Microsoft

400の地方紙がOpenAIとMicrosoftを提訴。記事を無断でAI学習に利用

AI

400の地方紙がOpenAIとMicrosoftを提訴。記事を無断でAI学習に利用

アメリカの地方紙や地域紙を発行する出版社の連合体が、OpenAIとMicrosoftをニューヨーク南部地区連邦地方裁判所に提訴した。原告は400近い新聞を発行する出版社の連合で、地方紙がAI企業を訴えた著作権訴訟としては過去最大の規模になる。 何を訴えているのか 事件番号はRichner Communications, Inc. v. Microsoft Corp.(1:26-cv-05320)、提出日は現地時間2026年6月24日。リッチナー・コミュニケーションズはニューヨーク州ロングアイランドを拠点に、ピューリッツァー賞受賞歴のあるThe Riverdale Pressなど70以上のコミュニティ紙を発行する地域メディア企業だ。筆頭原告としてこの訴訟を率いる。 原告連合にはニューヨーク・アムステルダム・ニュース(ニューヨーク最古のアフリカ系アメリカ人コミュニティ紙)、アーカンソー・デモクラット・ガゼット、ニューメキシコ州のThe Taos Newsなど、数十州にまたがる出版社が参加している。 主張の柱は2つある。1つは著作権法違反。OpenAIが出版社のウェブサイトを組織的

量子の「飛躍」を消したのは、二行のPythonだった

量子コンピューター

量子の「飛躍」を消したのは、二行のPythonだった

20年の歳月と10億ドルを注いだマイクロソフトのトポロジカル量子計画が、コードの検証という最も地味な場所で揺れている。2026年6月24日、セントアンドリュース大学のヘンリー・レッグ(Henry Legg)が、同社の2025年2月の論文を否定する批判をNature誌に発表した。査読を通過した正式な反論であり、マイクロソフトもまた査読付きの反論を同じ号に載せた。Majorana 2チップを発表してから、まだ3週間。今度は製品ではなく、すべての土台となった論文そのものの信頼性が問われている。 争点は、チップではなく「データの読み方」 先にひとつ、混同しやすい点をほどいておく。今回レッグが標的にしたのは、6月初頭に発表されたMajorana 2チップではない。その15か月前、2025年2月に発表された論文(InAs–Alハイブリッドデバイスにおける単発パリティ測定)の方だ。この論文の上に、マイクロソフトのその後の量子戦略すべてが積み上がっている。 論文の主張はこうだった。量子ビットを置くのに適した場所を見つけるため、極めて電気伝導率の高いワイヤーの中にごく小さな「ギャップ」を検出する

Windows 11、発表から5年。「未完成」のまま7割のPCに届いた現実

Windows

Windows 11、発表から5年。「未完成」のまま7割のPCに届いた現実

2021年6月24日に発表され、同年10月5日に出荷されたWindows 11が5周年を迎えた。批判と不満を浴び続けながら、このOSはいつの間にかWindowsの主流になっている。 「最後のWindows」の後継として 5年前の6月24日、Microsoftは「あなたの好きなものに近づけるOS」としてWindows 11を発表した。Windows 10は「最後のWindows」になるはずだった。6年以上にわたるWindowsバージョン間の空白は、Windows XPからVistaへの移行期を超え、同社の歴史上最長となった。 発表の約1週間前にプレビュービルドが流出し、世界中のユーザーが正式発表を待たずにWindows 11に触れた。中央寄せのタスクバー、丸みを帯びたウィンドウ、刷新されたスタートメニュー。見た目は新しかった。だが触った瞬間に気づく違和感もあった。タスクバーは動かせない。右クリックメニューは二重構造になり、従来の操作にワンクリック余計にかかる。 そしてTPM 2.0とセキュアブートの必須化。まだ十分に使えるPCが、ハードウェア要件を満たさないという理由だけでアッ

