AI
AI輸送トラック、護送車ごと強奪される。暴力化する貨物窃盗
盗品が正規品より高く売れる。米国の輸出規制が生んだ「価格の逆転」が、貨物窃盗の手口を根底から変えつつある。
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盗品が正規品より高く売れる。米国の輸出規制が生んだ「価格の逆転」が、貨物窃盗の手口を根底から変えつつある。
NVIDIA
ロボット開発者や学生向けに販売されている小さなAIコンピュータが、ウクライナの都市を狙う巡航ミサイルの「頭脳」として機能している可能性がある。輸出規制は、なぜこれを止められないのか。
AI
港湾でも鉄道でもなく、今度はAIトークンで世界を獲りにきた。
NVIDIA
Supermicro製AIサーバーの対中密輸事件で、初めてNVIDIA従業員に捜査の手が伸びた。NVIDIAが顧客の審査を強化するさなかの出来事であり、内部からの関与は防壁の意味を変える。 「第3波」の標的 台湾の基隆地方検察署は現地時間7月28日、Supermicro製AIサーバーの対中不正輸出事件で張姓の容疑者を勾留したと発表した。容疑は業務文書の偽造と背任。検察は「犯罪の嫌疑が強く、逃亡・証拠隠滅・共犯者との口裏合わせのおそれがある」として裁判所に勾留と接見禁止を請求し、認められた。 捜索は現地時間7月24日に行われ、張の自宅と勤務先が対象になった。検察は所属企業名を公表していないが、台湾メディアの鏡報はこの人物をNVIDIAのシニアビジネス開発マネージャーと報じた。Bloombergも、捜索先にNVIDIA台北オフィス内の本人のデスクが含まれていたと伝えている。 チップ密輸事件でNVIDIA従業員が法的措置の対象になったのは、これが初めてだ。 NVIDIAは声明で「密輸は論外だ」とし、OEMなど既知のパートナー企業に販売しており、輸出管理規則の順守を徹底していると強
半導体
年5台から始まる国産液浸露光装置が、ASMLの独占に何をもたらすのか。株式市場は即座に反応したが、量産と実用は別の壁だ。 報道が走った日に起きたこと 現地時間7月27日、上海の国有企業が液浸DUV(深紫外線)リソグラフィ装置の量産を開始したとThe Informationが報じた。事情に詳しい2人の関係者の話として伝えている。 報道によれば、出荷目標は2026年に約5台、2027年に約20台。納入先に挙がったのは、中国最大の半導体受託製造企業であるSMIC(中芯国際集成電路製造)、華虹(Hua Hong)セミコンダクター、そしてDRAM大手のCXMT(旧ChangXin Memory Technologies)の3社だ。 メーカー名は伏せられた。複数の中国企業からDUV開発チームを集約した組織で、そのひとつが上海裕良晟科技(Shanghai Yuliangsheng Technology)だという。裕良晟はSiCarrier傘下の企業で、ファーウェイとのつながりが指摘されている。米商務省は2024年末、裕良晟を輸出規制対象リスト(エンティティリスト)に加えている。 報道が出
AI
Kimi K3で世界を揺さぶった中国が、今度は自国のAI技術を閉じ始めた。 3つの壁 中国商務部が国内の大手AI・半導体企業と協議を重ねている。Financial Timesが7月21日、協議に関与した2人の関係者の話として報じた。 協議に加わっているのはアリババ、バイトダンス、Zhipu(Z.ai)。Huaweiを含む半導体企業も対象に入っている。検討されている規制は大きく3つに分かれる。 AIモデルの流出防止。訓練データの海外移転を制限し、モデルの重み(学習済みのデータ本体)を外国ユーザーがダウンロードできないようにする。モデルへのアクセスやサービス利用は引き続き許可される見込みだが、重み自体を外に持ち出せなくなる。 半導体設計の海外製造規制。QualcommやTSMCといった海外の半導体メーカーが、Huawei、アリババ、バイトダンスなど中国企業の設計に基づいて先端チップを製造することを制限する案が検討されている。 スタートアップの海外買収規制。エージェンティックAI(人の指示を受けて自律的にタスクを遂行するAI)分野を中心に、戦略的な技術企業の海外買収を制限する。
AI
