半導体
TSMC、Apple向けチップ10億ドル分がDRAM待ちで滞留
TSMCの2nm製造は順調に動いている。止まっているのはその先、DRAMをチップに組み込むパッケージング工程だ。
半導体
TSMCの2nm製造は順調に動いている。止まっているのはその先、DRAMをチップに組み込むパッケージング工程だ。
Apple
Appleが中国最大のDRAMメーカーCXMTとの価格交渉に失敗したと報じられた。iPhone 18シリーズと折りたたみ型iPhone Ultraの発売を数週間後に控え、メモリ確保が難航している。
NAND
NAND不足のさなか、キオクシアとサンディスクが世界最高密度のQLC NANDチップを発表した。層の数ではなく、1mm²あたりの記憶量で勝負する。
CXL
サムスン、SKハイニックス、マイクロンの3社が、サーバー向けメモリ拡張規格CXLのコントローラ開発を自社から切り離した。設計はファブレスに任せ、自分たちはDRAMを売ることに集中する。 DRAMを守るための撤退 CXL(Compute Express Link)は、サーバーのメモリ容量をDIMMスロットの上限を超えて拡張する接続規格だ。AI推論やインメモリデータベースの拡大で、2028年までに150億ドル規模の市場に成長するとの予測もある。 この成長市場に、メモリ3社は当初、コントローラとDRAMを一体化した完成モジュールで参入しようとしていた。コントローラを自社設計し、自社のDRAMと組み合わせて高付加価値の製品として売る。利幅は大きい。 ところが、データセンター事業者が求めたのは正反対の構造だった。コントローラはマザーボードに載せ、メモリスロットには汎用DIMM(デュアルインラインメモリモジュール)を挿す「分離型」にすれば、メーカーを問わず安価なDIMMを選べる。 メモリ3社にとって、この要求に逆らう選択肢は事実上なかった。 自己蚕食のジレンマ 理由はDRAMの市
メモリ不足
メモリ業界最大手のトップが、自社製品の価格が高すぎると認めた。増産しなければ市場そのものが縮む、という危機感が動かす次の一手。 「建てられる場所に、できるだけ速く建てる」 SKグループのチェ・テウォン(Chey Tae-won)会長が7月15日、済州島での記者会見でメモリ半導体の現在の価格水準を「異常(abnormal)」と表現した。 AI企業は投資で高騰分を吸収できる。PCやスマートフォンのメーカーにその余裕はなく、コスト増は製品価格に転嫁される。買うのは個人の消費者であり、値上げには限界がある。 チェ会長はこの連鎖を「チップフレーション(chipflation)」と呼び、供給の拡大で断ち切る必要があると述べた。 チェ会長が見ているのは消費者の負担だけではない。メモリ価格が高いまま放置すれば韓国の半導体産業そのものが危うくなる。高い利益率は新規参入を呼び込み、各国政府はメモリ調達を「経済安全保障」の問題として扱い始める。 チェ会長の言葉を借りれば「建てられる場所に、できるだけ速く建てることが、韓国半導体産業の生命線になりつつある」。 需要は倍増、供給は追いつかない
AI
AI半導体で圧倒的な存在だったエヌビディアの株価が、予想利益ベースでS&P 500の平均を下回った。エヌビディアが値を下げた2カ月間にメモリ大手マイクロンの株価は3倍に跳ね上がり、データセンターの「詰まる場所」が入れ替わっている。 GPUの余り、メモリの枯渇 エヌビディア株は5月14日に235.47ドルの最高値をつけた。7月に入っても200ドル前後で推移し、2カ月で15%前後を失ったまま戻らない。 売上は落ちていない。2027年度第1四半期(2026年5月発表)の売上高は816億ドル、前年同期比85%増と過去最高を更新した。 それでもフォワードPER(向こう12カ月の予想利益に対する株価の倍率)は約18倍にまで圧縮され、S&P 500の20倍超を下回った。年間66%で売上を伸ばす企業が、指数の平均銘柄より割安で取引されている。 一方、メモリチップメーカーのマイクロンは真逆の軌道を描いた。年初来で株価は約3倍に上昇し、5月26日に時価総額1兆ドルを突破した。48日間で時価総額が倍増しており、1兆ドル到達の速度は上場企業として史上最速とされる。2026年度第3四半期(2026年
