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SpaceXがAIデバイスの試作機を投資家に披露。マスク氏は即座に否定

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SpaceXがAIデバイスの試作機を投資家に披露。マスク氏は即座に否定

ロケットとAIの企業が、iPhoneより薄い端末のプロトタイプを上場前の投資家向けプレゼンで見せていた。独自OSを搭載し、xAIの技術とクアルコムのSnapdragonチップを組み合わせた端末だという。報じたのはウォール・ストリート・ジャーナルで、事情に通じた複数の関係者の話として伝えた。イーロン・マスク(Elon Musk)氏は報道の直後、自身のSNSで「完全に虚偽だ」と全面否定した。 報じられた中身と、否定の温度 プロトタイプの詳細は限られている。iPhoneより薄く、携帯電話に近い形状で、SpaceXが今年2月に吸収したxAIの技術を統合する設計だという。OSは独自開発で、AndroidでもiOSでもない。プロセッサにクアルコムのSnapdragonが採用されているとも報じられており、この報道を受けてクアルコム株が一時上昇した。 開発はまだ初期段階で、設計が変わる可能性がある、あるいは製品化されない可能性もあると、SpaceX側は投資家に伝えたとされる。 マスク氏の否定は、これが初めてではない。2026年2月にもロイターがSpaceXの携帯端末開発を報じたとき、同氏は「

AIエージェント時代、成否を分けるのは職種でなく専門性

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AIエージェント時代、成否を分けるのは職種でなく専門性

ペンシルベニア大学ウォートンスクール准教授イーサン・モリック(Ethan Mollick)氏が、自身のニュースレターOne Useful Thingで「チャットボットの黄昏」と題した記事を公開した。AIの使い方がチャットボット型の対話から、エージェントへの業務委譲へと変わりつつある現状を、複数の定量データで跡づけた内容だ。モリック氏の着目点は明快で、この変化の中で成果を出すのは特定の職種ではなく、領域を深く知る人だという。 能力は指数関数で伸びている AIモデルが実際の作業をどれだけ代替できるか。これを測る手法が3つある。英国政府のAI安全研究所(AISI)とMETRは、AIが単一のプロンプトでプログラマ何時間分の作業をこなせるかを推定する。GDPvalは複数分野で専門家とAIの成果を比較する。モリック氏によれば、3つとも改善速度は指数関数を上回っている。 Epoch AIとMETRが6月26日に公開したベンチマーク「MirrorCode」の完全版結果が、この加速の具体像を見せる。Claude Opus 4.7がバイオインフォマティクスツール「gotree」(Goで約1万600

Fable 5とMythos 5の輸出規制が全面解除。18日ぶりにアクセス再開へ

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Fable 5とMythos 5の輸出規制が全面解除。18日ぶりにアクセス再開へ

6月12日に止められたClaude Fable 5が、18日後に返ってきた。何が変わったのか、政府もAnthropicも明かしていない。 商務省が3通目の書簡 6月30日(現地時間)、Anthropicは商務省からClaude Fable 5とClaude Mythos 5の輸出規制を解除する通知を受けたと発表した。アクセスは翌7月1日から順次復旧する。 We’ve received notice that the Department of Commerce has lifted export controls on Claude Fable 5 and Mythos 5. We'll begin restoring access tomorrow, and will share an update soon. We’re

Anthropicが課金モデル変更、AmazonはClaude依存を再考

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Anthropicが課金モデル変更、AmazonはClaude依存を再考

80億ドルを注ぎ込んだ出資者が、出資先から値上げを告げられた。Anthropicが両社の契約における課金体系を変更し、AmazonにとってClaudeの利用コストが上昇する可能性が出てきた。AmazonはOpenAIや自社開発のNovaへの切り替えを検討しているという。 コンピューティング時間からトークン課金へ Anthropicは今年に入り、Amazonとの契約の一部を再交渉した。従来のコンピューティング時間に基づく課金から、トークン単位の課金へ移行するという内容で、新しい課金体系は来年から適用される見通しだという。 Amazonは自社のAI製品群に広くClaudeを組み込んでおり、トークン課金への移行はコスト増に直結しうる。この変更が成立した背景には、エンタープライズ顧客の急拡大がある。Amazon Bedrockを通じてClaudeを利用する顧客は10万社を超え、年間経常収益は2025年末の約90億ドルから300億ドル超へと急伸した。Anthropicは最大の出資者に対しても値上げを通せる立場になった。 「リセラーに見えるリスク」 報道によれば、AWS幹部はAmaz

