セキュリティ
ロンドン警視庁、ストーカーに被害者の新住所を渡す。英当局が是正命令
ストーカーから逃れるために住所と電話番号を変えた女性の情報が、当のストーカーに警察経由で渡されていた。
セキュリティ
ストーカーから逃れるために住所と電話番号を変えた女性の情報が、当のストーカーに警察経由で渡されていた。
Apple
英国政府がAppleに暗号化データへのアクセスを求める命令を再び出した。Appleはこれを拒否し、法廷に持ち込んだ。1年半にわたる攻防が新たな局面に入る。
AI
ロンドン北部ウォルサムクロスにあるGoogleの英国初データセンター。住民への初めての説明会は、騒音・光害・水消費への苦情が殺到し、収拾がつかなくなった。英国政府がデータセンターの計画許可を「国家的に重要なインフラ」として中央に吸い上げようとしているいま、住民が声を上げる場は、いつまで残るのか。 「聞いてもらえなかった」から始まった説明会 現地時間7月22日夜、ロンドン北部ハートフォードシャー州ブロックスボーン区の議会庁舎に、Googleのデータセンター運用チームと近隣住民が顔を合わせた。施設の開所から10カ月。初めての住民説明会で、Google側は地域貢献の実績を語るつもりだった。 会場はすぐに紛糾する。 最も繰り返された不満は「事前に知らされていなかった」という訴えで、ある住民は「反対する機会すら与えられなかった」と声を上げた。 怒りの矛先はGoogleだけでなく、計画を承認したブロックスボーン区議会にも向けられている。区議会の担当者が、過去の住民説明会にはわずか12人しか出席しなかったと明かすと、それは周知が不十分だった証拠ではないかという反論が返った。 データセン
英国
約300万の署名を集めた反対請願、18億ポンドの費用試算、議会からの「失態」批判。前任者が残した不人気政策を切り捨てるバーナム氏には、かつて自分がIDカード推進の当事者だったという過去がある。 スターマーの遺産を断つ アンディ・バーナム(Andy Burnham)新首相が、7月20日月曜日の就任と同時に着手する最初の仕事が見えてきた。 前任のキア・スターマー(Keir Starmer)首相が進めたデジタルIDカード制度の全面廃止。バーナム陣営は7月18日、制度に投じるはずだった予算と人員を生活費対策に振り向ける方針を明らかにした。 廃止でどれだけの財源が浮くかは分かっていない。スターマー政権は制度の予算を明示しなかった。財政責任局(OBR)は3年間で約18億ポンドと試算したが、政府はこの数字を受け入れなかった。 300万署名と2度の撤退 スターマー前首相がデジタルID制度を発表したのは2025年9月25日。不法就労対策として、英国で働くすべての人にデジタルIDの取得を義務づける構想だった。通称「Brit Card」(ブリットカード)と呼ばれたこの制度では、在留資格、氏名
SNS
古代ローマの哲学者プルタルコスが『モラリア』に残した処方箋が、2026年のSNS規制をめぐる法廷判決や各国の立法と正確に重なっている。 壁の落書きを読むな 紀元1世紀、プルタルコスは他人の生活を覗き見る衝動について書いた。 オーストラリアン・カトリック大学のマシュー・シャープ(Matthew Sharpe)准教授が学術メディアThe Conversationに寄せた論考で、『モラリア』の一節を引いている。自分の人生と向き合えない者は、内面のあらゆる悪徳に怯え、外へ飛び出し、他人の問題を嗅ぎ回って自分の悪意を肥え太らせる。 プルタルコスの診断は正確だった。他人の秘密を探りたがる者は、もっとも扇情的で誇張された噂に引き寄せられる。噂が噂を呼び、事実は消え、残るのは悪意だけだ。 怒りを反芻する習慣は「薄く叩き延ばされた鉄のように」、些細な刺激で傷つく脆い精神を作る。 シャープ氏はニューヨーク・タイムズ紙の記者マックス・フィッシャー(Max Fisher)氏の著書『The Chaos Machine』(混沌の機械)にも触れている。フィッシャー氏はこの本で、SNS企業がプルタルコス
Microsoft
