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Anthropicが「Claude Science」発表。自社創薬も開始

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Anthropicが「Claude Science」発表。自社創薬も開始

Claude Codeがソフトウェア開発の現場を変えたように、今度は実験室を変える。Anthropicが現地時間6月30日に発表したClaude Scienceは、その意志を製品にしたものだ。新しいAIモデルではない。60以上の科学データベースと接続し、ゲノミクスからタンパク質構造解析、化学情報学まで、研究者が日常的に使うツールを一つの環境に統合するワークベンチだ。同時にAnthropicは、従来の製薬企業が手を出さない「顧みられない疾患」に焦点を当てた自社の前臨床プログラムの開始も明らかにした。 Claude Codeの次はClaude Science Anthropicは2025年10月にClaude for Life Sciencesを公開し、Claudeを生命科学のタスクに最適化する取り組みを始めていた。今回のClaude Scienceは、その延長線上にある専用ワークベンチという位置づけになる。 研究者の日常は断片化している。PubMedで論文を検索し、Jupyterでコードを書き、Rで統計処理を行い、HPCクラスターにジョブを投入し、結果をまた別のツールで可視化する

Claude Sonnet 5、Opus 4.8に迫る性能で即日提供開始

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Claude Sonnet 5、Opus 4.8に迫る性能で即日提供開始

Anthropicが現地時間6月30日、Claude Sonnet 5を発表した。同社のSonnetシリーズでは過去最高のエージェント性能を備え、全プランで即日利用可能になっている。無料プランとProプランではデフォルトモデルがSonnet 4.6から切り替わった。 4カ月で世代交代 2月にSonnet 4.6が出たとき、中価格帯モデルがフラッグシップに肉薄したことが話題になった。Sonnet 5はその延長線上にあるが、到達点が違う。 Anthropicが公開したベンチマークでは、エージェントコーディング指標のSWE-bench Proで63.2%を記録し、Sonnet 4.6の58.1%から5ポイント上昇した。上位モデルOpus 4.8は69.2%で、差は6ポイントに縮まっている。Terminal-Bench 2.1ではSonnet 5が80.4%、Sonnet 4.6は67.0%、Opus 4.8が82.7%。ナレッジワーク指標のGDPval-AA

Anthropicが課金モデル変更、AmazonはClaude依存を再考

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Anthropicが課金モデル変更、AmazonはClaude依存を再考

80億ドルを注ぎ込んだ出資者が、出資先から値上げを告げられた。Anthropicが両社の契約における課金体系を変更し、AmazonにとってClaudeの利用コストが上昇する可能性が出てきた。AmazonはOpenAIや自社開発のNovaへの切り替えを検討しているという。 コンピューティング時間からトークン課金へ Anthropicは今年に入り、Amazonとの契約の一部を再交渉した。従来のコンピューティング時間に基づく課金から、トークン単位の課金へ移行するという内容で、新しい課金体系は来年から適用される見通しだという。 Amazonは自社のAI製品群に広くClaudeを組み込んでおり、トークン課金への移行はコスト増に直結しうる。この変更が成立した背景には、エンタープライズ顧客の急拡大がある。Amazon Bedrockを通じてClaudeを利用する顧客は10万社を超え、年間経常収益は2025年末の約90億ドルから300億ドル超へと急伸した。Anthropicは最大の出資者に対しても値上げを通せる立場になった。 「リセラーに見えるリスク」 報道によれば、AWS幹部はAmaz

GLM-5.2がClaude超え。Semgrepの脆弱性検出で独立検証

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GLM-5.2がClaude超え。Semgrepの脆弱性検出で独立検証

Fable 5の規制から16日。米国が止めたのと同等のサイバーセキュリティ能力が、中国のオープンウェイトモデルで確認された。セキュリティ企業Semgrepの独立ベンチマークで、Z.aiのGLM-5.2がClaude Codeを脆弱性発見の精度で上回った。中国のセキュリティ大手360は「中国版Mythos」の開発を発表し、ジェフリーズはこの動きを「DeepSeekモーメント」と呼んだ。 「Mythosが家にある」 6月22日、セキュリティ分析ツールを開発するSemgrepが公開したベンチマーク結果のタイトルは「We Have Mythos at Home」(うちにMythosがある)だった。 We have Mythos at Home: GLM 5.2 beats Claude in our Cyber BenchmarksAmong models given nothing but a prompt, the best open-weight

