米中関係

ホワイトハウス、MoonshotのFable蒸留を名指し告発

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ホワイトハウス、MoonshotのFable蒸留を名指し告発

Anthropicの最上位モデルを中国企業が秘密裏に蒸留した。ホワイトハウスがそう断じ、財務長官は制裁を口にした。 「蒸留した情報がある」 ホワイトハウス科学技術政策局(OSTP)のマイケル・クラツィオス(Michael Kratsios)局長は現地時間7月22日、中国のMoonshot AIがAnthropicのFable 5を蒸留してKimi K3を開発したと投稿した。 We have information that Moonshot AI distilled Anthropic’s Fable for the development of its K3 model. To do this they developed a sophisticated internal platform to conduct large scale distillation against U.S. models,

トランプ政権、中国AIモデル規制に再び動く

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トランプ政権、中国AIモデル規制に再び動く

Kimi K3の衝撃が収まらないうちに、ワシントンが動き始めた。中国製オープンウェイトAIモデルを米国市場から締め出す構想が、政権内部で再び勢いを増している。 禁止ではなく、圧力で締め出す Axiosが7月20日に報じた内容は、単純な「禁止令」の話ではない。 政権に近い複数の関係者がAxiosに明かしたところによると、商務省は昨年、中国の複数のAIラボをエンティティリスト(取引制限リスト)に追加することを検討した。国家安全保障局(NSA)とホワイトハウスの国家サイバー長官室も、中国AIモデルのセキュリティリスクを警告する勧告の発出を検討していたという。 さらにホワイトハウスは、中国製モデルをホスティングする米国企業にセキュリティ上の責任を負わせる大統領令の案も回していた。 いずれも実行には至っていない。規制によるイノベーション阻害を嫌うホワイトハウス高官が、これらの動きを潰した。AI政策の上級顧問だったスリラム・クリシュナン(Sriram Krishnan)氏もその一人だ。 クリシュナン氏は6月末に退任した。Axiosの報道は、その退任後に国家安全保障強硬派の声が大きくな

習近平がWAICに初登壇、AI国際機構を29カ国で発足

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習近平がWAICに初登壇、AI国際機構を29カ国で発足

上海で開幕した世界人工知能大会で、中国はAIガバナンスの国際秩序づくりに名乗りを上げた。米国が3週間前にPax Silicaで35カ国をまとめたばかりのタイミングで、中国は29カ国の署名を集めた。 8年目にして初めての登壇 習近平(シー・ジンピン)国家主席が7月17日、上海で開催された2026世界人工知能大会(WAIC)の開会式で基調講演を行った。2018年の第1回から数えて8年、WAICの歴史で中国の最高指導者が開会式に立つのはこれが初めてだ。過去は祝電を送るか、李強首相が代理出席していた。 演説のタイトルは「Joining Hands to Build a Just and Equitable System For Global AI Governance」(公正で公平なグローバルAIガバナンス体制の共同構築)。AIを蒸気機関や電力の発明と並べ、人類史の転換点に位置づけた。 四つの柱を掲げた。オープンソースの推進と技術共有、安全性の確保と人間による管理、文明間の相互尊重、そして途上国を含むグローバルガバナンスの構築。中でも力を込めたのは、AI分野で「新たな歴史的不正義」を

蒸留攻撃で年間60億ドル損失か、米AI大手が政府全体に警告

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蒸留攻撃で年間60億ドル損失か、米AI大手が政府全体に警告

中国AI企業による蒸留攻撃の経済的被害が初めて具体的な数字として報じられた。AnthropicとOpenAIは、トランプ政権と議会に対策を繰り返し求めている。 9か月分のリードが消えている 蒸留攻撃で米国のAIラボが被る損害は年間最大60億ドル(約9700億円)に達する。ブルームバーグが7月13日に米国当局の推定として報じた。シリコンバレーはトランプ政権に対し「存亡の危機になりかねない」と警告しているという。 ニューヨーク・ポストも同日、Anthropicに近い情報筋の発言を伝えた。現在、中国のフロンティアモデルは米国の約6〜9か月遅れとされるが、蒸留がなければその差は18か月以上に広がるとの見方だ。蒸留が9か月以上の差を埋めている。 蒸留(distillation)とは、高性能なAIモデルに大量の質問を投げ、その応答を使って別のモデルを訓練する手法だ。自社モデルの小型化など正当な用途で広く使われるが、競合の許可なくこれを行えば、数十億ドルをかけた研究開発の成果を安価に複製できる。 中国のAIモデルは数字の上でも米国に迫っている。利用者数の上位10モデルのうち6つが中国企業