「ゲームは高すぎる」Xbox CEOが語る理想とリセットの現実

ゲーム

「ゲームは高すぎる」Xbox CEOが語る理想とリセットの現実

事業リセットを宣言し、大規模な人員削減が数日後に迫るXbox。そのCEOがEntertainment Weeklyの25周年カバーストーリーで語ったのは、危機感ではなく夢だった。 25周年インタビューで語った「もっと開かれたXbox」 Xbox25周年に合わせ、Entertainment Weeklyが大型カバーストーリーを掲載した。現地時間6月22日に公開されたこのインタビューで、CEOのアシャ・シャルマ(Asha Sharma)氏はXboxの方向性をこう定義している。 もっとオープンなエコシステムを作り、もっと多くの開発者を招き入れ、もっと多様なゲームを揃え、もっと多くのプレイヤーを迎え入れたい。 そして、踏み込んだ発言が続く。 ゲームは、私たちが従来思い描いてきた形では、多くの場合もう手が届かなくなっている。アテンション・エコノミーや競合するサブスクリプションのせいで。 「ゲームは高すぎる」。新CEOの口からこの言葉が出ること自体に違和感はない。4月にGame Pass Ultimateを月額2,750円から1,550円に引き下げ、「高くなりすぎた」と自ら認めたのは

セキュアブート証明書が今日失効。PCの確認は1分で終わる

セキュリティ

セキュアブート証明書が今日失効。PCの確認は1分で終わる

セキュアブートの証明書が今日、期限を迎えた。2011年に発行され、15年間Windows PCの起動を守ってきたものだ。Microsoftは期限直前に証明書の配信対象を大きく広げており、6月のWindows Updateを適用済みのPCなら、ほとんどは何もしなくていい。ただし「ほとんど」に入っているかどうかは、自分で見ないとわからない。 今日、何が起きたのか 本日失効したのは、Microsoft Corporation KEK CA 2011というセキュアブートの証明書だ。続いて6月27日にMicrosoft Corporation UEFI CA 2011が、10月19日にはMicrosoft Windows Production PCA 2011が失効する。 KEKは、セキュアブートの署名データベース(DB)と失効データベース(DBX)の更新を承認する「監督者」にあたる。これが失効すると、Microsoftは古い鍵で新しいDBX更新(悪意あるブートローダーのブロックリスト追加)に署名できなくなる。既存の署名済みパッチはそのまま機能するが、今後見つかる脅威への対処手段が一つ減

Windows 11、AI不要の実用5機能が7月に全員へ

Windows

Windows 11、AI不要の実用5機能が7月に全員へ

Windows 11の7月アップデート(KB5095093)で、Copilot+ PCもAIサブスクリプションも不要な5つの実用機能が全PCに展開される。更新の一時停止をカレンダーで選べるようになり、PCを72時間前の状態に丸ごと巻き戻す復元機能が一般提供される。ウィジェットは静かになり、Bluetoothは一度にこれだけ直るのかというほど手が入った。6月のプレビュー配信を経て、7月14日のPatch Tuesdayで全ユーザーに届く。 「AIではない」ことの意味 2026年のWindows 11は、毎月のようにAI関連の機能を積んできた。Copilotがタスクバーに住みつき、AIエージェントがバックグラウンドで走り、Recallはセキュリティ研究者からの指摘が絶えない。そのたびにSNSで繰り返されてきた声がある。「AIより先にやることがあるだろう」。 7月のアップデートは、その声に対するMicrosoftの回答に見える。5つの目玉機能はどれもCopilot+ PCを必要としない。NPUもクラウドも関係ない。Windows 11 24H2と25H2が動くすべてのPCに届く、地に

Outlook for Macで返信すると会話が消えるバグ。修正の見通しなし

Microsoft

Outlook for Macで返信すると会話が消えるバグ。修正の見通しなし

返信ボタンを押した瞬間、メールの会話履歴が消える。6月中旬以降、Mac版Outlookのレガシークライアントで起きている不具合だ。直前のやりとりも、その前の経緯も、返信ウィンドウには何も残らない。メールクライアントとして最も基本的な機能が壊れている。 何が起きているのか バージョン16.110(ビルド26061317)へのアップデートが原因だ。6月18日前後に自動更新で配信されたこのビルドを適用すると、返信や転送の際に元のメッセージ本文が一切表示されなくなる。件名と差出人のヘッダーだけが残り、肝心の本文は空白。転送に至っては、中身のないメールを相手に送ることになる。 影響を受けるのはHTML形式のメールだ。プレーンテキストのメールでは症状が出ない。Microsoftのサポートフォーラムには5月中旬から散発的に報告が上がっていたが、ビルド26061317の自動配信が広がった先週から投稿が一気に増えた。Microsoft Q&Aには少なくとも10件以上の個別スレッドが立ち、いずれも同じ症状を訴えている。 Microsoftは6月17日付でサポートページを公開し、バグを「調査中」と