Fable 5が帰ってきた。6月12日の輸出規制で全世界から消えてから19日。米商務省は6月30日に規制を解除し、Anthropicは7月1日からFable 5の提供を再開した。Mythos 5も米国の承認済み組織への提供が続いている。だが復活したFable 5は、止められる前とは変わっている。セーフガードは厳しくなり、利用枠には上限がかかり、Anthropicは今後のフロンティアモデルについて政府への事前アクセスを約束した。規制を解くために、Anthropicは何を差し出したか。 何が変わったか 今回の再デプロイで、Anthropicはサイバーセキュリティ関連のリクエストを検知する安全分類器を再訓練した。Amazonの研究者が報告した手法は、99%以上の確率でブロックされるようになった。ブロックされたリクエストはOpus 4.8に自動転送され、ユーザーにはその旨が通知される。 引き換えに、誤検知は増えた。Anthropic自身がそう認めている。通常のコーディングやデバッグ作業がサイバーセキュリティ関連と誤判定され、Opus 4.8に回される場面が以前より多くなる。開発者にとっ
AI
6月12日に止められたClaude Fable 5が、18日後に返ってきた。何が変わったのか、政府もAnthropicも明かしていない。 商務省が3通目の書簡 6月30日(現地時間)、Anthropicは商務省からClaude Fable 5とClaude Mythos 5の輸出規制を解除する通知を受けたと発表した。アクセスは翌7月1日から順次復旧する。 We’ve received notice that the Department of Commerce has lifted export controls on Claude Fable 5 and Mythos 5. We'll begin restoring access tomorrow, and will share an update soon. We’re
半導体
先月拘束された密輸業者3人は、サーバーを中国へ運ぶ実行犯だった。台湾の検察が次に追ったのは、実行犯にサーバーを渡した企業内部の人だ。 捜索対象が「流通」に広がった 基隆地方検察署は6月29日、NVIDIA製AIチップ搭載のSupermicro製サーバーを中国・香港・マカオへ密輸した疑いに絡み、第2波の捜索を実施した。対象はSupermicro台湾オフィス、Supermicroの販売代理店である青雲国際科技(証券コード5386)、データセンター事業者の是方電訊(同6561)の3社と、関係者6人の自宅を含む計12か所。6人は偽造文書と背信の容疑で事情聴取を受けた。 5月20日の第1波捜索は、密輸の実行役とされる3人の業者を対象としたものだった。今回は違う。捜査の矛先がサーバーの売り手と流通経路そのものに向いた。 台湾メディアの報道によれば、第1波で拘束した3人の供述がきっかけだった。検察は、密輸業者が管制品のサーバーを入手できた背景に大手企業の内部関係者の協力があると判断した。Supermicro台湾オフィスからは王姓の管理職と業務担当者の計4人、青雲から幹部1人が連行され、是方
AI
シリコンバレーの億万長者たちは、バイデン政権のAI安全政策が米国のイノベーションを潰すと警告し、トランプ陣営に巨額を献金した。AIを自由に伸ばす、規制はしない。就任直後のトランプ大統領はその期待通りに動き、州レベルのAI規制を封じることに注力した。 2026年6月、その約束は跡形もない。 「バイデン式の規制が恋しい」 6月に入り、ホワイトハウスはAnthropicとOpenAIに対して立て続けに介入した。Anthropicの最上位モデルMythos 5とFable 5には輸出管理指令が出た。外国籍者へのアクセスを禁じる内容で、Anthropicは国籍の即時判別ができないため全ユーザーを遮断した。OpenAIにはGPT-5.6のリリースを政府が承認した約20社に限定するよう要請した。いずれもサイバーセキュリティ上の懸念が理由とされるが、具体的な基準は示されていない。 6月26日、ラトニック(Howard Lutnick)商務長官がAnthropicに書簡を送り、Mythos 5については100社超への再配布を許可した。ただしFable 5の制限解除には触れていない。同じ日にOp
スーパーコンピュータ
