Xbox Game Pass値下げ。半年前の値上げを撤回
マイクロソフトがXbox Game Pass Ultimateを月額2,750円から1,550円へ、PC Game Passを1,550円から1,300円へ引き下げる。
マイクロソフトがXbox Game Pass Ultimateを月額2,750円から1,550円へ、PC Game Passを1,550円から1,300円へ引き下げる。昨年10月に強行した50%値上げのほぼ全面撤回だが、最大の目玉だった『コール オブ デューティ』新作のDay1提供は代わりに失われる。
半年前の値上げを、半年で取り消した
マイクロソフトは2026年4月21日(米国時間)、Xbox Game PassとPC Game Passの価格引き下げを発表した。日本では翌22日から、既存加入者の次回更新時より新価格が適用される。
目を引くのは、この値下げが自社判断の撤回である点だ。Ultimateは米国で月額29.99ドルから22.99ドルへ約23%下がり、日本では2,750円から1,550円へ1,200円の下落となる。PC Game Passは16.49ドルから13.99ドル、日本円では1,550円から1,300円だ。
昨年10月、マイクロソフトは同じUltimateを月額19.99ドルから29.99ドルへ一気に50%引き上げた。日本円では1,450円から2,750円とほぼ倍額だ。わずか7ヶ月で、ほぼ元の水準に戻ってきた計算になる。
完全な原状回復ではない。値上げ前の1,450円と比べると、今回の1,550円はまだ100円高い。半年かけて100円だけ回収できた、と見ることもできる。
日本の新価格は、Game Pass Ultimateが月額2,750円から1,550円へ、PC Game Passが1,550円から1,300円へ。新規加入者は即日、既存加入者は4月22日以降の次回請求日から適用される。
「多くのプレイヤーにとって高すぎた」
価格変更の弁として、2026年2月に就任したばかりのMicrosoft Gaming新CEO、アシャ・シャルマ(Asha Sharma)はX上で率直にこう書いた。
Game Pass Ultimateは、あまりに多くのプレイヤーにとって高価になりすぎていた。
Game Pass Ultimateが高すぎると、運営元のトップが公式に認めた瞬間である。
昨年10月の値上げ直後、マイクロソフトの解約ページは処理が追いつかず、ウェブサイトが不安定になる事態が報じられていた。解約の殺到は想定外の規模だったと見るしかない。業界全体がサブスク値上げに傾くなか、今回の逆行はこの反動の大きさを物語る。
シャルマは前任者フィル・スペンサー(Phil Spencer)の後継として、AI部門のCoreAIプレジデントから抜擢された異色の人事だった。ゲーマー出身ではない彼女にとって、就任からわずか2ヶ月で下した初の大きな商業決定が、前体制の看板施策の巻き戻しになる。
代償は『コール オブ デューティ』新作のDay1
値下げには対価がある。今年以降に発売される『コール オブ デューティ』新作は、Game Pass UltimateおよびPC Game PassのDay1対応から外れる。加入者は新作を発売直後にプレイできなくなり、翌年のホリデーシーズンまで待つ必要がある。約1年後という設計だ。
既存の『コール オブ デューティ』シリーズ作品については、これまで通り引き続きプレイ可能だ。新作だけが1年の冷却期間を置かれる格好である。
『コール オブ デューティ』は年間数千万本を売り上げるマイクロソフト傘下アクティビジョン(Activision)の最大フランチャイズで、標準価格は米国で69.99ドルにも達する。Day1でサブスクに入れてしまえば、数億ドル、あるいは数十億ドル規模の単体販売機会を逃していた計算だった。昨年の値上げの隠れた正体は『コール オブ デューティ』収録によるコスト増だったと広く見られており、最大の負担要因を切り離すことで値下げの原資に充てた形になる。
Windows Centralが4月に実施したX上の意向調査では、回答者の約75%が「『コール オブ デューティ』を外してでも値下げを望む」と答えたという。マイクロソフトはこの感情の傾きを拾ったことになるが、逆に言えば年間75本以上のDay1タイトルという売り文句から、最大の看板が1本消えた。
据え置かれたもの、残されたもの
PremiumとEssentialの価格は変更されない。またUbisoft+ Classicsと『フォートナイト』のフォートナイトクルーはUltimateに含まれたまま維持される。エピック(Epic Games)とユービーアイソフト(Ubisoft)との長期契約の都合だと見られている。
| プラン | 改定前 | 改定後 | 差額 | 変化率 |
|---|---|---|---|---|
| Ultimate | 2,750円 | 1,550円 | −1,200円 | −44% |
| PC Game Pass | 1,550円 | 1,300円 | −250円 | −16% |
| Premium | 1,300円 | 1,300円 | — | 据え置き |
| Essential | 850円 | 850円 | — | 据え置き |
つまり今回の価格の下げ幅は、『コール オブ デューティ』Day1を外したぶんがそのまま価格に反映された、と読み取れる構造だ。
撤回の早さが示しているもの
プレイヤーは国も嗜好も好みもさまざまで、全員にとって最良の単一プランは存在しない。今回の変更は、これまで寄せられた多くの声への応答だ。
マイクロソフトは公式ブログでこう述べた。聞こえはいいが、半年で戦略が反転したという事実は残る。価格設計は長期のシミュレーションを前提とするもののはずで、それが7ヶ月で覆ったということは、元の見立てが相当に甘かった証左になる。
Xboxブランドは、コンソール売上が前年比32%下落、本体価格は2025年だけで2度の値上げを重ね、幕引きすら噂されていた。そこへ着任したシャルマは、前任者が積み上げた価格体系を早々に壊して見せるところから始めた。
値下げは歓迎される。同時に、加入者は「この価格もまた変わる」という学習を得てしまった。コメント欄には早速、「どうせまた値上げする」という醒めた声が並んでいる。
そうした疑心暗鬼は、昨年10月の値上げが生んだ副産物だ。価格は取り戻せても、信頼は簡単には戻らない。
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