AIがシリコンバレーから奪っているのは雇用ではなく睡眠だった

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AIがシリコンバレーから奪っているのは雇用ではなく睡眠だった

AIの不安はもう開発者だけの話ではない。起業家、CEO、非技術職、投資家。シリコンバレーの全層が、仕事から離れられなくなっている。 出力100倍、労働時間も倍 マット・バン・ホーン(Matt Van Horn)氏は、もうノートPCの電源を切らない。4人の子を持つ連続起業家で、Lyftの前身Zimrideを共同創業し、スマートオーブンのJuneを設立・売却した経歴を持つ。現在はClaude Codeで常時6つ以上のAIエージェントを稼働させ、新たな会社を立ち上げている。出力はAI導入前の100倍になったと本人は語るが、同時にこうも認めている。かつてないほど働いている。 エージェントが仕事を代行してくれるはずだった。だが現実には、AIの出力を監視し、判断し、指示し直す作業が途切れなく発生する。人の手が離れた瞬間にエージェントは止まる。止まっている間に競合は進む。だからノートPCを閉じられない。 バン・ホーン氏だけの話ではない。音声AI企業Wispr AIのCEO、タナイ・コタリ(Tanay Kothari)氏は毎日16時間以上働き、5月には3週間連続でオフィスに泊まり込んだ。スタ

トランプ政権のAI規制、献金した業界が恐れる「場当たり」の正体

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トランプ政権のAI規制、献金した業界が恐れる「場当たり」の正体

シリコンバレーの億万長者たちは、バイデン政権のAI安全政策が米国のイノベーションを潰すと警告し、トランプ陣営に巨額を献金した。AIを自由に伸ばす、規制はしない。就任直後のトランプ大統領はその期待通りに動き、州レベルのAI規制を封じることに注力した。 2026年6月、その約束は跡形もない。 「バイデン式の規制が恋しい」 6月に入り、ホワイトハウスはAnthropicとOpenAIに対して立て続けに介入した。Anthropicの最上位モデルMythos 5とFable 5には輸出管理指令が出た。外国籍者へのアクセスを禁じる内容で、Anthropicは国籍の即時判別ができないため全ユーザーを遮断した。OpenAIにはGPT-5.6のリリースを政府が承認した約20社に限定するよう要請した。いずれもサイバーセキュリティ上の懸念が理由とされるが、具体的な基準は示されていない。 6月26日、ラトニック(Howard Lutnick)商務長官がAnthropicに書簡を送り、Mythos 5については100社超への再配布を許可した。ただしFable 5の制限解除には触れていない。同じ日にOp

Claudeに何が起きているのか。6月の障害記録を読む

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Claudeに何が起きているのか。6月の障害記録を読む

「最近Claudeがおかしい」。そう感じているなら、確認すべき事実がある。6月に入ってからAnthropicのインフラでは連日のように障害が発生しており、公式が認めたものだけで20件を超える。そしてステータスページの「Resolved(解決済み)」は、エラー率の回復を意味するだけで、応答品質の回復を保証するものではない。 6月12日を境に何が変わったか 6月12日午後5時21分(米東部時間)、米商務省がAnthropicに輸出規制指令を出した。Fable 5とMythos 5への外国籍ユーザーのアクセスを即時停止せよ、という内容だった。 Anthropicは国籍ベースのアクセス制御をリアルタイムで実行する仕組みを持っていなかった。部分的な対応では規制違反のリスクがあるため、全ユーザーに対して両モデルを無効化した。日本のユーザーも、米国のユーザーも、同じタイミングで同じ措置を受けた。 Fable 5は発表時点でPro、Max、Team、Enterpriseの全プランに追加料金なしで含まれていた。リリースからわずか3日で停止され、Anthropic自身がFable 5の代替として

Mythos 5が限定復活、Fable 5はまだ止まっている

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Mythos 5が限定復活、Fable 5はまだ止まっている