孫正義氏が宇宙データセンターを否定する理由。全員が自分の財布の話をしている

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孫正義氏が宇宙データセンターを否定する理由。全員が自分の財布の話をしている

AIデータセンターの運用コストに占める電力の割合は約7%。宇宙で電気代を浮かせても、残り93%のチップや保守費が消えるわけではない。ソフトバンクの孫正義氏が株主総会で示した数字は、SpaceXの宇宙データセンター構想への反論であると同時に、自社が地上に賭けた14兆円を守るための論理でもある。 株主総会で出た「7%」という数字 6月23日、ソフトバンクの定時株主総会で、株主からSpaceXの宇宙データセンター構想への対応を問われた孫正義氏は、参入を明確に否定した。 宇宙にデータセンターを置く最大の売り文句は、太陽光発電による電力コストの削減だ。だが孫氏の指摘はその前提を崩す。AIデータセンターの運用コスト全体で見れば、電力が占めるのは約7%。大半はGPUをはじめとする半導体チップとその関連費用だ。宇宙に持っていったところで、チップの値段は変わらない。むしろ打ち上げ費用、通信遅延、軌道上での保守という新たなコストが積み上がる。 「宇宙での成果は十数年かかる。AIの戦いはいま目の前の十数年で勝利者が決まる」。孫氏はマスク氏を「大変な改革者」と評価したうえで、時間軸の違いを強調した。

トランプ政権のAI規制、献金した業界が恐れる「場当たり」の正体

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トランプ政権のAI規制、献金した業界が恐れる「場当たり」の正体

シリコンバレーの億万長者たちは、バイデン政権のAI安全政策が米国のイノベーションを潰すと警告し、トランプ陣営に巨額を献金した。AIを自由に伸ばす、規制はしない。就任直後のトランプ大統領はその期待通りに動き、州レベルのAI規制を封じることに注力した。 2026年6月、その約束は跡形もない。 「バイデン式の規制が恋しい」 6月に入り、ホワイトハウスはAnthropicとOpenAIに対して立て続けに介入した。Anthropicの最上位モデルMythos 5とFable 5には輸出管理指令が出た。外国籍者へのアクセスを禁じる内容で、Anthropicは国籍の即時判別ができないため全ユーザーを遮断した。OpenAIにはGPT-5.6のリリースを政府が承認した約20社に限定するよう要請した。いずれもサイバーセキュリティ上の懸念が理由とされるが、具体的な基準は示されていない。 6月26日、ラトニック(Howard Lutnick)商務長官がAnthropicに書簡を送り、Mythos 5については100社超への再配布を許可した。ただしFable 5の制限解除には触れていない。同じ日にOp

Mythos 5が限定復活、Fable 5はまだ止まっている

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Mythos 5が限定復活、Fable 5はまだ止まっている

6月12日に全世界で遮断されたAnthropicの最上位AIモデルが、2週間ぶりに動き出した。ただし「全面復旧」ではない。米政府が認めたのはMythos 5だけ、対象は約100の米国組織だけ、一般向けのFable 5は書簡で触れられてすらいない。同じ日にOpenAIのGPT-5.6も政府承認済みの約20社にしか公開されなかった。誰が最も強いAIモデルを使えるか。それを決めるのは、もう開発企業ではない。この2週間で、その構造が既成事実になった。 書簡の中身 現地時間6月26日金曜日、ハワード・ラトニック(Howard Lutnick)商務長官からAnthropicのトム・ブラウン(Tom Brown)共同創業者に宛てた書簡が届いた。宛先がCEOのダリオ・アモデイ(Dario Amodei)氏ではなくブラウン氏になっている理由は後述する。 書簡の要旨はこうだ。6月12日の指令以降、Anthropicは米政府とともにリスク対応に取り組み、十分な成果が得られた。よって「信頼されたパートナー」に限り、Mythos 5へのアクセスを認める。ラトニック氏は承認リストをいつでも変更できるとし、

