Xbox、全モデル100~150ドルの値上げへ。2TBは販売終了
Microsoftが6月25日(米国時間)、Xbox Series X|Sの全モデルを2026年8月1日から値上げすると発表した。512GBモデルは100ドル、1TBモデルは150ドルの上乗せ。2TBモデルは販売を終了する。米国では2年足らずで3度目の値上げとなり、最も安いSeries Sが発売時のSeries Xと同じ499.99ドルになる。
メモリ価格2.5倍、さらに倍増の予測
Microsoftは値上げの理由を明確に述べている。ストレージとメモリの部品コストが前回の値上げ(2025年10月)から2.5倍以上に跳ね上がり、2027年秋にはさらに倍になる見通しだという。
背景にあるのはAIデータセンターへの需要集中だ。マイクロン(Micron)、SKハイニックス(SK hynix)など大手メモリメーカーは、生産能力の多くをAIインフラ向けのHBM(広帯域メモリ)に振り向けている。スマートフォンやPC、ゲーム機に使われる汎用DRAMやNANDフラッシュの供給が圧迫され、価格が急騰した。同じ6月25日にAppleもMac・iPadの大幅値上げを実施しており、メモリ高騰はゲーム機だけの話ではない。ティム・クック(Tim Cook)CEOも事前に「値上げは避けられない」と語っていた。
ゲーム機が特に厳しい理由は、公式発表の中にある。スマートフォンやPC、スピーカーといった民生機器と違い、ゲーム機は製造コストを下回る価格で販売するのが通例だ。コスト増を吸収する余地が、他の製品より小さい。
米国の新価格
8月1日以降の米国価格は以下のとおり。
Series S(512GB)が499.99ドル(100ドル増)、1TBが599.99ドル(150ドル増)。Series X(1TB)はデジタルエディションが749.99ドル、ディスクモデルが799.99ドルで、いずれも150ドル増。
| モデル | 旧価格 | 新価格 | 値上げ額 |
|---|---|---|---|
| Series S 512GB | $399.99 | $499.99 | +$100 |
| Series S 1TB | $449.99 | $599.99 | +$150 |
| Series X 1TB デジタル | $599.99 | $749.99 | +$150 |
| Series X 1TB ディスク | $649.99 | $799.99 | +$150 |
2TBのXbox Series X Galaxy Black Special Editionは販売終了となる。現行の799.99ドルで在庫限りだ。
2020年11月の発売時と並べると、変化の大きさが見える。Series Sは299.99ドルで発売され、今回499.99ドルになる。67%の上昇。Series Xは499.99ドルが799.99ドルへ。60%増だ。発売当時のSeries Xと、これからのSeries Sが同じ価格になる。300ドル以下で買えた最安のXboxはもうない。
日本への影響
発表は「全世界で価格を改定する」としているが、日本円での具体的な新価格はまだ公表されていない。
参考までに現在の為替レート(1ドル≒161円台)で単純換算すると、Series S 512GBが約8万1000円、Series X 1TB(ディスクモデル)が約12万9000円になる。日本の現行価格はSeries Sの512GBが6万2480円、Series Xが8万7980円だ。仮に米国と同率の値上げが適用されれば、Series Xは10万円を超える。
日本ではすでに2024年8月と2025年5月に値上げがあった。Series Xは発売時の5万4978円から8万7980円へ、Series S(512GB)は3万2978円から6万2480円へ。すでに発売時のほぼ倍だ。そこからさらに上がる。
分割払いと中古施策
Microsoftは値上げと同時に、購入負担を下げるための施策も発表した。Microsoft Store経由でのBuy Now, Pay Later(後払い分割)と、Amazon経由での最大12か月の無金利分割払い。加えて、小売パートナーとの連携で中古コンソールの下取り・再販プログラムを拡充するほか、認定整備済みコンソールの販売も続ける。
値上げのたびに支払い方法を柔軟にする。本体を安く売ってソフトとサブスクリプションで回収するモデルが、部品コストの急騰で維持できなくなっている。
AIに最も投資する企業が、AIのせいで値上げする
AIインフラへの投資でメモリ需要を最も押し上げている企業のひとつがMicrosoft自身だ。Azure上で展開するOpenAIのインフラ、Copilotの全社展開、データセンターへの巨額投資。その需要がメモリ価格を押し上げ、自社のゲーム機を値上げせざるを得ない状況を生んでいる。
Xbox CEOのアーシャ・シャルマ(Asha Sharma)氏は、今年2月の就任直後からメモリ高騰が次世代機Project Helixの計画にも影響しうると投資家に警告していた。4月には社内メモで「Game Passはプレイヤーにとって高くなりすぎた」と認め、価格モデルの見直しを示唆している。Game Passは値下げを検討し、ハードウェアは値上げする。それが今のXboxだ。
Steam Machineが1049ドル(2TBモデルは1349ドル)で予約を開始したとき、高いという声が上がった。今やXbox Series Xのディスクモデルが799.99ドルだ。差は250ドルまで縮まった。PCゲームの膨大なライブラリとSteamのセール文化を考えると、Xboxが手頃なゲーム機として成立する前提は崩れつつある。
発売から6年近く経った現行機に、これだけの値上げをかける。次世代機の価格を想像する材料としては十分すぎる。
参照元:Updated XBOX Console Prices - Xbox Wire
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