Thermal Grizzly、ケーブル一体型の「WireView Pro II Wired」を追加。Founders Editionでも使える

Thermal Grizzly、ケーブル一体型の「WireView Pro II Wired」を追加。Founders Editionでも使える
Thermal Grizzly

グラフィックカードの12V-2×6コネクタが溶ける。そんなトラブルが、いまのハイエンドGPUでまだ起き続けている。Thermal Grizzlyはこの問題を見張るための監視機器「WireView Pro II」を展開してきたが、今回そのラインナップに新しい型番が加わった。「WireView Pro II Wired」と呼ばれるケーブル一体型のモデルだ。

どこが変わったのか

これまでのWireView Pro IIは、グラフィックカードの電源コネクタに本体を直接差し込む形だった。コネクタの向きに合わせてNormal版とReversed版の2種類が用意されていたものの、それでも本体を差すぶんのスペースがGPUの周りに必要になる。カードや筐体の形によっては、物理的に入らない。これが旧モデルの一番の弱点だった。

新しいWired版は、本体とグラフィックカードのあいだに40cmの12V-2×6ケーブルを挟む。本体をコネクタに直付けしないので、ケーブルの届く範囲なら筐体内のどこにでも置ける。付属のマウントブラケットを使えば固定位置も選べる。

Thermal Grizzly

この変更で対応できるカードが大きく広がった。Thermal Grizzlyは、NVIDIAのFounders Editionを含め、12V-2×6コネクタを備えたグラフィックカードすべてで使えるとしている。直付け式が入らずに諦めていたユーザーは、これで使えるようになる。

直付け式と「Wired」版の違い
直付け式
(Normal / Reversed)
Wired
接続方式 本体をコネクタに
直接差し込む
40cmケーブル
本体を離して置く
設置の
自由度
GPUコネクタ周りの
すき間に依存
筐体内に
自由に固定できる
対応
カード
クリアランス次第で
入らない場合あり
12V-2×6搭載カード
すべて
Founders
Edition
物理的に
使えないことがある
対応
直販価格 140.28ドルから 175.38ドル
※ 価格はThermal Grizzly直販の予約価格。Wired版は通常版より約35ドル高い。

監視の中身は据え置き

ケーブル化しても、計測まわりの機能は通常のPro IIから引き継いでいる。

WireView Pro IIの一番の持ち味は、12V-2×6コネクタを流れる電流をピン1本ごとに見られる点にある。合計の消費電力だけでなく、6本ある12Vラインそれぞれにどれだけ電流が流れているかを個別に表示する。コネクタが溶ける事故の多くは、特定のピンに電流が偏って集中し、その1点だけ温度が急に上がることで起きる。差し込み方が悪いというより、製造上のわずかな寸法差や、ピンごとの接触圧の違いが原因になる。合計値だけ見ていてもこの偏りは見えない。ピン単位で見るからこそ、接触不良の兆候を早い段階でつかめる。

電流のほかに電圧、温度、消費電力も常時計測する。Thermal Grizzlyが安全な範囲としてしきい値を決めており、それを超えると本体のTFT-IPSディスプレイに警告が出て、アラーム音も鳴る。付属のスプリッターケーブルをつなげば、しきい値を超えたときにシステムを自動でシャットダウンさせることもできる。しきい値は設定メニューから変えられる。

本体には記録用のメモリも入っている。ピンごとの12V電流、合計の消費電力、コネクタ近くの温度を60秒ごとに保存する。容量は、常時フルロードで約340日ぶん、一般的な使い方なら3~4年ぶんにあたる。古いデータから順に上書きされていく仕組みで、後からトラブルの経緯をたどれる。

冷却と作りこみ

WireView Pro II Wiredの筐体はCNC削り出しのアルミ製で、それ自体がヒートシンクの役割を持つ。30mmのファンを内蔵していて、セミファンレス仕様になっている。アイドル時は止まっていて静か、消費電力や温度が上がると自動で回り出す。

Thermal Grizzlyは、本体を筐体の吸気ファンの上に取り付けると冷却が楽になるとしている。吸気の風が当たれば廃熱が逃げやすく、Wired版はたいていの場面でファンを回さず動くという。

ディスプレイは320×170ピクセルのTFT-IPSカラー液晶。表示の切り替えは本体だけで完結する。専用ソフトウェア(WireView2-SW)も用意されているが、ソフトを入れなくてもハードウェア単体ですべての機能が使える。製品ページのダウンロードコーナーからソフトを入手できる。

電源ケーブルには3つのケーブルコーム(束ねるための部品)が付いていて、配線の見た目を整えやすい。

延長保証も付く

WireView Pro IIには、法定保証やメーカー標準保証を超える独自の延長保証が付く。保護機構をすり抜けてグラフィックカードの12VHPWRや12V-2×6コネクタが壊れた場合、Thermal Grizzlyが修理するか、修理できなければ同等品と交換する。これはグラフィックカード本体の保証が切れた後でも有効だ。保証期間は購入から2年。ただし、取扱説明書どおりに、GPUメーカーが定める動作範囲内で使っていたことが条件になる。

WireView Pro II Wired 主要スペック
項目 内容
電源ケーブル 40cm 12V-2×6(GPU側に固定接続)
計測方式 12V-2×6コネクタのピン単位で電流を計測
ディスプレイ 320×170ピクセル TFT-IPSカラー液晶
冷却 30mmファン(セミファンレス)+アルミ筐体
データ記録 60秒ごとに保存。フルロードで約340日分
延長保証 GPUコネクタの故障を2年カバー
カラー 黒 / 白
納期 予約受付中(5〜6週間)
※ データ記録の容量は、一般的な使い方なら3〜4年分に相当する。

監視機器そのものが壊れたときの面倒を見るだけでなく、監視されている側のGPUコネクタの故障までカバーする点が、この製品の安心材料になっている。

価格と発売

WireView Pro II Wiredは、Thermal Grizzlyの直販で予約価格175.38ドル。納期は5~6週間とされている。カラーは黒と白の2色。

通常版のWireView Pro IIは直販で140.28ドルから。Wired版はケーブル一体化と対応範囲の広さのぶん、35ドルほど高い。

なお、通常版は日本国内でも販売が始まっている。オリオスペックが税込2万5980円で扱ったが、初回入荷分は即完売した。直付け式が物理的に入らずに諦めていた人にとって、Wired版が国内に入ってくれば選択肢が一つ増えることになる。


参照元:Thermal Grizzly WireView Pro II GPU 製品ページ

関連記事

この記事を共有する

Read more