英国で5年にわたって争われてきたソフトウェアライセンスの再販をめぐる訴訟が、大きな転換点を迎えた。 クリップアートで著作権は守れない 英国控訴院は現地時間2026年7月7日、Microsoftが提起した2件の控訴をいずれも棄却する判決を下した。中古のMicrosoftソフトウェアライセンスを企業に再販してきた英国企業ValueLicensingの事業は、合法であると改めて認められた。 争点は2つあった。1つは著作権。Microsoftは2025年になって訴訟の方針を転換し、Officeに含まれるアイコンやヘルプファイルが「創作物」に該当すると主張した。創作物であればEUの情報社会指令が適用され、中古ソフトウェアの再販を認めた2012年のユーズドソフト(UsedSoft)判決の射程から外れる、という論理だった。 控訴院はこの主張を退けた。Officeの実質はコンピュータプログラムであり、アイコンやフォントは「付随的」な要素にすぎない。ソフトウェア指令が適用され、著作権は最初の販売時点で消尽する。Microsoftの論法が通った場合に何が起きるか、判決は一文で指摘している。 ユ
PlayStation
ソニーが2028年1月でPlayStationの新作ディスクを終了すると発表した翌週、4億ユーロ超の損害賠償を求めるオランダの消費者団体が声明を出した。「最後の競争」が消える、と。 「価格が公正であり得ない」 ディスク廃止の発表から数日後の2026年7月6日、オランダの非営利団体Stichting Massaschade & Consument(大規模損害・消費者財団)の代表ルシア・メルヒャーツ(Lucia Melcherts)が、独占声明で次のように述べた。 物理ディスクの廃止は、PlayStationのゲームが競争的な価格で売買できる最後の場所を消し去る。ディスクがなければ中古市場も消え、PlayStation Storeに代わる選択肢もなくなる。2028年以降、ゲームの価格も、遊べる期間も、ソニーだけが決めることになる。これこそがFair PlayStation訴訟の核心だ。購入者に所有権も代替手段もない状態で、価格が公正であるはずがない(メルヒャーツ代表のWccftechへの独占声明) この声明は、ソニーのディスク廃止決定と、現在3か国で進行中のPlayStation
AI
子どもの写真をSNSに投稿する行為が、AI画像生成の素材として狙われている。英国の国家犯罪対策庁(NCA)とインターネット監視財団(IWF)が、保護者向けのガイダンスを公開した。 学校サイトの写真が性的虐待画像に変わるまで 発端は英国の中等学校で起きた。犯罪集団が学校のウェブサイトやSNSから生徒の写真を収集し、AIで100件以上の児童性的虐待画像を生成した。学校に画像を送りつけ、公開すると脅して金銭を要求した。 IWFはこの画像のうち約150件を英国法上のCSAM(児童性的虐待素材)と判定し、デジタルフィンガープリントを作成してテクノロジー企業と共有した。拡散を防ぐための措置だった。 この事件は孤立した事例ではない。英国オンライン被害早期警戒作業グループ(EWWG)は、同様の手口で学校が標的になるのは「時間の問題」と警告している。 こうした脅威の拡大を受けて、NCAとIWFは2026年7月3日、保護者・養育者向けのガイダンスを公開した。 8029件の画像と動画。260倍に跳ね上がった動画 IWFの2025年実績報告によれば、同年に確認されたAI生成の児童性的虐待画像
SNS規制
16歳未満のSNS利用を法で禁じる動きが世界各国で加速するなか、米国の成人も過半数がその禁止を支持していることが大規模調査で明らかになった。 調査が映す、6割の「もう待てない」 ピュー・リサーチ・センター(Pew Research Center)が2026年7月1日、新たな調査を公開した。2026年5月26日から6月1日にかけて米国の成人9750人を対象に実施されたもので、16歳未満のSNS利用禁止を支持すると答えた成人は56%に達した。反対は21%。残りの23%は態度を決めかねている。 この56%は、特定の層に偏っていない。 30〜49歳の支持率が63%で、全年齢層の中で最も高い。自分自身がSNSで育ちながら、いま子どもにスマートフォンを渡す立場にいる世代だ。18〜29歳でも52%が支持に回り、65歳以上の49%を上回った。 18歳未満の子どもを持つ親に絞ると支持率は65%に跳ね上がる。子どものいない成人は52%。子どもの顔を毎日見ている親のほうが、禁止への切迫感が高い。 党派の壁も低い。共和党支持層の59%、民主党支持層の54%がいずれも支持を表明した。子どものSNS
テクノロジー