アリババ、Claude Codeを社内禁止。7月10日から

AI

アリババ、Claude Codeを社内禁止。7月10日から

Anthropicのコーディングツール「Claude Code」が中国のユーザー環境を密かに検査していたことが発覚し、アリババは7月10日から全社での使用を禁止する。自社ツールへの移行が従業員に通達された。 禁止の内容 アリババは業務用端末でのClaude Codeの使用を7月10日から禁止し、社内の制限ソフトウェアリストに追加した。ロイターによると、同社はClaude Codeを「ハイリスクソフトウェア」に分類し、従業員には自社のコーディングツール「Qoder」への移行を指示している。 中国メディアの報道では、禁止対象はClaude Codeにとどまらず、Sonnet、Opus、Fableを含むAnthropicの全モデルに及ぶとされている。全社的な排除だ。 Qoderは2025年8月にアリババが公開したAIコーディングプラットフォームで、2026年5月にはバージョン1.0がリリースされ、ユーザー数は全世界で500万を超えている。Claude Codeの代替としての基盤は既にある。 アリババはコメントを出していない。この措置は中国の経済メディア「第一財経」が先行して報じた

Appleが中国CXMTからのメモリ調達を政府に直訴。値上げの翌日に

Apple

Appleが中国CXMTからのメモリ調達を政府に直訴。値上げの翌日に

Mac・iPadの大幅値上げから一夜明けた6月26日、Appleがトランプ政権に対し、中国DRAMメーカーCXMT(長鑫存儲)からのメモリチップ購入許可を求めてロビー活動を展開していることが明らかになった。2月に浮上した中国メモリ調達の構想は、いまや米政府への正式な働きかけに変わっている。 値上げとロビー活動の時系列 Appleの動きには明確な段階がある。 6月17日、ティム・クック(Tim Cook)CEOがウォール・ストリート・ジャーナルのインタビューで、メモリ価格の高騰を受けた値上げは不可避だと認めた。安全保障上の規制で米企業が中国メモリメーカーと取引しにくい現状を問われると、「あらゆる供給先を検討すべきだ」と踏み込んでいる。 6月25日、Appleは実際にMac・iPad・Apple Vision Proなどの価格を一斉に引き上げた。日本国内ではMacBook Air(M5、13インチ)が18万4800円から22万4800円へ4万円増、MacBook Pro 14インチは24万8800円から33万9800円へ9万1000円増と、値上げ幅が最も大きい構成では10万円近い

AlibabaによるClaude蒸留2880万回との分析 IPO前のAI開発を検証

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AlibabaによるClaude蒸留2880万回との分析 IPO前のAI開発を検証

2月に中国AI新興3社の蒸留攻撃を告発したAnthropicが、今度は中国テック最大手を名指しした。標的の格が、変わった。 アリババのQwenラボが動いた 6月10日付の書簡が、6月24日に報じられた。宛先は米上院銀行委員会のティム・スコット(Tim Scott)委員長とエリザベス・ウォーレン(Elizabeth Warren)筆頭理事。Anthropicはこの書簡で、アリババとそのAI研究部門Qwen(通義千問)によるClaudeへの大規模な蒸留攻撃を告発した。 数字だけで異常さが伝わる。2026年4月22日から6月5日までの約6週間で、約2万5000の不正アカウントを通じて2880万回以上のやり取りが発生した。狙われたのはClaudeのソフトウェアエンジニアリングとエージェント推論、つまりMythos Previewの商業的に最も価値のある能力だ。 2月の3社を単独で超えた Anthropicは2月、DeepSeek、MiniMax、Moonshot AIの3社がClaudeに対して産業規模の蒸留攻撃を行っていたと公表した。3社合計で約2万4000アカウント、1600

アリババ、「軍事企業」認定の撤回を求め米連邦裁判所に提訴

テクノロジー

アリババ、「軍事企業」認定の撤回を求め米連邦裁判所に提訴

6月8日に米国防総省の1260Hリストに掲載されたアリババが、わずか15日で法廷に立った。カリフォルニア州サンノゼの連邦地方裁判所に提訴し、掲載の撤回を求めている。 提訴の経緯 現地時間6月23日、アリババ・グループ・ホールディング(Alibaba Group Holding Limited)がカリフォルニア州北部地区連邦地方裁判所に訴状を提出した。1260Hリストからの削除を求め、国防総省を相手取っている。 訴状でアリババは2つの憲法上の権利侵害を主張している。合衆国憲法修正第5条に基づく適正手続き(デュープロセス)の違反と、修正第1条に基づく言論の自由の侵害だ。国防総省は十分な証拠も説明もなしにリスト掲載を決定した、とアリババは訴えている。 アリババは訴状で言い切っている。「この認定は事実にも法にも根拠がない。アリババの取締役は独立した人物で構成されており、軍との関係を持つ者はいない。当社の製品とサービスは小売、物流、企業向けITのために作られたものであり、兵器でも国防でも情報機関でもない」。 もう一つ、訴状には注目すべき主張がある。アリババは2月の段階から国防総省と数