メモリ不足
半導体業界団体SEMIが、メモリチップの供給不足に対する政府介入を控えるようトランプ政権に書簡で求めた。Appleは中国メーカーからの調達を、議員は米国顧客の優先供給を、消費者は価格引き下げを望んでいる。メモリ不足をめぐるワシントンの綱引きに、メーカー側が加わった。 メモリ不足がワシントンの政策課題になっている メモリ不足が製品価格に直接跳ね返り始めた6月下旬、Appleが全MacとiPadの価格を最大300ドル引き上げた。マイクロソフトもXboxの価格を100〜150ドル引き上げると発表した。Dell、HP、任天堂も同様の対応を取っている。 AI向けデータセンターがメモリ生産能力の大半を吸い上げ、PC・スマートフォン・自動車向けの供給が構造的に逼迫している状況は、報じられて久しい。 新しいのは、この問題がワシントンで複数の方向から政治的な圧力を生み始めたことだ。 SEMIは7月1日付で、スコット・ベッセント(Scott Bessent)財務長官、ピート・ヘグセス(Pete Hegseth)国防長官、ハワード・ラトニック(Howard Lutnick)商務長官、マルコ・ルビ
メモリ
メモリ大手3社に対する反トラスト集団訴訟の提起から5日。被告の一角であるマイクロンが、トランプ政権の看板政策に同種で最大の企業投資を発表した。善意の社会貢献か、それとも計算された一手か。タイミングが語る文脈を、事実から読み解く。 2億5000万ドルの中身 マイクロンは現地時間6月30日、子ども向け投資口座「トランプ・アカウント」(530A口座)に2億5000万ドルを拠出すると発表した。対象は最大100万人の子どもとその家族で、マイクロンが拠点を置くアイダホ、ニューヨーク、バージニア、カリフォルニアなど7州が中心になる。 具体的な仕組みは二つある。一つは従業員向けのマッチング拠出で、18歳未満の子ども1人につき1000ドルまで会社が上乗せする。もう一つはコミュニティ向けの種子資金で、対象地域の子どもに一律250ドルを初期入金する。マイクロンはこれを「同種で最大の企業コミットメント」と位置づけた。 トランプ・アカウントは、2025年に成立した通称「One Big Beautiful Bill Act」で新設された税制優遇付きの子ども向け投資口座で、7月4日の米国独立250周年記念
メモリ不足
スマートフォンやPCのメモリ不足が続く中、マイクロンのCEOがその原因について踏み込んだ発言をした。AI需要の急増だけでなく、特定の大口顧客が過去に価格を極端に押し下げたことで、メモリメーカー各社が設備投資に必要な資金を失ったという。高騰の原因はAIだけではない。 「2023年、価格は3分の1になった」 マイクロンCEOのサンジェイ・メロートラ(Sanjay Mehrotra)氏は現地時間6月30日、テレビインタビューでメモリ供給不足の責任がメーカーだけにあるわけではないと主張した。 メロートラ氏によれば、過去数年間にわたり特定の顧客が強引な値下げ交渉を続け、業界全体の売上を押し下げた。2023年にはメモリの販売価格がピーク時の3分の1まで下落し、マイクロンを含む各社が赤字に陥ったという。マイクロンの粗利益率は2023年度(同年8月期末)にマイナス7.3%を記録している。 企業は赤字だった。投資する余裕がなかった。それが業界の投資能力に大きな打撃を与えた(メロートラ氏、CNBCへの説明) マイクロンの最高事業責任者スミット・サダナ(Sumit Sadana)氏も先週、同様の
メモリ
メモリ価格が歴史的な高値を記録するなか、世界のDRAMを支配する3社が米国で消費者から訴えられた。訴状が突きつけているのは、AI需要という構造要因の裏側にある、もうひとつの疑惑だ。 訴状が描く構図 現地時間2026年6月25日、カリフォルニア北部地区連邦地裁に集団訴訟が提起された。事件番号3:26-cv-06345、訴因は反トラスト法違反。被告はサムスン電子、SKハイニックス、マイクロン・テクノロジーの3社と、その米国法人だ。 原告は個人消費者と小規模PC事業者。Troy's Computers LLC、JB Tech Solutions LLCといった、街のPCショップや修理業者が名を連ねる。代理人を務めるのはニューヨークの法律事務所Bathaee Dunne LLP。反トラスト訴訟を専門とし、直近ではディズニーに対するストリーミング価格の訴訟も手がけている。 訴状の骨子はこうだ。3社はAI向けのHBM(広帯域メモリ、GPUに搭載される高速メモリ)への生産転換を口実に、汎用DRAMの生産を協調的に絞った。DDR3やDDR4からの撤退を足並みをそろえて進め、供給を意図的に制限