6月12日に全世界で遮断されたAnthropicの最上位AIモデルが、2週間ぶりに動き出した。ただし「全面復旧」ではない。米政府が認めたのはMythos 5だけ、対象は約100の米国組織だけ、一般向けのFable 5は書簡で触れられてすらいない。同じ日にOpenAIのGPT-5.6も政府承認済みの約20社にしか公開されなかった。誰が最も強いAIモデルを使えるか。それを決めるのは、もう開発企業ではない。この2週間で、その構造が既成事実になった。 書簡の中身 現地時間6月26日金曜日、ハワード・ラトニック(Howard Lutnick)商務長官からAnthropicのトム・ブラウン(Tom Brown)共同創業者に宛てた書簡が届いた。宛先がCEOのダリオ・アモデイ(Dario Amodei)氏ではなくブラウン氏になっている理由は後述する。 書簡の要旨はこうだ。6月12日の指令以降、Anthropicは米政府とともにリスク対応に取り組み、十分な成果が得られた。よって「信頼されたパートナー」に限り、Mythos 5へのアクセスを認める。ラトニック氏は承認リストをいつでも変更できるとし、

基準なき規制がフロンティアAIを止めている

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基準なき規制がフロンティアAIを止めている

Fableが止まった。GPT-5.6も制限された。だが何が安全かの基準は、まだ存在しない。 「許可」の条件を、誰も知らない フロンティアAIモデルの一般公開が、米国政府によって事実上の許可制に移行している。 AnthropicのFable 5が輸出管理指令で全ユーザーから遮断されたのは6月12日。それから2週間、復旧のめどは立っていない。6月26日にはOpenAIのGPT-5.6が、政府が個別に承認した約20社のパートナーだけに限定リリースされた。フロンティアモデルの公開を米国政府が事前に制限したのは、これが初めてになる。 フロンティアAI規制の経緯(2026年2月〜6月) 2月Anthropicをサプライチェーンリスクに指定国防総省が指定。連邦機関での利用を禁止 3月Anthropicがトランプ政権を提訴サプライチェーンリスク指定の違憲性を主張 6月2日AIサイバーセキュリティ大統領令に署名「任意の」事前テスト提供を規定。事実上の事前承認制 6月4日Great American AI Act ドラフト公表超党派の連邦AI規制法案。269ページ 6月9

OpenAI、IPOを2027年に延期か。1兆ドルの壁

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OpenAI、IPOを2027年に延期か。1兆ドルの壁

6月8日に機密S-1を提出したばかりのOpenAIが、IPOの延期を検討している。2026年内の上場を目指していた計画は、わずか2週間で揺らいだ。 SpaceXが見せた「その後」 きっかけはSpaceXだった。 6月12日にNASDAQへ上場したSpaceXは、850億ドル以上を調達し、時価総額は一時2兆ドルを超えた。史上最大のIPO。だが株価は上場後わずか4日で天井をつけ、6月16日の225.64ドルから急落。6月26日時点では153ドル付近で推移している。上場時の公開価格135ドルに対してかろうじてプラスを保っているだけだ。 この急落が、OpenAIのアドバイザーを動かした。 関係者3名の証言として報じられた内容によれば、アドバイザーはこの1週間でアルトマン(Sam Altman)氏に対し、現在の市場環境では個人投資家の買い意欲が集まりにくいと警告した。テック株全体が下落基調にあり、AI企業の評価額に対する疑念も広がっている。 「1兆ドル」に退路はない アドバイザーが示した選択肢は二つ。2027年まで待ち、市場が安定してから1兆ドルの評価額で上場する。あるいは評価

米政府がGPT-5.6のリリースに介入。顧客ごとの承認制へ

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米政府がGPT-5.6のリリースに介入。顧客ごとの承認制へ

OpenAIの次期モデルGPT-5.6のリリースが、米政府の要請で大きく変わった。一般公開ではなく、政府が承認した少数のパートナー企業だけがアクセスできる限定プレビューとして提供される。 AIモデルのリリースに政府が踏み込んだ日 6月25日、OpenAIのサム・アルトマン(Sam Altman)CEOが社内Q&Aで従業員に伝えた内容が報じられた。GPT-5.6は当初の一般公開を取りやめ、限定プレビューとしてリリースする。プレビュー期間中、政府が顧客ごとにアクセスを承認するという。 要請の出どころは、ホワイトハウスの国家サイバー長官室(ONCD)と科学技術政策局(OSTP)だ。米政府がAI企業に対し、モデルのリリース前に制限を求めたのはこれが初めてになる。 Anthropicに対する輸出規制指令とは性格が異なる。Fable 5とMythos 5の件では商務省が法的拘束力のある指令を出し、全ユーザーのアクセスが即座に停止された。今回は強制ではなく協議だ。政府の要請にOpenAIが応じている。 Mythos級のサイバー能力 なぜ政府はGPT-5.6に踏み込んだのか。 アルト

