バンジーが半数を失った。Destiny終了後の大規模レイオフ

バンジーが半数を失った。Destiny終了後の大規模レイオフ
Sony

5月の報道で予告されていた大規模レイオフが、現実になった。Destiny 2最終アップデートから16日。バンジーに残ったのは、かつてのスタジオの半分だ。


400人超が対象、スタジオヘッドも辞任

SIEスタジオビジネスグループCEOのハーマン・ハルスト(Hermen Hulst)氏が現地時間6月25日、社内メールを公開した。バンジーの人員を削減し、Destinyチームの大部分とマラソンチームの一部が対象になると伝えている。バンジーの運営を支援していたSIEのスタッフにも削減が及ぶ。

公式発表は「相当な人数(significant number)」という表現に留まったが、レイオフ通知のコールに400人以上が参加していたと報じられている。直前まで約850人だったスタジオの、ほぼ半数だ。

同日、スタジオヘッドのジャスティン・トルーマン(Justin Truman)も辞任した。前任のピート・パーソンズ(Pete Parsons)の退任を受けて2025年8月に就任してから、1年足らずだった。後任にはVP of Operationsだったポリア・トルカン(Poria Torkan)が就いたと報じられている。トルカン氏はゲリラゲームズ出身で、2015年からバンジーに在籍している。

「期待に届かなかった」

バンジー自身も声明を出した。

「バンジーのリーダーとして、過去と現在の全員が認識している。Destiny 2はここ数年、期待に届かなかった。最終コンテンツアップデートの配信を終え、今後のプロジェクトがまだ初期段階にあるなか、従来の規模での運営を続けることはできなかった」

この声明に、今回のレイオフの構造がすべて詰まっている。Destiny 2の収益が落ちた。次のタイトルはまだ企画段階を出ていない。その間を埋める仕事が、数百人分ない。

ハルスト氏のメールは、Destiny 2について「過去10年のバンジーの成果は本当に素晴らしいものだった」と評価しつつ、マラソンを「ポートフォリオの重要な一部」と位置づけ、シーズン1・2の基盤を発展させる方針を示している。将来のプロジェクトについては「インキュベーション」という言葉を使い、具体的な内容には踏み込まなかった。

買収から3度目、削られ続けたスタジオ

2022年にソニーが36億ドル(当時約4,100億円)で買収したとき、バンジーの従業員は約900人だった。その後、積極的な採用でピーク時には約1,600人にまで拡大している。

縮小が始まったのは2023年10月。Destiny 2の拡張コンテンツ「Lightfall」の不振を受けて約100人が解雇された。2024年7月にはさらに220人が解雇され、155人がSIE側に異動。スタジオは約850人まで縮んだ。

Bungie従業員数の推移(ソニー買収以降)
2022年7月
ソニーが36億ドルで買収完了
従業員約900人。その後約1,600人まで拡大
2023年10月
1度目のレイオフ(約100人)
Lightfall不振を受けた人員削減
2024年7月
2度目のレイオフ(220人)
155人がSIE側に異動。約850人に縮小
2026年6月
3度目のレイオフ(400人超)
Destinyチーム大部分が対象。スタジオヘッド辞任
※ 2026年3月期決算でBungie関連の減損損失約7億6,500万ドルを計上

今回の400人超で、バンジーの規模は買収前を大幅に下回ることになる。36億ドルで買ったスタジオの従業員が、4年で半分以下になった計算だ。

ソニーは2026年3月期決算でバンジー関連の減損損失として約7億6,500万ドルを計上している。買収額の2割以上が帳簿から消えた。

Destinyを作った人たちがいなくなる

6月9日に配信された「Monument of Triumph」は、Destiny 2の9年間を締めくくる最終アップデートだった。サーバーはオンラインのまま維持されるが、新コンテンツの開発は終了している。

5月に30万筆を超えた「Destiny 3開発を求める署名」がファンの間で広がったが、ソニーの判断を変えた様子はない。Destiny 3は開発されておらず、ゴーサインも出ていないと5月に報じられていた。今回のレイオフで、そのチーム自体が大幅に縮小された。

Destinyという作品の価値と、それを作った人たちの雇用はつながらない。だが、シリーズを10年にわたって育ててきた開発者たちが、最終アップデートの直後に職を失うという事実は、「ありがとう」の言葉だけでは片付かない重さがある。

マラソンで持つのか

バンジーに残された唯一の稼働タイトルがマラソンだ。2026年3月にリリースされたエクストラクションシューターで、発売直後は好意的な評価を受けたが、Steamの同時接続数はすでにピーク時から大幅に減少している。

7月のミッドシーズンアップデートでは、マラソン初の完全PvEモード「Vault Breaker」が実装される予定だ。Cryo Archiveを舞台に専用キットで探索するモードで、これまでPvP主体だったゲームの幅を広げる狙いがある。

ソニーがマラソンを「重要」と繰り返す背景には、それ以外に見せられるものがないという現実がある。インキュベーション中の新プロジェクトが形になるまで、マラソンがスタジオの存在意義を証明し続けなければならない。

独立を条件に売り、独立を失った

バンジーの歴史を振り返ると、このスタジオは常に「独立」を求めてきた。マイクロソフト傘下でHaloを生み出し、Haloの権利を置いて独立した。ソニーへの売却時にも「独立したスタジオとして運営される」ことが買収の大前提だった。

その独立は、実質的に終わった。スタジオヘッドの辞任、レイオフの規模と範囲、SIEによるメッセージのコントロール。バンジーはソニーのファーストパーティスタジオの一つとして、与えられた枠の中で成果を出すことを求められている。

Halo、Destiny、マラソン。バンジーが生み出してきたフランチャイズは、いずれもゲーム史に名前が残る。その歴史を作った人たちの多くが、今日、スタジオを去った。残った人たちが次に何を作るのか。それが見えるまで、バンジーはゲーム業界で最も高価な「これから」を背負い続ける。

参照元:An Update from PlayStation Studios

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