PS6もXbox次世代機もディスクなし。アナリストが断言

PS6もXbox次世代機もディスクなし。アナリストが断言

SIEが7月1日に発表した新作ゲームの物理ディスク廃止を受け、複数のゲーム業界アナリストがPS6とXbox次世代機Project Helixのデジタル専用化を事実上確定と見なしている。焦点はもはや「ディスクがなくなるかどうか」ではなく、なくなった後にゲームの所有権をどう守るかに移った。


アナリストの見解は一致している

SIEのディスク廃止発表から数時間で、業界を代表する調査機関が次々と見解を出した。

調査会社Circanaのマット・ピスカテラ(Mat Piscatella)氏は、PS6とProject Helixの両方がデジタル専用デバイスになると断言している。任天堂はSwitch 2のライフサイクルが終わるまでカートリッジの生産を続ける見込みだが、PlayStationとXboxについては結論が出たという認識だ。

東京拠点のコンサルティング会社カンタンゲームズのセルカン・トト(Serkan Toto)氏も同意見で、Xboxが同じ判断を下しても驚く者はいないだろうと述べている。

Niko Partnersのダニエル・アフマド(Daniel Ahmad)氏は、より踏み込んだ分析を展開した。PlayStationのデジタル販売比率はPS4発売当初の13%から直近四半期で85%にまで上昇しており、この流れは不可逆だと指摘する。2025年に販売された物理ソフトは約7000万本。市場として消滅したわけではないが、縮小の速度は加速している。アフマド氏はこの決定を、市場動向への対応としてだけでなく、コスト削減、中古市場の排除、PS Storeへの売上集中を含む事業判断として読んでいる。

2028年末発売説の根拠

Ampere Analysisのピアーズ・ハーディングロールズ(Piers Harding-Rolls)氏は、ディスク廃止のタイミングからPS6の発売時期を読み取っている。物理ディスクの生産が2028年1月に終わるなら、PS6が2027年末に出る可能性は事実上消える。仮に2027年に発売すればローンチタイトルをディスクで出荷した直後に物理メディアを打ち切ることになり、消費者にもブランドにも不整合が生じる。ハーディングロールズ氏の予測は2028年末だ。

従来、アナリストの多くはPS6とXbox次世代機の投入を2027年後半から2028年前半と見ていた。ソニーの今回の発表は、その予測を少なくとも半年後ろにずらした。

ハーディングロールズ氏はPS6の標準モデルにディスクドライブが搭載されないことはほぼ確実と分析している。PS4やPS5のディスクを動かすための外付けドライブがオプションで提供される可能性には言及しているが、それは過去のライブラリを救済するための措置であって、新作のためではない。

Microsoftはディスクを「変換」する

PS6だけではない。Xbox次世代機Project Helixもディスクドライブを搭載しない方向で開発が進んでいると報じられている。

Microsoftには、ソニーにはない対応策がある。コードネーム「ポジトロン」と呼ばれるディスクからデジタルへの変換プログラムだ。5月にXboxアプリのコードから存在が確認され、7月1日には新たな詳細が報じられた。

既存のディスクドライブ搭載Xbox(Series Xなど)にディスクを挿入すると、そのゲームのデジタルライセンスがアカウントに紐づく。以後はXbox Cloud GamingやPlay Anywhereを通じて、ディスクなしでプレイできるようになる。

ライセンスの移行後にディスクがどう扱われるか、重複利用の防止をどう実現するかなど、未解決の課題は多い。それでも、物理ライブラリを次世代に持ち込む道筋を用意している点で、Microsoftはソニーよりも一歩先に動いている。

ソニーには、こうした移行プログラムの発表がない。PS5のディスク版を持つ消費者は、PS5本体が動く限りそのディスクを使い続けるか、デジタル版を購入し直すかの二択になる可能性がある。PS3とPS Vitaの購入済みコンテンツは引き続きダウンロードできるが、PS Store閉鎖後の新規購入はできなくなる。

2013年のあの動画を覚えているか

今回の決定には皮肉がある。2013年のE3まで遡る。

当時、MicrosoftはXbox Oneの常時オンラインDRMポリシーを発表して激しい批判を浴びた。ソニーはその直後のE3期間中、吉田修平氏とアダム・ボイズ(Adam Boyes)氏が出演する21秒の動画を公開した。動画の中身は、ゲームのパッケージを友人に手渡すだけ。物理メディアの自由さを武器に、Microsoftのデジタル管理路線を笑い飛ばし、世界中で拡散された。

PlayStationとXboxの立場変化
2013年(E3)2026年(現在)
ソニーゲームを友人に手渡す21秒の動画で物理メディアの自由さをアピール2028年1月にディスク生産終了を発表。移行プログラムなし
MicrosoftXbox Oneの常時オンラインDRMで批判を浴び、撤回に追い込まれるProject Positronでディスクをデジタルライセンスに変換する仕組みを開発中
各社の公式発表・報道に基づく

13年後、同じソニーがディスクそのものを廃止する。Microsoftはディスクの資産をデジタルに移行するプログラムを開発している。立場は完全に逆転した。

残される問い

ディスクが消えること自体は、数字が示す通り、大多数の消費者にとって実生活への影響は小さい。PlayStationのゲーム販売本数のうち85%はすでにデジタルだ。

問題はその先にある。デジタルで購入したゲームは、プラットフォームホルダーがライセンスを取り消せば消える。サービスが終了すれば再ダウンロードできなくなる。中古で安く買う選択肢も、友人に貸す自由もない。PS3・PS VitaのPS Store閉鎖は、それが仮定の話ではなく現実に起きることを証明した。

任天堂はSwitch 2でカートリッジの生産を続ける。PCにはSteamがあり、オフラインモードでの継続的なアクセスが前提として設計されている。PlayStationとXboxだけが、次世代で物理メディアを完全に切り離す。

アフマド氏が指摘するように、本質的な議論はデジタルの権利とライセンスの在り方に移っている。購入したゲームへの恒久的なアクセスを法的に保証する仕組みが存在しない以上、消費者が支払っているのは「所有」ではなく「アクセス権の一時的な許諾」にすぎない。

ゲームの保存についても、ディスクが製造されなくなれば、将来の世代がその時代のゲームを遊ぶ手段はプラットフォームホルダーの判断に委ねられる。

PS6とProject Helixの価格は、部品コストの高騰により約1000ドルに達する可能性が取り沙汰されている。ディスクドライブの廃止はその価格を多少押し下げる手段の一つだが、コスト削減の恩恵が消費者に届く保証はどこにもない。


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