DeepSeekのブラックリスト入り、承認済みなのに棚上げ

AI

DeepSeekのブラックリスト入り、承認済みなのに棚上げ

2025年、米国の省庁間委員会はDeepSeekをエンティティリストに追加すると決めた。中国軍・情報機関への支援、東南アジアのペーパーカンパニーを通じた先端チップの不正調達。根拠は揃っていた。だが2026年6月現在、その決定は実行されていない。商務省はリストの更新を2025年10月から一度も公表していない。10年以上で最長の空白期間だ。 安全保障の判断は終わっている 事実関係が明らかになったのは今回が初めてだ。 昨年、商務・国防・エネルギー・国務・財務の各省からなる省庁間委員会が、DeepSeekとメモリ大手CXMT(長鑫存儲技術)を含む100社超の中国企業について、エンティティリスト追加を承認した。だが商務省は公表していない。先端半導体製造、半導体製造装置、AIモデリングの分野だけで少なくとも75社が含まれる。 国務省の高官はロイターに対し、DeepSeekが中国の軍事・情報機関の活動を支援していると証言した。人民解放軍と関連防衛機関の調達記録に150回以上登場するという。さらに東南アジアのペーパーカンパニーを使い、規制対象の米国製先端チップを不正に調達しようとしていた。今

アリババ・バイドゥ・BYD・ユニツリーを「中国軍支援企業」に認定、米戦争省が188社リスト確定

安全保障

アリババ・バイドゥ・BYD・ユニツリーを「中国軍支援企業」に認定、米戦争省が188社リスト確定

中国を代表するAI企業、EV大手、ロボット企業が「中国軍を支援している」と米政府に正式認定された。2月に公開・即撤回されていたリストの更新が、約4か月の空白を経て6月8日に確定した。 何が起きたか 米戦争省(Department of War)は6月8日、国防権限法(NDAA)の第1260H条に基づく「中国軍事企業リスト」の最新版を連邦官報に掲載した。今回の更新でアリババ(Alibaba)、バイドゥ(Baidu)、BYD、ユニツリー(Unitree)が新たに加わり、リストは計188社となった。 同省の公式発表はリストへの掲載理由を個社ごとに説明していないが、法律上は「中国人民解放軍・国防産業基盤・国防研究機関を所有・統制・提携・補助している」企業が対象と定義されている。いわゆる「軍民融合」戦略に関与していると見なされた企業が、この基準で選定されている。 掲載はただちに取引禁止や制裁を意味しない。ただし、2024年度の国防権限法により、2026年6月30日以降、掲載企業との連邦政府調達契約の締結・更新が禁止となる。間接取引の禁止はその1年後。このリストは商務省のエンティティリス

台湾の防衛が、米中の取引材料になった日

国際情勢

台湾の防衛が、米中の取引材料になった日

トランプ大統領が、台湾向けの140億ドル規模の武器売却を「中国との非常によい交渉材料」と呼んだ。台湾の安全保障そのものが、値段のつく取引対象として扱われ始めている。 武器売却が「保留中」のまま宙に浮いている 台湾向けの140億ドル(約2兆2000億円)規模の武器パッケージが、トランプ大統領の署名を待ったまま動いていない。アメリカ議会はこの売却を今年1月にすでに承認している。あとは大統領が正式に議会へ送れば手続きが進む。その最後の一押しが、止まったままだ。 15日に放送されたFOXニュースのインタビューで、トランプ大統領はこの売却を承認するかと問われ、「するかもしれないし、しないかもしれない」と述べた。承認するかどうかは「保留中であり、中国しだいだ。我々にとっては非常によい交渉材料だ」とも語っている。 ここで使われた「交渉材料」という言葉が、台湾にとって重い。武器パッケージにはPAC-3 MSE迎撃ミサイルとNASAMS防空ミサイルが含まれる。台湾が中国の攻撃を抑止するために必要だと訴えてきた装備だ。その装備の引き渡しが、台湾自身の頭越しに、米中の取引のテーブルに載せられた。

トランプ訪中団にフアン氏不在、AIだけ別卓

AI

トランプ訪中団にフアン氏不在、AIだけ別卓

イーロン・マスクもティム・クックも、ボーイングのトップも乗る。AI半導体の頂点に立つはずのジェンスン・フアンだけが、なぜか乗らない飛行機がある。 17人の同行者リストに、ただ一人の不在 トランプ米大統領が今週、約9年ぶりに中国を訪れる。北京に到着するのは5月13日夜、習近平国家主席との会談は14日と15日の2日連続だ。同行する米企業首脳は17人。テスラのイーロン・マスク(Elon Musk)、アップルのティム・クック(Tim Cook)、ボーイングのケリー・オルトバーグ(Kelly Ortberg)が並び、ゴールドマン・サックス、シティグループ、ブラックロック、ブラックストーン、メタ、クアルコム、マイクロン、マスターカード、ビザ、GEエアロスペース、カーギル、コヒレント、イルミナといった顔ぶれが続く。 そこに、NVIDIAのジェンスン・フアン(Jensen Huang)の名前はない。 トランプ訪中団の業種別構成と不在のAI半導体 業種 同行