Microsoft 365、ストア版は年末でセキュリティ更新終了
同じWord、同じExcel。見た目も機能も変わらない。だが、Microsoftストアからインストールしたか、Microsoftのサイトからインストールしたかで、2026年12月以降の運命が分かれる。ストア版のMicrosoft 365 Appsは、年末にセキュリティ更新が打ち切られる。
同じOffice、違う仕組み
Microsoftが改めて告知した。Microsoftストア経由でインストールされたMicrosoft 365 Appsのサポートが終了する。新機能の更新はすでに2025年10月で止まっており、セキュリティ更新も2026年12月で終わる。以降はクイック実行(Click-to-Run)版への移行が必須になる。
この情報は2025年3月にMicrosoftのサポートドキュメントで公開され、同年7月に報じられている。今週、Microsoftが同ドキュメントを改めて周知したことで再び注目された。
ただ、ほとんどのユーザーは自分のOfficeがどちらの方式で入っているか知らない。
ストア版とクイック実行版は、起動してしまえば見分けがつかない。WordはWordとして動くし、Excelの関数が変わるわけでもない。違いはインストール方式と更新経路だ。ストア版はAppxパッケージとしてインストールされ、更新はWindows Update経由で届く。クイック実行版はMicrosoftのCDNから直接更新をストリーミングで受け取り、バックグラウンドで適用する。この違いが、更新の速度と柔軟性を分けている。
なぜMicrosoftは自分の店を切り捨てるのか
ストア版には、企業が大規模にOfficeを管理するための機能が欠けている。XML構成ファイルによるカスタマイズができず、IntuneやConfiguration Managerとの連携もできない。複数ユーザー環境のサポートもない。更新チャネルの選択もできないため、IT管理者が「いつ、どの更新を適用するか」を制御する手段がない。
| Microsoft ストア版 | クイック実行版 | |
|---|---|---|
| XML構成ファイルによるカスタマイズ | ✕ | ○ |
| Intune連携 | ✕ | ○ |
| Configuration Manager連携 | ✕ | ○ |
| 更新チャネルの選択 | ✕ | ○ |
| 複数ユーザー環境 | ✕ | ○ |
| テレメトリ管理 | ✕ | ○ |
| 共有デバイスのライセンス認証 | ✕ | ○ |
クイック実行版にはこれらがすべて揃っている。月次エンタープライズチャネル、半期エンタープライズチャネルといった複数の更新チャネルを選択でき、テレメトリの管理や共有デバイスのライセンス認証にも対応する。
タイミングも無関係ではない。Microsoftは今まさに、Microsoft 365 Copilotアプリの自動インストールを企業向けWindows PCに対して進めている。2026年6月中旬から7月中旬にかけて、クイック実行の更新チャネルを通じてCopilotアプリが配信されている。Windows Updateの配信サイクルに縛られるストア版では、この種の迅速な展開ができない。
二つのインストール形態を並行して維持するコストに、もはや見合う理由がない。
確認は10秒で終わる
任意のMicrosoft 365アプリ(WordでもExcelでも構わない)を開き、「ファイル」→「アカウント」の順に進む。「バージョン情報」ボタンの付近に、バージョン番号とビルド番号が表示されている。そこに「クイック実行」と書かれていれば問題ない。「Microsoftストア」と書かれていたら、移行が必要だ。
移行は無料で、手動のアンインストールも不要
移行先はクイック実行版だが、新しいライセンスを買う必要はない。手順もごく単純で、Microsoftの公式ページからMicrosoft 365 Appsインストーラーをダウンロードして実行するだけだ。インストーラーがストア版を自動検出し、削除と再インストールを一括で行う。設定やライセンスはそのまま引き継がれる。
作業前にファイルを保存し、すべてのOfficeアプリを閉じておくこと。インストーラーは削除と再インストールを同時に行うため、通常のインストールより時間がかかる。
企業のIT管理者は、Office展開ツール経由のIntuneやConfiguration Managerによる展開でも、ストア版の自動検出と置換が可能だ。デバイスごとの手動作業は不要で、管理された展開パイプラインに組み込める。
年末まではまだ時間がある。だが、すでに新機能の更新は止まっている。確認に10秒、移行に数分。先延ばしにする理由は特にない。
参照元:End of support for the Microsoft Store installation type of Microsoft 365 Apps
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