アリババが「過去最大」のClaude蒸留。2880万回とIPO前夜

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アリババが「過去最大」のClaude蒸留。2880万回とIPO前夜

2月に中国AI新興3社の蒸留攻撃を告発したAnthropicが、今度は中国テック最大手を名指しした。標的の格が、変わった。 アリババのQwenラボが動いた 6月10日付の書簡が、6月24日に報じられた。宛先は米上院銀行委員会のティム・スコット(Tim Scott)委員長とエリザベス・ウォーレン(Elizabeth Warren)筆頭理事。Anthropicはこの書簡で、アリババとそのAI研究部門Qwen(通義千問)によるClaudeへの大規模な蒸留攻撃を告発した。 数字だけで異常さが伝わる。2026年4月22日から6月5日までの約6週間で、約2万5000の不正アカウントを通じて2880万回以上のやり取りが発生した。狙われたのはClaudeのソフトウェアエンジニアリングとエージェント推論、つまりMythos Previewの商業的に最も価値のある能力だ。 2月の3社を単独で超えた Anthropicは2月、DeepSeek、MiniMax、Moonshot AIの3社がClaudeに対して産業規模の蒸留攻撃を行っていたと公表した。3社合計で約2万4000アカウント、1600

中国の360が「中国版Mythos」を宣言。止めたはずの脅威が、止めたことで増殖する

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中国の360が「中国版Mythos」を宣言。止めたはずの脅威が、止めたことで増殖する

Fable 5とMythos 5が米国政府の輸出管理で全面停止してから12日。中国のサイバーセキュリティ大手がMythos対抗を名乗り出た。360 Security Technology(三六零安全科技、上交所:601360)が、Mythosに匹敵すると自称するAIツールを正式に発表した。 「倚天屠龍」という名乗り 360の創業者ジョウ・ホンイー(Zhou Hongyi)氏が北京のISC.AI 2026カンファレンスで披露したのは、2つのAIセキュリティツールだ。総称は「倚天屠龍」。金庸の武侠小説『倚天屠龍記』(いてんとりゅうき)から取った名前で、原義は「天の剣と龍を屠る刀」。 脆弱性の自動発見を担う「屠龍鋒」(Tulongfeng)を、ジョウ氏は自ら「中国版Mythos」と呼んだ。もう一つの「倚天鎮」(Yitianzhen)は、サイバー防御とインシデント対応の自動化に特化している。 ジョウ氏は中国の最高政治諮問機関である全国政治協商会議の委員でもある。360が公開した講演録によれば、AIによる脆弱性発見を「国家戦略資産」と位置づけ、インフラ防御と攻撃の両面で使えると述べた。

45億円のAI代理戦争、決着がついた

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45億円のAI代理戦争、決着がついた

マンハッタンの民主党予備選に、AI業界の対立する両陣営が合わせて約45億円を注ぎ込んだ。負けたのは標的にされた候補だけではない。金を出した側も、勝利宣言ができずにいる。 結果と、その奇妙な静けさ 現地時間6月23日夜、AP通信がニューヨーク第12選挙区の民主党予備選の当選確実を出した。勝者はマイカ・ラッシャー(Micah Lasher)氏。開票率94%の暫定結果で得票率39%、次点のアレックス・ボレス(Alex Bores)氏が35%、ケネディ家のジャック・シュロスバーグ氏が約11%で続いた。 34年間この選挙区を代表してきたジェリー・ナドラー下院議員の引退に伴う後任選びだ。ラッシャー氏はナドラー氏本人、キャシー・ホークル州知事、マイケル・ブルームバーグ元ニューヨーク市長という民主党の主要人物から支持を得ていた。ブルームバーグ氏は約1000万ドル(約16億円)をラッシャー氏を支持するPACに投じている。 だがこの選挙を全米の注目の的にしたのは、ラッシャー氏の勝利ではない。ボレス氏をめぐるAI業界の代理戦争だった。 約45億円が一つの選挙区に集中した理由 ボレス氏は元パラ