物理ゲーム支出17年ぶり増加、ソニーはディスク廃止を発表

物理ゲーム支出17年ぶり増加、ソニーはディスク廃止を発表

米国の物理ゲーム支出が2009年以来初めて前年を上回った。だがその数字が出たあと、ソニーは新作ゲームのディスク生産を終了すると発表した。署名運動には数日で約10万の賛同が集まり、読者投票では71%がパッケージ版の存続を求めている。 


16億ドル、17年ぶりのプラス

市場調査会社Circanaのマット・ピスカテラ(Mat Piscatella)氏が6月下旬に公開したデータによれば、2026年5月までの12ヶ月間における米国の物理ゲーム支出は16億ドル、前年比3%増だった。前年を上回るのは2009年以来、17年ぶりになる。

Mat Piscatella

増加の内訳は偏っている。任天堂プラットフォームの物理ソフト売上が前年比約26%伸びた一方、他のエコシステムはすべて2桁の減少を続けている。ピスカテラ氏は「Switch 2効果だ」と断言し、「一時的な可能性が高い」と付け加えた。

2009年当時、米国の物理ゲーム市場は115億ドル規模だった。16億ドルはその7分の1に満たない。市場が長期的に縮小し続けている事実は動かない。それでも、17年続いた縮小が一瞬だけ反転したタイミングでSIEが新作ディスクの生産終了を発表したことになる。

同じCircanaの5月データは、別の事実も示している。PS5のハードウェア販売台数は2000年5月以来の最低を記録し、平均購入価格は前年比33%増の672ドルに達した。ゲームハード全体の平均購入価格も502ドルと、前年から14%上がっている。ハードが高くなり、売れる台数が減っている環境で、ソフトの流通経路までデジタルに一本化される。

小売が動いた

SIEの発表から数日で、Change.orgの署名「Don't Kill the Disc」には約10万の賛同が集まった。

Don't Kill the Disc(機械翻訳)

立ち上げたのはカナダ・ウィニペグのゲーム小売店PNP GamesのCEO、ジェイド・ピアース(Jade Pearce)氏だ。署名ページにはこう書かれている。「デジタルに反対しているのではない。デジタルしか選べないことに反対している

ピアース氏の署名はゲーマー個人の感傷とは性質が異なる。小売店、流通業者、ディスク製造業者、中古市場、コレクターコミュニティ。物理メディアが支えてきた産業全体を代弁する立場からの声だ。Push Squareの集計では、同テーマの署名運動が少なくとも15件乱立している。

海外メディアWindows Centralが実施した読者投票でも、1577票のうち71%が「パッケージ版がなくなるのは惜しい」と回答した。デジタル完全移行を歓迎したのは13%にとどまる。

署名や投票がソニーの判断を覆す可能性は低い。ディスク製造拠点であるオーストリアの工場は光学レンズ生産への転換に着手しており、物理的な撤回の余地はほぼない。

ソニーの直近の決算では、ダウンロード販売比率が年間78%に達している。しかしデジタルで購入している8割の中にも、選択肢が消えることへの不安を抱えた人がいる。

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