深圳に据えられた灵晟(LineShine、リンシェン)が、TOP500の首位に立った。GPUを一切使わず、CPUだけでHPLベンチマーク2.198エクサフロップスを記録。2024年11月から首位を守ってきた米国のEl Capitanを20%以上引き離し、中国のスパコンとしては2017年以来の世界最速となった。 ただし、「GPUなしの世界最速」が意味するのは、純粋な技術的快挙だけではない。 約1400万コアのCPU専用機 ISC 2026(ドイツ・ハンブルク)で現地時間6月23日に発表された第67回TOP500リスト。LineShineは初登場1位を飾った。深圳雲計算中心(Shenzhen Cloud Computing Center)が構築し、国家超級計算深圳中心(NSCS)に設置されたシステムだ。 設計上の最大の特徴は、GPUの完全な排除にある。現在の最先端スパコンの大半は、NVIDIAやAMDのGPUで演算能力を稼ぐ。El CapitanもAMD Instinct MI300Aを搭載したGPU主導の設計で、HPL 1.809エクサフロップスを達成していた。 LineSh
AI
AIチャットボットを使うために、パスポートを差し出す。プライバシーポリシーの改定という静かな手続きのなかで、その現実はもう動き始めている。 7月8日から変わること Anthropicは6月8日、Claudeの個人向けプライバシーポリシーを改定した。発効は7月8日。新設された「Verification Data(確認データ)」の項目が、今回の核心にあたる。 「特定の状況において、年齢または本人確認を求める場合がある」。ポリシーにはそう記され、収集するデータが列挙されている。政府発行の身分証明書の画像とそこに印字された情報(ID番号、生年月日)、写真または動画、そして顔のジオメトリテンプレート。最後の項目についてはAnthropic自身が「一部の法域では生体データとみなされうる」と注記している。 対象はClaude Free、Pro、Maxの個人ユーザー。Team、Enterprise、API経由のビジネス顧客には適用されない。 すでに動いていた仕組み この仕組みは唐突に現れたわけではない。すでに報じた通り、Anthropicは4月14日からサンフランシスコのKYC企業Pe
AI
6月22日、東京を拠点とするSakana AIが「Sakana Fugu」を一般提供開始した。単一のAPIの裏側で複数のAIモデルを動的に使い分け、フロンティアモデルに匹敵する性能を出すと同社は主張する。Fable 5が一夜で消えた直後に出てきたこの製品は、リリース文の冒頭から輸出規制に言及している。 消えたフロンティアモデル 6月9日、AnthropicはClaude Fable 5を公開した。同社史上もっとも高性能なモデルで、SWE-Bench Proで80.3を叩き出し、エンジニアリング系タスクでは競合を圧倒した。3日後の6月12日、米商務省が輸出管理指令を発令し、Fable 5とMythos 5への全ユーザーのアクセスを即時停止させた。 指令の根拠は、安全機構を迂回してMythosのサイバーセキュリティ能力を引き出せる手法が見つかったという報告だ。Anthropicは「狭い範囲の非汎用的な迂回であり、他社モデルでも同様のことは可能」と反論しているが、6月22日時点でFable 5は復旧していない。Anthropic幹部は「数日以内の復旧に自信がある」と発言したものの、具
AI
米英豪加NZの5カ国サイバーセキュリティ機関の長が連名で共同声明を出し、フロンティアAIモデルが攻撃・防御の双方を根本から変えると警告した。Fable 5の輸出規制が続くなかで発された今回の声明は、サイバーリスクを「IT部門の問題ではなく、経営者の責任だ」と名指しで突きつけている。 6人の署名 現地時間6月22日、ファイブ・アイズ(米国・英国・オーストラリア・カナダ・ニュージーランド)のサイバーセキュリティ機関がそろって共同声明を発表した。署名したのは、英国NCSCのリチャード・ホーン(Richard Horne)CEO、NSAサイバーセキュリティ局のデビッド・インボルディーノ(David Imbordino)局長、CISA暫定局長のニック・アンダーセン(Nick Andersen)、オーストラリアACSCを率いるステファニー・クロウ(Stephanie Crowe)、カナダ・サイバーセンターのラジブ・グプタ(Rajiv Gupta)、ニュージーランドNCSCのカトリオナ・ロビンソン(Catriona Robinson)の6名。中間管理職ではない。各国のサイバー防衛を預かるトップ