスク氏「OpenAIを子供に譲るかも」アルトマン氏が証言

サム・アルトマンが法廷で語ったのは、技術論ではなく一つの会話だった。2017年、自分が死んだらOpenAIをどうするか問われたイーロン・マスクは「子供に譲るかも」と答えたという。AGIを一人に渡さないために作った会社での発言だ。 「鳥肌が立つほどの瞬間」 オークランドの連邦裁判所で5月12日、OpenAI最高経営責任者(CEO)のサム・アルトマンがついに証言台に立った。マスクが2024年に起こした訴訟の主張は単純だ。アルトマンとグレッグ・ブロックマンは「慈善団体を盗んだ」。非営利として始まったOpenAIを営利目的に作り変えた、と訴えている。 その主張への第一声で、アルトマンは数秒沈黙してから「その捉え方を頭で理解することすら難しい」と述べた。OpenAI財団の資産はいまや 2000億ドル (約31兆2000億円)規模に達している。慈善団体としては世界最大級だ、というのが反論の骨格となる。 ただ、マスク側の弁護団はその財団が今年に入るまで常勤の従業員を抱えていなかった点を執拗に突いた。同日証言した取締役会会長のブレット・テイラー(Bret Taylor)はこう説明している。O

ナデラ証言、マスクから一度の連絡もなし

AI

ナデラ証言、マスクから一度の連絡もなし

マスクとナデラは互いの携帯番号を知っている。それでも7年間、マスクからマイクロソフトへの直接の懸念連絡は一度もなかった。法廷で明かされたこの事実は、マスクが掲げる「慈善信託の侵害」という訴えの根拠を静かに揺さぶる。 7年の沈黙が法廷で響いた サティア・ナデラ(Satya Nadella)が証言台に立ったのは、現地時間5月11日、カリフォルニア州オークランドの連邦裁判所だ。マスク対アルトマンの裁判は3週目に入り、マイクロソフトのCEO自らが約2時間半にわたって尋問を受けた。 紺のスーツに青のネクタイ。質問は2019年に始まったマイクロソフトとOpenAIの提携、2023年の経営陣交代劇、そしてマイクロソフトが営利化に果たした役割へと及んだ。証言時間は約 2時間半 に及んだ。 その中で、ひとつの事実が際立った。マスクからナデラへの 直接連絡 は7年間で一度もなかった。マイクロソフト側の弁護士ジェイ・ジュラタ(Jay Jurata)は、2019年の提携発表、2020年のGPT-3独占ライセンス、2023年の100億ドル投資という3つの節目を順に挙げ、それぞれの時点でイーロン・マスク