キア・スターマー(Keir Starmer)首相が6月22日、辞任を表明した。2024年7月の地滑り的勝利からわずか2年足らず。英国は10年で7人目の首相を迎えることになる。スターマー氏がテック政策に残した遺産を検証する。 「AI超大国」を掲げた2年間 スターマー政権のテック政策は、一言でまとめるなら「壮大な計画書と、未完の法律」だ。 2025年1月、首相はマット・クリフォード(Matt Clifford)氏に委託した「AI機会行動計画」を発表し、50の提言すべてを受け入れると宣言した。国内のAI計算資源を2030年までに20倍にする。750万人にAIスキル研修を受けさせる。英国をG7最速のAI導入国にする。数字は大きく、意思は明確だった。 辞任のわずか2週間前、London Tech Week 2026の壇上でも勢いは衰えていなかった。AIチップ購入に4億ポンド(約850億円)を含む11億ポンド規模のAIハードウェア計画を発表。AMDが最大20億ポンド、ネビウス(Nebius)が17億ポンドの英国投資を表明し、英国初のソブリンAIフロンティアモデル「Lumen Sovere
SNS
イングランド・ウェールズ法務長官のリチャード・ハーマー(Richard Hermer)氏が、法務長官府にXへの投稿を停止するよう指示した。現職の英国閣僚が省庁単位でXを離れるのはこれが初めてとなる。 「法の番人」が降りた 法務長官府のXアカウントは現地時間6月12日の投稿を最後に止まっている。それまでは政府の取り組みに関する情報を日に複数回発信していた。その発信が、突然途絶えた。 ハーマー氏は先週、職員に対しXへの投稿をやめるよう伝えたという。偽情報への対処に限って利用を認め、それ以外の投稿を停止する方針だ。 決定の直接の引き金は、6月に英国で相次いだ暴動にある。 サウサンプトンでは6月2日、ヘンリー・ノワク(Henry Nowak)氏の刺殺事件(2025年12月)をめぐる抗議が暴力に転じた。11人の警察官と1頭の警察犬が負傷し、13人が実刑判決を受けている。ベルファストでは6月8日のナイフ事件を機に大規模な反移民暴動が発生し、覆面の集団が移民の住居と信じた家屋に次々と火を放った。24人を超える住民が家を追われている。 いずれの暴動でも、事実と異なる情報がX上で広がった。
IT
英国公務員年金制度(CSPS)の運営を担うCapitaが、政府が課した6月30日の期限に間に合わない見通しだ。170万人の加入者を抱えるこの年金制度では、2025年12月の運営移管以来、支給遅延や個人情報漏洩が相次いでいる。公共商業サービス労組(PCS)は政府に対し、Capitaとの契約打ち切りと運営の内製化を要求した。 期限の意味が消えるとき 6月30日という日付には、重みがあるはずだった。 内閣府担当大臣のニック・トマス=サイモンズ(Nick Thomas-Symonds)氏が4月22日、下院で明言した。「6月末までに契約上のサービス水準を回復させる」。Capita側も、6月5日に会計委員会へ送った書簡で「6月末までの復旧計画に沿った軌道にある」と約束していた。 その期限まで2週間を切った6月16日、内閣府はPCSに対し、Capitaが期限を守れないと伝えた。PCSによれば、契約上のサービス水準を満たせないだけでなく、政府が送り込んだ約150人の復旧チームも6月以降の継続が必要になるという。 この期限自体、すでに妥協の産物だった。Capitaは当初、最も緊急性の高いケー
テクノロジー
英国議会の委員会が、国民保健サービス(NHS)のデータ基盤を担うパランティアとの契約を「容認できない弱点」と断じた。政府は契約の全面見直しに着手した。2027年2月の解約条項を行使するかどうかが焦点だ。だが問題の根は、パランティア1社にあるのではない。代わりを選べる状態を、英国が15年かけて作れなかったことにある。
テクノロジー
キア・スターマー(Keir Starmer)首相が現地時間6月15日、ダウニング街で記者会見を開き、16歳未満の子どもに対するSNSプラットフォームの利用を全面的に禁止すると発表した。年内に議会で規制を通し、2027年春の施行を目指す。対象はSnapchat、TikTok、YouTube、Instagram、Facebook、Xなど主要プラットフォーム。WhatsAppやSignalといったメッセージサービスは含まない。 2025年12月に世界で初めて同様の禁止法を施行したオーストラリアを超える範囲の規制を、英国は打ち出した。ゲームでの見知らぬ人物との通信やライブストリーミングの遮断、AIチャットボットの「恋愛コンパニオン」機能への18歳未満の利用制限など、SNSの外にまで網を広げる。 子どもの安全をめぐる政策として、これは間違いなく大きな一歩だ。だが、禁止の先にある問題は、まだ誰も答えを出していない。 「子どもに子ども時代を返す」という宣言 スターマー首相は会見で繰り返した。SNSは子どもを不幸にしている、いじめを助長している、精神的健康を損なっている、と。保護者の9割が1