ゲーム
3月末に760ドルだったPS6の部品原価が、6月下旬時点で960ドルまで膨れ上がった。1000ドルまであと40ドル。699ドルで出せるかもしれないという3ヶ月前の議論は、もう成立しない。 760ドルから960ドルへ リーカーのKeplerL2氏が現地時間6月27日、NeoGAFのスレッドで投稿した。3月に自身が示したPS6のBOM(部品原価)見積もりについて問われ、その数字から約200ドル上がったと回答している。 3月時点のBOM見積もりは約760ドルで、ソニーが妥当な補助金を負担すれば699ドルでの発売も不可能ではないとKeplerL2氏は述べていた。あれから3ヶ月。状況は一変した。 200ドルの増加は、ほぼ全てメモリとストレージに起因する。PS6には30GBのGDDR7と1TBのSSDが搭載されるとみられており、この2つの部材が今、急激に値上がりしている。 メモリ危機は構造的に終わらない 同じ週に、この上昇が一時的ではないことを裏付ける材料がいくつも揃った。 6月25日、マイクロンが決算で16件の長期供給契約を公表した。データセンターと家電向けは2026年から20
メモリ価格
2026年6月最終週、メモリ市場の全員が同じ結論に辿り着いた。投資銀行が予測を出し、メーカーが5年契約を結び、PCメーカーが「ニューノーマル」と公言し、Appleが制裁対象の中国企業に調達を打診した。それぞれ別の立場から、同じことを言っている。2025年以前の価格には戻らない。 ジェフリーズの数字と、その周囲 米投資銀行ジェフリーズ(Jefferies)のエクイティ・リサーチ部門が6月27日に公表した予測は、2026年後半のメモリ価格について最も強気な数字を出した。2026年第3四半期に前四半期比40〜50%、第4四半期にさらに30〜40%の上昇。2027年も前年比で40〜45%上がり、意味のある価格下落は2028年以降、新規生産能力が15〜20%増加するまで来ないという見立てだ。 この予測が出た直後、別の投資銀行Aletheia Capitalの数字と並べて読まれた。Aletheia側はサーバーDRAMのASP(平均販売価格)が第3四半期に30%上昇、第4四半期に10〜15%上昇と、ジェフリーズより穏やかな見通しを出している。業界コンセンサスは第3四半期20%、第4四半期30
Apple
Mac・iPadの大幅値上げから一夜明けた6月26日、Appleがトランプ政権に対し、中国DRAMメーカーCXMT(長鑫存儲)からのメモリチップ購入許可を求めてロビー活動を展開していることが明らかになった。2月に浮上した中国メモリ調達の構想は、いまや米政府への正式な働きかけに変わっている。 値上げとロビー活動の時系列 Appleの動きには明確な段階がある。 6月17日、ティム・クック(Tim Cook)CEOがウォール・ストリート・ジャーナルのインタビューで、メモリ価格の高騰を受けた値上げは不可避だと認めた。安全保障上の規制で米企業が中国メモリメーカーと取引しにくい現状を問われると、「あらゆる供給先を検討すべきだ」と踏み込んでいる。 6月25日、Appleは実際にMac・iPad・Apple Vision Proなどの価格を一斉に引き上げた。日本国内ではMacBook Air(M5、13インチ)が18万4800円から22万4800円へ4万円増、MacBook Pro 14インチは24万8800円から33万9800円へ9万1000円増と、値上げ幅が最も大きい構成では10万円近い
半導体
サムスン電子、SKハイニックス、マイクロン・テクノロジーの時価総額が揃って1兆ドルを突破した。3社合計の企業価値は、世界の石油大手上位3社を約22%上回る。メモリ半導体が石油より高い――そんな時代が、すでに始まっている。