Steam Controllerに落下で「叫ぶ」隠し機能
スピーカーを積んでいないコントローラーが、落とした瞬間に断末魔をあげる。発売したばかりのSteam Controllerに、ハリウッド映画の定番効果音を再生するイースターエッグが仕込まれていた。
スピーカーを積んでいないコントローラーが、落とした瞬間に断末魔をあげる。発売したばかりのSteam Controllerに、ハリウッド映画の定番効果音を再生するイースターエッグが仕込まれていた。
ベッドに放り投げたら悲鳴をあげた
新型Steam Controllerにイースターエッグが仕込まれている。落とすと、ハリウッド映画でおなじみの「ウィルヘルムの叫び」が再生される。
発見したのはRedditユーザーのRF3D19。「r/SteamController」のスレッドに投稿された動画で、ベッドの上に放り投げたコントローラーが「アァァァ」と短く悲鳴をあげる様子が記録されている。
「Big Pictureモードでベッドや枕の上に落とすと、ハプティクスモーターを通してウィルヘルムの叫びが鳴ることがある」と本人が説明している。ただし毎回鳴るわけではなく、5~6回に1回程度の頻度で、約1分のクールダウンも挟まる。
スピーカーはどこにある?
奇妙な話だ。Steam Controllerにスピーカーは搭載されていない。
音を出しているのはハプティクスだ。Valve公式のSteamworksドキュメントによれば、Steam Controllerは振動を担うランブルモーターを持たず、ハプティクス用のLRAモーターで触覚フィードバックを再現する。このモーターは細かい周波数で振動できるため、音響としても機能する。
ハプティクスを「鳴らす」発想は、初代Steam Controller時代から存在した。コミュニティでは旧型のハプティクスをMIDIシンセサイザーとして使い、起動音にゲームBGMを仕込むツールも作られていた。今回はValve自身が、その手法でハリウッド効果音を仕込んできた。
製品仕様としてはまったく無駄な機能だ。それを公式が真顔で実装してくる遊び心が、Valveの真骨頂とも言える。
ウィルヘルムの叫びという伝統
ウィルヘルムの叫びは、1951年の映画『遠い太鼓』で初めて使われた効果音だ。1953年の『フェザー河の襲撃』のウィルヘルム二等兵が矢を受けて叫ぶシーンから、この呼び名が定着した。
『スター・ウォーズ』のベン・バートが好んで使ったことで知られ、これまで200本を超える映画に登場している。誰かが転落、爆死、撃たれる場面の定番音として、サウンドデザイナーが代々こっそり仕込んできた業界の隠語のような効果音だ。
そのウィルヘルムの叫びを、コントローラーに仕込む。落下を「事故」ではなく「ギャグ」に変換するValveのセンスが見える。
発売即完売、転売は4.5万円超え
Steam Controllerは2026年5月5日午前2時(日本時間)に発売された。価格は17,800円(税込)。日本ではアジア地域の正規代理店KOMODOが運営するKOMODO STATIONで販売されている。
販売開始直後はKOMODOのサーバーがアクセス集中で一時ダウンし、当日中に完売。米国では発売から30分以内に在庫が消滅したと報じられている。
eBayでの転売価格は約4万5000円~8万円で、$300~$555相当が並ぶ。
Valveは公式Xで「予想より早く売り切れた。買えなかった方には申し訳ない。近日中に再入荷の見通しを案内する」と謝罪している。次回入荷時期は現時点で未定だ。
17,800円のコントローラーを、わざわざベッドに投げて遊ぶ。所有者だけが立ち入れる遊び場が、製品の中にもうひとつ用意されている。
落としても遊ぶか、慎重に扱うか
このイースターエッグを試すには、コントローラーを落下させる必要がある。
Redditのコメントでは、ベッドやクッションのような柔らかい面に約1メートル以上の高さから落とすと発動しやすいと報告されている。固い床に投げれば壊れる可能性は当然ある。実機を所有するユーザーの多くは、ベッドに放り投げて検証している。
Big Pictureモードを起動し、かつそのウィンドウがアクティブな状態である必要がある。他のウィンドウにフォーカスが移っていると鳴らない。コントローラー本体の電源さえ入っていれば、PCに接続していなくても鳴る、という報告もスレッドに複数寄せられている。
再現性はあまり高くない。複数回投げても鳴らない人もいれば、5分連続で投げ続けて初めて鳴ったというユーザーもいる。クールダウンのほか、加速度センサーが特定のパターンを検出した時だけトリガーする仕組みらしい。
落下を感知して、効果音を再生する。コントローラーがゲームの登場人物のように振る舞う一瞬は、入力デバイスと演出の境界を曖昧にする。
定価で買えた人ほど、Valveの隠し玉を引き当てる確率も高い。手元のコントローラーが、ベッドの上で短い悲鳴をあげる。それを聞いた瞬間、所有者は少しだけ得をした気分になるはずだ。
参照元
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