基準なき規制がフロンティアAIを止めている

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基準なき規制がフロンティアAIを止めている

Fableが止まった。GPT-5.6も制限された。だが何が安全かの基準は、まだ存在しない。 「許可」の条件を、誰も知らない フロンティアAIモデルの一般公開が、米国政府によって事実上の許可制に移行している。 AnthropicのFable 5が輸出管理指令で全ユーザーから遮断されたのは6月12日。それから2週間、復旧のめどは立っていない。6月26日にはOpenAIのGPT-5.6が、政府が個別に承認した約20社のパートナーだけに限定リリースされた。フロンティアモデルの公開を米国政府が事前に制限したのは、これが初めてになる。 フロンティアAI規制の経緯(2026年2月〜6月) 2月Anthropicをサプライチェーンリスクに指定国防総省が指定。連邦機関での利用を禁止 3月Anthropicがトランプ政権を提訴サプライチェーンリスク指定の違憲性を主張 6月2日AIサイバーセキュリティ大統領令に署名「任意の」事前テスト提供を規定。事実上の事前承認制 6月4日Great American AI Act ドラフト公表超党派の連邦AI規制法案。269ページ 6月9

OpenAI、GPT-5.6を限定公開。Mythos級のサイバー能力

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OpenAI、GPT-5.6を限定公開。Mythos級のサイバー能力

OpenAIは6月26日、次世代モデルGPT-5.6シリーズを限定プレビューとして公開した。昨日報じた米政府の事前介入を受けた段階的リリースだ。ただしOpenAIは発表と同時に、政府の承認プロセスそのものに異議を唱えている。 Mythos Previewと並ぶ、トークン3分の1 GPT-5.6シリーズは、フラグシップのSol、日常業務向けのTerra、高速・低価格のLunaという3つのモデルで構成される。命名体系も変わり、世代番号(5.6)とティア名(Sol・Terra・Luna)を分離した。各ティアは独立したペースで更新される。 最も注目すべき数字はサイバーセキュリティだ。ExploitBenchは攻撃能力をクラッシュからコード実行まで16項目のフラグで段階的に測る。SolはここでAnthropicのMythos Previewに匹敵するスコアを記録した。しかも出力トークン数は約3分の1で済んでいる。 ExploitGymはUCバークレーの研究者がOpenAIや他のフロンティアラボと共同で構築したベンチマークだ。ここでもSol・Terra・Lunaの全モデルが、推論時間を増

OpenAI、IPOを2027年に延期か。1兆ドルの壁

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OpenAI、IPOを2027年に延期か。1兆ドルの壁

6月8日に機密S-1を提出したばかりのOpenAIが、IPOの延期を検討している。2026年内の上場を目指していた計画は、わずか2週間で揺らいだ。 SpaceXが見せた「その後」 きっかけはSpaceXだった。 6月12日にNASDAQへ上場したSpaceXは、850億ドル以上を調達し、時価総額は一時2兆ドルを超えた。史上最大のIPO。だが株価は上場後わずか4日で天井をつけ、6月16日の225.64ドルから急落。6月26日時点では153ドル付近で推移している。上場時の公開価格135ドルに対してかろうじてプラスを保っているだけだ。 この急落が、OpenAIのアドバイザーを動かした。 関係者3名の証言として報じられた内容によれば、アドバイザーはこの1週間でアルトマン(Sam Altman)氏に対し、現在の市場環境では個人投資家の買い意欲が集まりにくいと警告した。テック株全体が下落基調にあり、AI企業の評価額に対する疑念も広がっている。 「1兆ドル」に退路はない アドバイザーが示した選択肢は二つ。2027年まで待ち、市場が安定してから1兆ドルの評価額で上場する。あるいは評価

米政府がGPT-5.6のリリースに介入。顧客ごとの承認制へ

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米政府がGPT-5.6のリリースに介入。顧客ごとの承認制へ

OpenAIの次期モデルGPT-5.6のリリースが、米政府の要請で大きく変わった。一般公開ではなく、政府が承認した少数のパートナー企業だけがアクセスできる限定プレビューとして提供される。 AIモデルのリリースに政府が踏み込んだ日 6月25日、OpenAIのサム・アルトマン(Sam Altman)CEOが社内Q&Aで従業員に伝えた内容が報じられた。GPT-5.6は当初の一般公開を取りやめ、限定プレビューとしてリリースする。プレビュー期間中、政府が顧客ごとにアクセスを承認するという。 要請の出どころは、ホワイトハウスの国家サイバー長官室(ONCD)と科学技術政策局(OSTP)だ。米政府がAI企業に対し、モデルのリリース前に制限を求めたのはこれが初めてになる。 Anthropicに対する輸出規制指令とは性格が異なる。Fable 5とMythos 5の件では商務省が法的拘束力のある指令を出し、全ユーザーのアクセスが即座に停止された。今回は強制ではなく協議だ。政府の要請にOpenAIが応じている。 Mythos級のサイバー能力 なぜ政府はGPT-5.6に踏み込んだのか。 アルト