Copilot強制インストール、完了予定をまた延期。8月末に後退

Microsoft

Copilot強制インストール、完了予定をまた延期。8月末に後退

Microsoft 365 Copilotアプリの自動インストール、Microsoftがまたスケジュールを書き換えた。6月15日付でメッセージセンター(MC1152323)が更新され、フィーチャーフラグの詳細スケジュールは消えた。残ったのは「6月中旬から7月中旬にかけてロールアウト」という一文と、完了予定が7月31日から8月28日に後退した事実だけだ。 予告の歴史が語ること この自動インストールには、もう長い経緯がある。 2025年9月の最初の予告では「10月から11月に完了」とされた。12月に実際にロールアウトが始まったものの、IT管理者の反発を受けて2026年3月に一時停止された。Microsoftは停止の理由を明示しなかった。6月2日の更新でMicrosoftは再開を告知し、4段階のフィーチャーフラグで7月1日に完了する計画を示した。 MC1152323 更新履歴 2025年9月自動インストールを予告10月〜11月完了予定で初版を発表2025年12月ロールアウト開始バージョン2511で配布開始2026年3月一時停止理由の明示なし。方針転換への期待が広がる20

ワードアートを覚えているか。誰も使わないのに消えない機能の話

Microsoft

ワードアートを覚えているか。誰も使わないのに消えない機能の話

Wordの「挿入」タブの奥に、ワードアートはまだいる。虹色のグラデーション、立体の影、弧を描く文字列。1990年代に学校の課題でタイトルを飾り立てたあの機能を、今も使っている人がどれだけいるだろう。消されてもいない。廃止もされていない。ただ、誰にも開かれなくなっただけだ。 あの時間は、本文より長かった 課題の表紙を作るとき、本文より先に触るのはタイトルだった。Wordを開いて最初にやることが「ワードアートの選択」だった時代がある。 影を付ける。文字を弧に沿わせる。色を虹色に変える。3Dの角度を微調整する。中身の文章は3行で終わるのに、表紙のタイトルには30分かけた。隣の席のやつがもっと派手なエフェクトを見つけてくると、次の課題ではさらに上を狙った。あれは装飾ではなく競技だった。 Office 97で正式に搭載されたワードアート。PCが家庭に入り始めた頃の話だ。ワープロソフトが「文字を打つ道具」から「見た目を作る道具」に変わろうとしていた。プロ向けのデザインソフトなど持っていない。それでも文字に影を落とし、色のグラデーションをかけ、立体的に回転させることがワンクリックでできた。

Windows 11 26H2、Insiderで初めてバージョン表記に登場

Windows

Windows 11 26H2、Insiderで初めてバージョン表記に登場

Experimentalチャンネルのバージョン表記が「version 26H2」に切り替わった。2月にWindows Update履歴の中にその名前がちらついてから約4か月、26H2がバージョン名として正式に表示された。同日公開されたIT Proブログでは、Microsoftが企業の管理者に対し26H2への準備を呼びかけている。 version 26H2、初めてwinverに表示 6月19日に配信されたExperimentalチャンネルのビルド26300.8697で、「設定」>「システム」>「バージョン情報」とwinverの表示が「version 26H2」に切り替わった。26H2としてバージョン表記に現れるのはこれが初めてで、リリースに向けた開発の段階が一つ進んだことを意味する。 前回ビルド26300.8687まではversion 25H2と表示されていた。26H2は25H2と同じサービシングブランチを共有しており、一般リリース時は小さなenablement package(eKB)で切り替わる。再起動は1回で済み、OSを丸ごと入れ替える従来の大型アップデートとは異なる。24

GPUクラッシュ解析の新標準。DirectX Dump Files始動

Windows

GPUクラッシュ解析の新標準。DirectX Dump Files始動

ゲーム中に画面が固まり、数秒後に「ディスプレイドライバーが応答を停止しました」という通知が出る。PCゲーマーなら一度は見たことがある、あの瞬間だ。原因を調べようにも手がかりはほぼない。ドライバを入れ直すか、それともGPUの設定をいじるか。結局は手探りで、同じクラッシュが再発しないことを祈るしかなかった。 その手探りに、ようやく共通の手がかりが生まれようとしている。Microsoftが6月18日、DirectX Dump Filesのパブリックプレビューを公開した。 GPUクラッシュに「メモリダンプ」が生まれる DirectX Dump Files(DDF)は、3月のGDC 2026でMicrosoftが発表した新機能だ。発表から約3か月、実際に開発者が試せるプレビューが動き始めた。 仕組みはシンプルに言えば、CPU側で昔からあるメモリダンプのGPU版にあたる。Windowsがグラフィックスドライバの応答停止(TDR)を検知した瞬間、GPU側の実行状態をまるごとスナップショットとして記録し、.dxdmpという拡張子のファイルに書き出す。 このファイルには、GPUが何をしていた

