弁護士「文字が全部斜めだ」。イタリック体を知らなかった
ウォール街の法律事務所から緊急のサポートコール。問題は、Outlookの文字が斜めになっていることだった。
ウォール街の法律事務所から緊急のサポートコール。問題は、Outlookの文字が斜めになっていることだった。
時給4桁ドルの緊急コール
ウォール街に、時給4桁ドルを請求する法律事務所がある。
そこでシステム管理者として働いていた投稿者(仮名ダーウィン)のもとに、ある日、弁護士の秘書から電話が入った。弁護士がOutlookで困っているという。
PC更新の作業中だったダーウィンは「10分後に行く」と伝えた。
秘書はすぐに折り返してきた。弁護士が今すぐ来いと言っている。
駆けつけたダーウィンが見た「問題」は、イタリック体だった。
弁護士は画面を指さし、文字が全部斜めになっていると告げた。ダーウィンは答えた。それはイタリック体だ。
弁護士は怒った。なぜこんなことが起きたのか説明しろ、と詰め寄ってきた。
この弁護士はアイビーリーグの大学を卒業し、法学と経営学の2つの学位を持っていた。
ダーウィンはツールバーのイタリック体のアイコンを見せ、オフィスを後にした。廊下に出ると、秘書が笑いをこらえて身をかがめていたという。
秘書はたぶん知っていた
このエピソードは、ITサポートの読者投稿を毎週紹介しているThe Registerの「On Call」に掲載された。笑い話として完結しているが、1つ気になる点がある。
秘書は廊下で笑いをこらえていた。答えを知っていた可能性が高い。
イタリック体のアイコンがどこにあるか、秘書が知らないとは考えにくい。Outlookを日常的に使っているのは弁護士より秘書のほうだ。
それでも秘書は自分で教えなかった。弁護士に「それはイタリック体です」と言える立場ではなかったのだろう。代わりにシステム管理者を呼んだ。2回電話して、急がせて。
結果として、PC更新の作業は中断された。弁護士はイタリック体の説明を受けるまで仕事ができていなかった。
秘書は電話を2回かけ、ダーウィンは移動した。時給4桁ドルの組織が、イタリック体のアイコン1つに複数人の時間を費やしたことになる。
問題はイタリック体を知らなかったことではない。知らないことは誰にでもある。
問題は、知らないことを「緊急」にした判断と、答えを知っている人が答えを言えなかった構造のほうにある。ITサポートの現場にいた人なら、この構造に覚えがあるだろう。
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