Google、レンズ画像や音声をAI訓練に使用。対処法は1つ
6月から届き始めた「検索サービスの新しいプライバシー設定」というGoogleからのメール。放置した人は、撮った写真と声がAIの訓練データになっている可能性がある。
設定を変えた人だけが、もう一つの設定に気づく
Googleが検索サービスのプライバシー設定を刷新してから1か月以上が経った。従来の「ウェブとアプリのアクティビティ」が分割され、検索専用の「検索サービス履歴」と「パーソナライズされたおすすめ表示」が独立した。
問題は、この分割に伴って新設された「メディアを保存」というサブ設定だ。検索サービス履歴の内側にあるこの項目がオンになっていると、Googleレンズで撮影した画像、検索Liveや音声検索の録音、Google翻訳の発話練習の音声がGoogleアカウントの履歴に保存される。
「ウェブとアプリのアクティビティ」がオンだったユーザーは、移行時に「検索サービス履歴」も「メディアを保存」も自動でオンになっている。
Googleのヘルプドキュメントには、保存された履歴が「生成AIモデルの訓練を含むサービスの提供・開発・改善」に使われ、人間のレビュアーも関与すると記されている。ウェブから収集したテキストデータではなく、ユーザーが検索サービスを通じて自ら入力した画像と音声が、AIの訓練に使われる。
もう一つ、見落としやすい変更がある。従来は「ウェブとアプリのアクティビティ」をオフにすれば、検索を含むGoogle全体の履歴記録を一括で止められた。分割後は、「ウェブとアプリのアクティビティ」をオフにしても検索サービスの設定には影響しない。プライバシー設定を見直したつもりでも、検索サービスだけ従来どおりデータを蓄積し続けている状態が生まれうる。
ウェブの外からデータを集める
この動きはGoogleに限らない。
Metaは2025年6月から、Facebookアプリでユーザーのカメラロールへのアクセスを求めるポップアップを表示している。「クラウド処理」として端末内の未投稿の写真にアクセスし、コラージュやハイライトをAIが自動生成する機能だ。AIモデルの訓練には使っていないとMeta広報は説明しているが、利用規約上は将来的な訓練利用を排除していない。
Ray-Ban Metaスマートグラスで撮影された映像がAIの訓練目的でアノテーション処理されていた問題も、今年3月に報じられたばかりだ。
GoogleもMetaも、従来はウェブ上の公開情報をスクレイピングしてAIを訓練してきた。それが、ユーザーが能動的にアップロードまたは作成したメディアへと訓練データの収集先を広げている。テキスト検索の履歴とは性質が異なる。Googleレンズに映した子供の顔写真や、音声検索で録音された自宅での会話は、検索クエリの文字列より桁違いに個人的な情報を含む。
電子プライバシー情報センター(EPIC)の上級顧問キャリ・シュレーダー(Calli Schroeder)氏は、Googleの新設定について警告している。
子供の写真や、メーカーを調べるために撮った水着姿の写真をGoogleに預けることの意味を、よく考えてほしい(シュレーダー氏のHuffPostへのコメント)
| Meta | ||
|---|---|---|
| 対象メディア | レンズ画像 音声・翻訳の録音 | カメラロール写真 スマートグラス映像 |
| AI訓練利用 | 明記 | 現時点で否定 規約上は排除せず |
| デフォルト | オン(自動移行) | オプトイン |
| 対処 | 設定オフ+手動削除 | クラウド処理をオフ |
これに対しGoogle広報は、検索サービス履歴は生体認証目的の収集でも、検索結果に表示する価格を操作するためのものでもないと回答している。
確認すべきは1か所
対処は難しくない。myactivity.google.com/search-services/settingsにアクセスし、「検索サービス履歴」の中にある「メディアを保存」のチェックボックスを外す。不要であれば「検索サービス履歴」自体をオフにしてもよい。自動削除の期間は3か月、18か月、36か月から選べる。
注意点が一つ。「メディアを保存」をオフにしても、すでに保存されたメディアは自動では消えない。Googleは、アカウントから手動で削除しない限り保存済みメディアを引き続きサービス改善に使用する場合があるとヘルプで明記している。設定を切り替えるだけでは完了しない。