6月の月例更新で、ごみ箱が「中身」を見せてしまう

Windows

6月の月例更新で、ごみ箱が「中身」を見せてしまう

Windowsのごみ箱からファイルを完全に削除しようとすると、確認ダイアログに見覚えのない文字列が表示される。自分が削除した「レポート.docx」ではなく、「$R4K9MW.docx」。6月のセキュリティ更新を適用した全てのWindows環境で、この症状が確認されている。 ずっと隠されてきた裏側 Windowsのごみ箱は、見た目ほど単純な仕組みではない。ファイルをごみ箱に送ると、内部では $Rxxxxx というランダムな識別子にリネームされる。元の名前やパス、削除日時は別の $Ixxxxx ファイルにメタデータとして残る。エクスプローラーがこの2つを照合して、ユーザーには元のファイル名だけを見せていた。Windows Vista以降、この仕組みは一度もユーザーの目に触れることなく動き続けてきた。 6月9日に配信されたセキュリティ更新(Windows 11 24H2/25H2向けのKB5094126ほか)が、この内部名を表に出してしまった。ごみ箱の一覧では従来どおり正しいファイル名が並ぶが、ファイルを1つ選んで完全に削除しようとすると、確認ダイアログにはエクスプローラーが「翻訳」

Windows 11検索のBingオフ、Microsoftが公式確認。速度も上がる

Windows

Windows 11検索のBingオフ、Microsoftが公式確認。速度も上がる

Windows 11の検索からBingのウェブ結果を無効化できるトグルを、Microsoftのデザイン責任者が公式に認めた。単に切れるだけではない。Bingを切ると、検索そのものが速くなる。 「遅い検索」の正体を、Microsoftが認めた 今月初め、Windowsインサイダー向けのミートアップでひっそり公開されたこの機能を、Microsoft自身が公の場で明かした。Windows担当パートナー・デザインディレクターのマーチ・ロジャーズ(March Rogers)氏が、ウェブ検索をオフにする手順とその効果を公開している。 操作は「設定」→「プライバシーとセキュリティ」→「検索」と進み、「ウェブの結果」(web results)をオフにするだけ。レジストリエディターもグループポリシーも要らない。3クリックで完了する。 オフにすると消えるのはBingの検索結果だけではない。MSNのニュースフィード、Microsoft Storeのアプリ提案、Microsoft Rewardsのアイコン、そしてCopilotの広告。検索ホーム画面に並んでいた「Microsoftのサービスへの誘導」

英Capita、公務員年金の「6月末復旧」を守れず。退職者に届かぬ年金

IT

英Capita、公務員年金の「6月末復旧」を守れず。退職者に届かぬ年金

英国公務員年金制度(CSPS)の運営を担うCapitaが、政府が課した6月30日の期限に間に合わない見通しだ。170万人の加入者を抱えるこの年金制度では、2025年12月の運営移管以来、支給遅延や個人情報漏洩が相次いでいる。公共商業サービス労組(PCS)は政府に対し、Capitaとの契約打ち切りと運営の内製化を要求した。 期限の意味が消えるとき 6月30日という日付には、重みがあるはずだった。 内閣府担当大臣のニック・トマス=サイモンズ(Nick Thomas-Symonds)氏が4月22日、下院で明言した。「6月末までに契約上のサービス水準を回復させる」。Capita側も、6月5日に会計委員会へ送った書簡で「6月末までの復旧計画に沿った軌道にある」と約束していた。 その期限まで2週間を切った6月16日、内閣府はPCSに対し、Capitaが期限を守れないと伝えた。PCSによれば、契約上のサービス水準を満たせないだけでなく、政府が送り込んだ約150人の復旧チームも6月以降の継続が必要になるという。 この期限自体、すでに妥協の産物だった。Capitaは当初、最も緊急性の高いケー