新Steam Controller、開封動画が秘かにアップ
Valveが自社ストアに新型Steam Controllerの開封動画を静かにアップしていたことが発覚した。再生はまだ不可。ファイル名は「steam_controller_unboxing_2026」。発見したリーカーは「発売はもうすぐだ」と書いた。
Valveが自社ストアに新型Steam Controllerの開封動画を静かにアップしていたことが発覚した。再生はまだ不可。ファイル名は「steam_controller_unboxing_2026」。発見したリーカーは「発売はもうすぐだ」と書いた。
深夜に現れた、奇妙なファイル
事の発端は日本時間4月21日の朝。VR・Valve関連の情報を追うブラッド・リンチ(Brad Lynch、@SadlyItsBradley)が、SteamDB上に見慣れない動画エントリを見つけたことをXに投稿した。
Valve has “secretly” uploaded a Steam Controller unboxing video (unwatchable right now)
— Brad Lynch (@SadlyItsBradley) April 20, 2026
I think we will see its launch very soon.. pic.twitter.com/SCjl7p3Rqv
タイトルは「steam_controller_unboxing_2026」。アップロード日は4月20日。SteamのApp ID(4653940)が新規に割り当てられており、Valve自身が登録した公式動画で間違いない。
しかし現時点ではストリーミング処理が完了しておらず、再生しようとしても「この動画はストリーミング用に処理されていません」と表示される。つまり登録だけが先に済んでいる状態で、公開ボタンが押される瞬間を待っている。
リンチはこの発見について、短く一言添えた。
I think we will see its launch very soon..(発売はもうすぐだろう)
派手な断定ではないが、彼はこれまで何度も当ててきた観測者だ。静かな一言のほうが重く響く。
準備は整いつつある
今回の動画アップは単発の出来事ではなく、ここ数週間の動きの延長線上にある。
4月初旬、リンチはValveがアメリカに「Wireless PC Controller」の大量輸入を記録していたことを出荷書類から確認して報告している。Cheng Uei Precision Ind. Co Ltd から香港経由で4月4日に到着したその貨物は、40梱包・総重量12,970kg。個数は明示されていないが、試作レベルの数量ではない。倉庫への積み上げが始まっているということだ。
それより前には、Valveの公式サイト内のコードに、コントローラーを無線ドングル(「puck」と呼ばれる受信機)とペアリングするセットアップ手順への参照が見つかっていた。製品の箱を開けてから動き出すまでの一連の流れが、すでにソフトウェア側でも準備されている。
そしてここに、販促素材の最終工程が重なる。物流・ファームウェア・販促、三つのピースが同じタイミングで揃いつつある。
Steam Controller、Steam Machine、Steam FrameはValveが昨年11月に発表した新ハードウェア3種。Steam Controllerは磁気式TMRサムスティック、2基のトラックパッド、低遅延の独自無線接続、35時間以上のバッテリー駆動が特徴で、日本ではKOMODO経由で販売される予定だ。
3兄弟のうち、末弟が先に出るのか
Valveは当初、3製品を揃えて出荷したいと語っていた。しかし現実はそう甘くない。メモリとストレージ価格の世界的な高騰、いわゆる「RAMpocalypse」の影響を受けて、Steam Machineの発売時期は「2026年初頭」から「2026年上半期」へと後ろ倒しされた経緯がある。Valve自身は3月に「3製品すべてを2026年中に出荷する」と再度コミットしている。
RAMpocalypseとは、AI向けデータセンター需要の爆発でDRAMとNAND価格が2025年後半から急騰した現象を指す俗称。PC向けメモリ・SSDの市場価格もこの余波で高止まりが続いている。
ここで面白いのは、Steam Controllerだけは高価なDRAMやNANDにほぼ依存しない製品だという点だ。他の2機種が部品市況の人質になっている間に、コントローラーだけ先行出荷する選択肢は十分あり得る。
実際、コントローラー単体でも需要はある。既存のSteam DeckユーザーはTVに繋いだ大画面プレイ用にこれを欲しがるだろうし、将来のSteam Machine購入を見越して先に揃えておきたい層もいる。Valve側にも、発売を切り離すことで「ハードウェア事業の歯車は回っている」というメッセージを市場に出せるメリットがある。
一方、Xのリプライ欄ではまさにその点が不安視されている。「コントローラーだけ先に出して、フレームとマシンはさらに遅れるんじゃないか」という声だ。Valveが3つ同時の約束を捨てるとき、「早く届く」という喜びと「残りの2つが霞む」という失望が同居する。
静かなアップロードが語るもの
もうひとつ見落とせないのが、Valveが事前告知なしで動画を上げたことだ。ファイル名に「2026」と年号まで入れて、ストアの裏側に置いた。隠していたわけではなく、処理が終われば自然と公開される運用フローに乗せた。つまり、公開のスイッチはいつでも押せる位置にある。
こういう行動は、発表イベントを盛大に打つ企業の流儀ではない。Valveらしい、告知より実物を先に出すやり方そのものだ。気づいた人だけが先に気づき、その観測が空気を作る。
動画が視聴可能になった瞬間、それが事実上の発売宣言になる。今日か、数日後か。待ち続けた者たちにとっての「もうすぐ」は、かつてないほど手触りのあるものに変わりつつある。
参照元
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