400の地方紙がOpenAIとMicrosoftを提訴。記事を無断でAI学習に利用

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400の地方紙がOpenAIとMicrosoftを提訴。記事を無断でAI学習に利用

アメリカの地方紙や地域紙を発行する出版社の連合体が、OpenAIとMicrosoftをニューヨーク南部地区連邦地方裁判所に提訴した。原告は400近い新聞を発行する出版社の連合で、地方紙がAI企業を訴えた著作権訴訟としては過去最大の規模になる。 何を訴えているのか 事件番号はRichner Communications, Inc. v. Microsoft Corp.(1:26-cv-05320)、提出日は現地時間2026年6月24日。リッチナー・コミュニケーションズはニューヨーク州ロングアイランドを拠点に、ピューリッツァー賞受賞歴のあるThe Riverdale Pressなど70以上のコミュニティ紙を発行する地域メディア企業だ。筆頭原告としてこの訴訟を率いる。 原告連合にはニューヨーク・アムステルダム・ニュース(ニューヨーク最古のアフリカ系アメリカ人コミュニティ紙)、アーカンソー・デモクラット・ガゼット、ニューメキシコ州のThe Taos Newsなど、数十州にまたがる出版社が参加している。 主張の柱は2つある。1つは著作権法違反。OpenAIが出版社のウェブサイトを組織的

OpenAIが推論を自前でまかなう日

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OpenAIが推論を自前でまかなう日

ChatGPTに問いを投げる。数秒で答えが返る。その一往復のうしろで、OpenAIは四半期に数十億ドル単位の現金を燃やしている。最も重く燃えているのが、答えを生成する処理、つまり推論だ。6月24日、OpenAIはブロードコムと共同開発した初の自社チップ「Jalapeño」を披露した。これは新製品の発表というより、燃費を自分で決めにいく一手だ。 エヌビディアに渡さない一ドル 2025年10月13日、OpenAIとブロードコムは10ギガワット規模のカスタムチップ共同開発を公表した。その設計が、今や実物のチップになった。Jalapeñoは推論に特化したASIC(特定用途向け集積回路)で、学習用ではない。汎用GPUより融通は利かないが、その代わりに安く、特定の処理に絞って効率を突き詰められる。 このチップが守ろうとしているのは、利用者から見えない場所にある勘定だ。学習はAIモデルをゼロから作り上げる工程、推論はその完成したモデルが答えを返す工程だ。利用者が9億人を超え、毎日数億の問い合わせがサーバーに届く規模になると、コストの重心は学習から推論へ移る。一度に巨額がかかる学習と違い、推論

45億円のAI代理戦争、決着がついた

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45億円のAI代理戦争、決着がついた

マンハッタンの民主党予備選に、AI業界の対立する両陣営が合わせて約45億円を注ぎ込んだ。負けたのは標的にされた候補だけではない。金を出した側も、勝利宣言ができずにいる。 結果と、その奇妙な静けさ 現地時間6月23日夜、AP通信がニューヨーク第12選挙区の民主党予備選の当選確実を出した。勝者はマイカ・ラッシャー(Micah Lasher)氏。開票率94%の暫定結果で得票率39%、次点のアレックス・ボレス(Alex Bores)氏が35%、ケネディ家のジャック・シュロスバーグ氏が約11%で続いた。 34年間この選挙区を代表してきたジェリー・ナドラー下院議員の引退に伴う後任選びだ。ラッシャー氏はナドラー氏本人、キャシー・ホークル州知事、マイケル・ブルームバーグ元ニューヨーク市長という民主党の主要人物から支持を得ていた。ブルームバーグ氏は約1000万ドル(約16億円)をラッシャー氏を支持するPACに投じている。 だがこの選挙を全米の注目の的にしたのは、ラッシャー氏の勝利ではない。ボレス氏をめぐるAI業界の代理戦争だった。 約45億円が一つの選挙区に集中した理由 ボレス氏は元パラ