サブノーティカ2、発売48時間前に流出
『サブノーティカ2』のフルビルドが発売48時間前に違法サイトへ出回った。先週のForza Horizon 6に続く今週2件目の大規模事前流出で、業界は同じ「内部関係者ルート」を疑い始めている。
『サブノーティカ2』のフルビルドが発売48時間前に違法サイトへ出回った。先週のForza Horizon 6に続く今週2件目の大規模事前流出で、業界は同じ「内部関係者ルート」を疑い始めている。
Forza Horizon 6の傷も癒えぬうちに、また同じパターン
『サブノーティカ2』の早期アクセスは2026年5月14日(日本時間5月15日)開始予定。その48時間前の5月12日、ゲームの完全なビルドが複数の違法ダウンロードサイトに出回っているとX上で報告が広がった。プレイ可能な状態であることはスクリーンショットや動画でも確認されており、「発売前に遊んでしまった」と投稿するユーザーもすでに現れている。

開発・販売を兼ねるUnknown Worlds、親会社のKRAFTON、ストアプラットフォームのMicrosoftは、リーク発生時点で公式声明を出していない。
Subnautica 2 will enter Early Access on May 14th, 2026, at 08:00 PDT / 15:00 UTC for $29.99 USD.(『サブノーティカ2』は2026年5月14日午前8時PDT/15時UTCに早期アクセスを開始する、価格は29.99ドル)
Steamに掲載されたUnknown Worldsの公式アナウンスは、本来は予約購入とプリロードの開始を歓迎するための文章だった。そのプリロード解禁から1日後に、ゲーム本体が違法経路へ漏れ出した形になる。
「Steamが原因ではない」とSteamDBが声明
今週は事前流出の連鎖が止まらない。1件目のForza Horizon 6では、PCの完全ビルド約155GB相当が発売10日前にネット上に出回り、Playground Gamesが「該当ビルドを使用すればフランチャイズ全体および端末単位での利用停止対象になる」と警告する事態に発展した。
Forzaリーク直後、Steam関連の情報追跡で知られるSteamDBは自社のX投稿で次のように発信した。
Forza Horizon 6は早期アクセス権限を持つ人物(レビュアーまたは類似の立場)によってリークされた可能性が極めて高い。同時期にSteamDB上にファイルリストが現れたのは、何者かが我々のトークンダンパーを使用したからだ。SteamDBは復号鍵を表示も配布もしないし、ダウンロードも提供しない。
Forza Horizon 6の流出を「Steamのプリロードが原因」とする見方を真っ向から否定したうえで、犯人候補を「レビュアー周辺の人物」と名指しに近い形で指摘した。今回の『サブノーティカ2』流出も、同じレビュー版経由ルートではないかとX上では指摘されている。ただし現時点で公式に裏付ける情報はない。
プリロード窓は流出リスクと隣り合わせ
Unknown Worldsが予約購入とプリロードを有効化したのは、発売72時間前の5月11日だった。プリロードはユーザー体験の改善策として広く使われている仕組みで、発売日のダウンロード待ちで遊べないストレスを解消する。Steamだけでなく、Epic Games Store、Xboxでも予約購入とプリロードが解放されている。
ただし、プリロードはサーバーから暗号化データをユーザー端末に先行配布する仕組みだ。復号鍵の管理が破られれば、発売前のゲーム本体が解析される土壌になる。今回がプリロード起源と決まったわけではないが、Twitch配信中に『サブノーティカ2』をプレイしてアカウント停止された人物が「プリロード後にプレイボタンを押せた」と発言したという目撃情報も流れている。
『サブノーティカ2』の早期アクセス価格は29.99ドル(約4,700円)。Steam、Epic Games Store、Microsoft Store、Xbox Series X|Sで同時にリリースされ、Xbox Game Pass UltimateとPC Game Passにも初日から対応する。PS5版は早期アクセス期間中はリリースされない予定だ。
レビュー版経由説、その背景にあるもの
リーク経路として「レビュー版」が浮上する理由は単純だ。発売前にゲームを起動できる権限を持つのは、開発・運営の内部者を除けば、レビュー担当のメディアと一部のインフルエンサーに限られる。プリロードしても起動には小売解禁が必要で、本来は誰もプレイできない。
Forza Horizon 6のときも、Playground Gamesは「プリロード手順の問題ではない」と明言したうえで、利用者に厳しい措置を予告した。今回の『サブノーティカ2』でも、X上のユーザーやReddit投稿者は「両作とも事前送付されたレビュービルドが起源ではないか」という見方を共有している。
指摘されているのは、レビュアーまたは早期アクセス権限者が外部に配布したという仮説だ。Steamのプリロード暗号化が破られたという技術的な裏付けは、現時点でどこにも提示されていない。
注目すべきは、『サブノーティカ2』が単なる人気タイトルにとどまらない、ややこしい背景を抱えていることだ。
訴訟・スタジオ買収・約2億5,000万ドルの報酬
Unknown WorldsとKRAFTONは2025年7月から法廷で争っている。KRAFTONは2021年に5億ドルでUnknown Worldsを買収したが、当初2025年予定だった『サブノーティカ2』の早期アクセスが2026年に延期され、共同創業者でゲームディレクターのチャーリー・クリーブランド氏(Charlie Cleveland)、テッド・ギル氏(Ted Gill)、マックス・マクガイア氏(Max McGuire)が解任された。
延期に伴って約2億5,000万ドル(約390億円)の業績連動ボーナスが消滅する形になり、3氏はKRAFTONを提訴。2026年3月、デラウェア州衡平法裁判所はギル氏のCEO復帰を命じる判決を下した。
そんな最中の流出だ。経営陣と現場、双方に「内部からの不利益行動」を疑う動機がある。KRAFTONがSteamとEpic Games Storeのストアページからパブリッシャー名義を外したのも、まだ記憶に新しい。
Subnautica 2は発売前から500万件以上のSteamウィッシュリストが付いており、シリーズ初のマルチプレイ対応(最大4人)、新たな異星の海洋環境、新クリーチャー、新ビークルなど、注目要素が多い。それだけに、リークによる体験のネタバレと売上影響は深刻になる。
「PCゲーム海賊版の黄金期」が来てしまったのか
今週はLEGO Batman: Legacy of the Dark Knight、Forza Horizon 6に続いて、これで3件目のメジャーリーク。早期アクセスやプリロード、レビュー版送付、インフルエンサー先行プレイといった「マーケティングを早く動かすための仕組み」が、そのまま流出経路の拡大になっている。
PCゲーム業界全体で同じ構造の流出が連鎖していることを、一部のXユーザーは「海賊版の黄金期」と皮肉混じりに呼び始めた。販売側は早く伝えたい、ユーザーは早く触りたい、レビュアーは早く書きたい。三者の動機がすべて「発売前」に集中している。
修復可能な技術的バグなら、暗号化や鍵管理の見直しで止められる。だが、内部関係者の行動が原因なら、解決はもっと面倒だ。誰を信頼するかという話に戻ってしまう。
『サブノーティカ2』の公式声明はまだ出ていない。発売予定日まで2日、何かしらのアナウンスが届くのか、それともこのまま予定通り早期アクセスを開始するのか。海の中の謎より、海の外の事情のほうが解けにくい。
参照元
他参照
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